日経平均は米国市場の原油高を原因とするインフレ懸念による金利上昇と景気後退懸念による2ヶ月の下落(4月-6月)の後、一旦リバウンドして6月に200日線まで戻し、その後、ボリンジャー・バンドの下限と上限の範囲内で上下を繰り返し、直近は11月上旬に付けた安値を割って下落した後、25日移動平均線まで戻した状態です。昨日のNYSEとNASDAQは小動きだったこともあり、日経平均は前日終値近辺で寄り付き、その後利食い売りにおされて少し安くなる場面もありましたが、すぐに持ち直し、結局47円高で引けました。外人は620万株の買い越しで、出来高は16.9億株と若干減少したものの、安値更新銘柄数は連日減少し、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差はプラス幅を拡大しました。2日連続上昇した後にも関わらず上昇した点を見ると12月に入り堅調な展開が期待出来そうです。次の注目点ボリンジャーバンドの上限値(16770円近辺)にどれだけ近づけるかです。その先、上昇トレンドを確認する為には10月高値の16902円を更新する必要があります。しかし、実現はそう簡単ではなさそうです。中間決算発表がほぼ終わった段階でも、期待に反して今期の増益率は3.0%と下方修正気味であることも変わりませんので、今後は、下期業績悪化懸念との綱引きとなりそうです。中期的な展望ですが、中間決算は良好で経常益は今のところ前年同期比で+16%の増益ながら通期は3.0%の増益です。どうも通期予想に慎重な会社が多すぎます。下期がそんなに悪くなるようにも思えないと言う見方もあり、その場合、今期増益率はいずれ+10%程度に修正される可能性も有ると思われます。しかし、この結論は2月から3月の第三四半期決算発表を待たねばなりません。チャート的には、日経平均は目先、上昇に転じ、一目均衡表の雲の中に入り、200日移動平均線の上へ抜け、総合乖離率もプラスに転換しましたので、中期的な上昇トレンドに一応復帰しました。今後、米国市場が強い動きが続き、外人買いが入り、決算発表により増益率が大幅改善されれば、日経平均は、また上昇トレンドに復帰して、17000円を抜く上昇も考えられます。しかし、下期の業績予想に変化がなく、外人買いが入らない場合は、16500円を上限としたボックス相場となるとの見方が妥当でしょう。
《材料や参考銘柄、日経平均チャートについては左のLINKにある"YS総合研究所HP"も参考にしてください。》