日経平均の予想: [2012/02/26]今週の日経平均の見通し

Saturday, February 25, 2012

[2012/02/26]今週の日経平均の見通し



[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、住宅関連経済指標の好転とギリシャ債務問題の落ち着きで上昇しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。
2012年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が1.81ポイント割高となっています。その要因はS&P500PER13.0で、東証1部平均のPER21.4との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の復興などの影響で日本の2012年のGDP予想値が3.9%程度になる(又は、日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ2.0%分日本が勝る)ことが織り込まれているとも解釈できます。


[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。今週も、EU諸国の国債の金利動向と経済指標発表の影響が米株式相場に影響しそうですが、NYDowの短期上昇トレンドの変化の有無に注目する必要がありそうです。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は10-12月期の決算発表に伴い-22%と大幅なマイナスとなり、今期ROE予想値も7.4%から4.9%へ悪化しています。
   日米の長期金利はまちまちで、日米の金利差は1.06%から1.01%へ縮小したものの、為替は79円台から81円台と大幅な円安方向の動きでした。今週は81円台から80円台の動きとなりそうです。
   OECDによる日米の2012年の実質GDP伸び率は改定され日本が+2.1%で、米国は+1.9%と予想されていますので、この面では日本市場の0.2ポイント好材料です。
   23週は買い越しで、24週も買い越しだった可能性が高く、今週も買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①③⑤が強気材料でした。今週も、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、4.6ポイント割安となりました。先週比2.7ポイント割安幅は縮小しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。200日移動平均線乖離率は+6.7%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。総合乖離率は+24.2%となりプラス幅が拡大しました。3つがプラスですので中期トレンドは、青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で中期的にも"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、アフリカ・中東政情不安、新興国の利上欧州の政府債務問題、雇用指標の停滞、不動産市場の低迷、などのリスクはやや後退しているものの資源高、世界景気後退懸念が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2014年後半まで継続する見通しの中、10-12月期の米企業決算は概ね好調である点とが挙げられます。また、日本市場の10-12月期の企業決算では今期業績の伸び率が鈍化しているものの、日銀が追加金融緩和と年率1%のインフレターゲットを設定したことが好感されて、円安の進展が、目先の日本市場が強い(ファンダメンタル的に割高となる)一因となっています。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドとなっています。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドとなっています
目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機については、LIBORのドル3ヶ月物金利は下降に転じ、金融危機懸念は後退しています。今後も金利低下傾向が続くか要注目です。一方、先週の為替は日米金利差縮小ながら、大きく円安方向へと動きました。
先週の日経平均は、上昇中のボリンジャーバンド+2σを挟んだ動きとなりました。今週の米国市場はEU首脳会議、米国の2月の消費者信頼感指数、10-12月期のGDP改定値、2月のISM製造業景況指数などの経済指標が注目されそうです。今週の日経平均も米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうでが、今週の日経平均は上値が上昇中のボリンジャーバンド+2σ(現在9630近辺)で下値がボリンジャーバンド+1σ(現在9350近辺)が想定されまが、テクニカルには高値警戒感が出る水準に達しており、為替の円安も急ピッチですので、利食い売圧力は引き続き強そうです



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