日経平均の予想

Monday, April 25, 2022

[2022/04/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

422日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。425日の日経平均先物は、前日比510円安で寄付くと、午前中は630円安から340円安の間でもみあい、午後は390円安から560円安の間でもみあって、結局560円安で取引を終えました。日経平均の終値は514円安の26590円で、出来高は10.14億株と比較的高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

また、空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、さらに強まりました。

 

422日の米国市場では、FRBの積極的な金融引き締めが景気減速を招くとの警戒感が改めて強まり、幅広い銘柄が売られました。週の前半に戻りが目立った景気敏感株や消費関連株が売られたほか、決算発表を受けてベライゾン・コミュニケーションズなど一部銘柄が大幅安となりました。主力ハイテク株も総じて売られました。NYDowは大幅に続落し、NASDAQ3日続落しました。

425日の日本市場では、前週末の米株式市場で主要3指数がそろって下落した流れが引き継がれ、運用リスク回避の売りが優勢となりました。FRBによる積極的な金融引き締めへの警戒感のほか、中国経済の減速懸念も重石となりました。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は-10.2%と前週末よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-5.4%と前週末よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の下にあり、9日線と25日線を下回りました。一目均衡表では雲の中入りました。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+7.1ポイントと前週末よりプラス幅を拡げ、日経平均が1890円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は-1.9ポイントで、日経平均が510円ほど割安であることを示しています

 

日経VI27.40VIX28.21と、日米市場のボラティリティーは大幅に上昇しました。両指数とも節目の20を大きく上回り、投資家の不安心理がさらに高まったことを示しています。日経平均のNYDowに対する弱さは、前日より縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.6、米国-2.3と日本が5.3ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.18ポイント(日経平均換算で10270円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率6.9%増で、改定値の7.0%増から小幅に下方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の消費者物価指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、2月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の小売売上高、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、2月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比43.1万人増で、市場予想の46.0万人増をやや下回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.8%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+19.1%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが遅くなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、420 1.1362% 421 1.1840% 422 1.2137%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%がここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.77PBR1.19となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.3%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.0%で、こちらは3か月前より5.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.5%となり、日経平均の割安幅は1190円から1000円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1540円から-1000円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.69ポイントから2.62ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策の為、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはゼロ金利政策を続けていますが、量的緩和政策は終了に向かいつつあります

 

425日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。コカコーラなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを620円ほど下回り、下値は想定ラインを260円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在26950円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在26310円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を2日連続で上回り、信用の売り圧力はさらに強まりました。日経VI20を大きく上回り、投資家の不安心理はさらに高まりました。米国市場の投資環境は、突然、大きく悪化しました。日経平均は、目先、ボリンジャーバンド-2σまでの下落もありそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Saturday, April 23, 2022

[2022/04/24]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、FRBの積極的な金融引き締めが景気を冷やすとの懸念が強まり、幅広い銘柄が売られ、株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-1.86%, NASAQ:-3.83%, S&P500:-2.75%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、サプライチェーン混乱の長期化による世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が2.10ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER19.4に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER13.0との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに2.10ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.8程度になるか、又は、日経平均が37250円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は10140円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は10140円分、魅力に欠けるとも言えます。

日米の長期金利差が拡大して、日本市場の弱さは拡大しました。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYDow200日線の上に戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.3%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント改善しています。また、利益伸び率は+29.0%3ヶ月前に比べて6.3ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は2.60から2.66と拡大して、ドル円は126円から129円の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.62%上昇しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率予測が公開されて、日本が+1.8%で、米国は+4.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が3.1ポイント劣ります。

  4月第2週は買い越しで、4月第3週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に8.9ポイント(日経平均に勘算すると2410円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に0.1ポイント(日経平均に勘算する30円程度)割安です。

 

週間では米国市場に対する日本市場の弱さは縮小しました。米国市場のボラティリティーは高まり、VIX24.38と先週から上昇し、投資家の不安心理の高まりを示す20を依然として超えています。

 

日経平均は、9日線の上にありますが、25日線の下にあります。短期トレンドには”黄信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。総合乖離率は-4.8%となり先週と比較しマイナス幅は拡大しました。 200日移動平均線との乖離率は-3.6%で、マイナス幅は縮小しました。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"黄信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には赤信号で、中期的にも黄信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、ウクライナ紛争、米国の利上げ、長期金利の上昇、原油相場の上昇、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては日銀による金融緩和政策の維持が挙げられます

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。日本市場は中期もみあいで、短期はもみあいです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、円安方向に反転しています。今週は127円台から130円台が想定されます。

 

今週は、米国とユーロ圏の1-3月期のGDP速報値が注目されそうです。また、1-3月期の決算発表が続き、日銀の金融政策が発表されます。その他、米国の住宅関連指標、3月の耐久財受注、4月の消費者信頼感指数、中国の4月製造業PMIなどの経済データの発表があります。

 

先週の日経平均は、ほぼ想定レンジ内の動きでした。上値は想定ラインを290円ほど下回り、下値は想定ラインを90円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値が 25日線(現在27390円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在26350円近辺)の間での動きが想定されます。

 

ボラティリティーは高まり、投資家の不安心理が高い状態を示しています。また、売り圧力も強まり、今週の日経平均は、下落基調が続きそうです


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Friday, April 22, 2022

[2022/04/22]今後の日経平均の見通し

[市況]

421日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。422日の日経平均先物は、前日比420円安で寄付くと、午前中は360円安から630円安と下落幅を拡げ、午後は520円安から350円安と下落幅を縮めて、結局420円安で取引を終えました。日経平均の終値は447円安の27105円で、出来高は9.79億株と比較的高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利となりました。

また、空売り比率は、5日平均を4日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、大幅に強まりました。

 

421日の米国市場では、好決算銘柄への買いが先行しましたが、朝高後は売りが優勢となりました。午後にはパウエルFRB議長のタカ派的な発言を受けて長期金利が上昇し、高PERのハイテク株などへの売りが膨らみました。NYダウは前日までの2日間で750ドル近く上げており、利益確定の売りも出やすい環境でした。主要3指数はそろって下落しました。

422日の日本市場では、金融引き締め観測を背景に前日の米株式市場が大幅に下落した流れが引き継がれ、幅広い銘柄にリスク回避の売りが膨らみました。前日までの上昇の反動で、利益確定の売りも出やすい環境でした。日経平均は4日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にありますが、25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は-4.8%とマイナスに転換し、200日線との乖離率は-3.6%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200線の下にあり、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にありますが、200日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下に出ました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+6.7ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が1820円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は-2.9ポイントで、日経平均が790円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.77VIX22.68と、日米市場のボラティリティーは上昇しました。両指数とも節目の20を上回っており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均のNYDowに対する弱さは、前日より拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.5、米国-2.2と日本が5.3ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より2.20ポイント(日経平均換算で10830円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率6.9%増で、改定値の7.0%増から小幅に下方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の消費者物価指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。また、2月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、3月の小売売上高、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、2月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比43.1万人増で、市場予想の46.0万人増をやや下回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.8%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+19.1%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが遅くなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、414 1.0627% 419 1.0982% 420 1.1362%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%がここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.98PBR1.21となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.3%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+28.9%で、こちらは3か月前より6.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.2%となり、日経平均の割安幅は1220円から1190円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1540円から-1190円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.63ポイントから2.69ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均も、短期的・中期的にもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策の為、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはゼロ金利政策を続けていますが、量的緩和政策は終了に向かいつつあります

 

422日の米国市場では、4月の製造業PMIのほか、ベライゾン・コミュニケーションやアメリカン・エキスプレスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを710円ほど下回り、下値は想定ラインを290円ほど下回りました。目先は、25日線(現在27390円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在26770円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を4日ぶりに上回り、信用の売り圧力は大幅に強まりました。日経VI20を上回っており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。米国市場の投資環境は好転せず、日経平均の上昇も継続は見込めません。ここからは、25日線を挟んだもみあいが予想されます。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Thursday, April 21, 2022

[2022/04/21]今後の日経平均の見通し

[市況]

420日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。421日の日経平均先物は、前日比120円高で寄付くと、午前中は60円高から400円高と上昇幅を拡げ、午後は280円高から400円高の間でもみあって、結局340円高で取引を終えました。日経平均の終値は335円高の27553円で、出来高は10.29億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅をやや縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

420日の米国市場では、市場予想を上回る四半期決算を発表したIBMなどの銘柄が買われ、相場の上昇を牽引しました。インフレの高止まりや金融引き締めの中でも景気や企業業績は底堅いとの見方が強まり、投資家心理を支えました。一方、契約者の減少が伝わったネットフリックスが急落するなど、主力ハイテク株は売られ、相場の重石となりました。結局、NYDowは続伸し、NASDAQは反落しました。

421日の日本市場では、米長期金利の上昇に対する過度な警戒感が後退し、値がさのハイテク株を中心に買いが優勢となりました。米株価指数先物が堅調に推移したことも追い風となりました。取引終了後に注目度の高い日本電産やディスコの決算発表を控えていることもあり、午後は様子見ムードが強まりました。日経平均は3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+0.0%とプラスに転換し、200日線との乖離率は-2.0%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200線の下にありますが、9日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線と25日線の上にあり、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+6.4ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が1760円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は-2.4ポイントで、日経平均が660円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.47VIX20.32と、日米市場のボラティリティーはやや下落しました。両指数とも節目の20を上回っており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均のNYDowに対する弱さは、前日より改善されました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.3、米国-2.2と日本が5.1ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.96ポイント(日経平均換算で9710円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率6.9%増で、改定値の7.0%増から小幅に下方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

4月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の鉱工業生産指数、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月の消費者物価指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は上回りました。また、2月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、3月の小売売上高、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、2月の耐久財受注は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比43.1万人増で、市場予想の46.0万人増をやや下回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.8%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

3月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+19.1%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが遅くなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、413 1.0442% 414 1.0627% 419 1.0982%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%がここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.28PBR1.24となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.3%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+28.8%で、こちらは3か月前より6.8ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.3%となり、日経平均の割安幅は1540円から1220円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1540円から-940円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.69ポイントから2.63ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、インフレ対策の為、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはゼロ金利政策を続けていますが、量的緩和政策は終了に向かいつつあります

 

421日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、G7財務相・中央銀行総裁会議のほか、ユニオン・パシフィックやフィリップ・モリスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油価格、長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインとほぼ一致し、下値は想定ラインを420円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在27910円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在27170円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を3日連続で下回り、信用の売り圧力は弱まりました。日経VI20を上回っており、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均は、ボリンジャーバンド+2σを目指す動きが期待できそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート