日経平均の予想

Saturday, March 26, 2022

[2022/03/27]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、原油相場の上昇、長期金利の上昇、商品相場の上昇などで、個別銘柄はまちまちな動きとなりましたが、株価指数は上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+0.31%, NASAQ:+1.98%, S&P500:+1.79%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、サプライチェーン混乱の長期化による世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.45ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER19.9に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER13.6との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.45ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.0程度になるか、又は、日経平均が35070円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は6920円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は6920円分、魅力に欠けるとも言えます。

S&P500PERが上昇して、日本市場の弱さは拡大しました。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQの週足も陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。今週は、NYDowが一目均衡表の雲の上に戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.2%となりました。3ヶ月前に比べて0.1ポイント改善しています。また、利益伸び率は+28.9%3ヶ月前に比べて6.1ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は1.95から2.24と拡大して、ドル円は119円から122円の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.59上昇しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率予測が公開されて、日本が+1.8%で、米国は+4.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が3.1ポイント劣ります。

  3月第3週は売り越しで、3月第4週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に3.5ポイント(日経平均に勘算すると990円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に0.0ポイント(日経平均に勘算する0円程度)で同水準です。

週間では米国市場に対する日本市場の弱さは解消しました。米国市場のボラティリティーはやや高いものの、VIX20.81と先週から低下し、投資家の不安心理は、かなり改善しています。

 

日経平均は、25日線と9日線の上にあります。短期トレンドには”青信号”が点灯しています。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+8.7%となり先週と比較してマプラスに転換しました。200日移動平均線との乖離率は-0.4%で、マイナス幅は縮小しました。2つの要素がプラスですので、中期トレンドには、"黄信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、9日線と25日線の上にありますが、200日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQも、9日線と25日線の上にありますが、200日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。

短期的には青信号で、中期的には黄信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、ウクライナ紛争、米国の利上げ、長期金利の上昇、原油相場の上昇、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国政府による大規模の経済対策があげられます。また、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債と12兆円までのETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府による経済対策があります。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。日本市場は中期もみあいで、短期は上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、円安方向に反転しています。今週は122円台から120円台が想定されます。

 

今週は、米国の雇用統計が注目されそうです。また、ドイツのCPIが発表され、米国・カナダのGDPも発表されます。その他の経済指標では、米国の1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数、3月のCB消費者信頼感指数、3月のISM製造業景気指数も発表されます。

 

先週の日経平均は、ほぼ想定レンジ内の動きでした。上値は想定ラインを40円ほど上回り、下値は想定ラインを810円ほど上回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値が ボリンジャーバンド +2σ(現在28310円近辺)で、下値がボリンジャーバンド +1σ(現在27340円近辺)の間での動きが想定されます。

 

今週の日経平均は、ボリンジャーバンド +2σに達し、200日線に跳ね返された形になっていますので、目先、一服しそうです


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Friday, March 25, 2022

[2022/03/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

324日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。325日の日経平均先物は、前日比190円高で寄付くと、午前中は280円高から60円安の間で上下し、午後は140円安から100円高と上昇に転じて、結局70円高で取引を終えました。日経平均の終値は39円高の28149円で、出来高は11.87億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。

また、空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力はさらに強まりました。

 

324日の米国市場では、買いが優勢となりました。G7首脳会議でロシアに対する追加の経済制裁の具体案が出なかったことから、エネルギー高への懸念がやわらぎました。週間の新規失業保険申請件数が52年ぶりの低水準となったことも投資家心理を上向かせました。また、主力ハイテク株や半導体株が買われ、相場を押し上げました。NYDowNASDAQは反発しました。

325日の日本市場では、短期的な過熱感を意識した利益確定の売りと、前日の米株高や円安進行を意識した買いが交錯しました。日経平均は方向感なく推移しましたが、結局はプラス圏で引け、9日続伸となりました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.7%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は-0.4%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+3.4ポイントと前日よりプラス幅を縮め、日経平均が960円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの比較では、日経平均が0.4ポイント(日経平均換算で110円)割高となっています

 

日経VI24.48VIX21.67と、日本市場のボラティリティーはやや上昇し、米国市場のボラティリティーは下落しました。日経平均のNYDowに対する強さは、前日より縮小しました。投資家の不安心理は低下傾向にありますが、依然としてやや高い状態にあります。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.1、米国-3.7と日本が3.4ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.32ポイント(日経平均換算で1300円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は上回りました。また、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、2月の耐久財受注、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比67.8万人増で、市場予想の42.3万人増を大きく上回りました。また、失業率は3.8%で、先月の4.0%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の中古住宅販売件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが遅くなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、321 0.9575% 322 0.9537% 323 0.9657%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.61PBR1.25となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+28.8%で、こちらは3か月前より6.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均は20円の割高から220円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-690円から+20円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.12ポイントから2.13ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

325日の米国市場では、EU首脳会議のほか、3月のミシガン大学消費信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油・長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど上回り、下値は想定ラインを200円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在28310円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+400円(現在27740円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を2日連続で上回り、信用の売り圧力はさらに強まりました。日米市場のボラティリティーは、低下傾向にありますが、依然としてやや高い状態です。日経平均は200日線で跳ね返される形となりました。過熱感もあり、目先はもみあいが予想されます。



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Thursday, March 24, 2022

[2022/03/24]今後の日経平均の見通し

[市況]

323日、NYDowNASDAQは上昇しました。324日の日経平均先物は、前日比440円安で寄付くと、午前中は290円安から480円安の間でもみあい、午後は370円安から70円高と上昇に転じて、結局20円安で取引を終えました。日経平均の終値は70円高の28110円で、出来高は12.42億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

また、空売り比率は、5日平均を8日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は強まりました。

 

323日の米国市場では、原油先物相場が5%高と急上昇したことから、高インフレが景気を冷やすとの懸念が強まり、消費関連株などに売りが膨らみました。また、FRBがインフレ抑制のため金融引き締めを急ぐとの観測も投資家心理の重石となり、このところ買われていたハイテク株の一角に売りが向かいました。NYDowNASDAQは反落しました。

324日の日本市場では、前日までの大幅上昇の反動で、幅広い銘柄に利益確定の売りや戻り待ちの売りが先行しました。しかし、午後に入ると主力株や半導体関連株などに買い戻しが入り、指数を押し上げました。米株価指数先物が堅調に推移したことも投資家心理を上向かせました。結局、日経平均は8日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+8.6%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は-0.6%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。

 

NYDowは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+5.0ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が1410円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの比較では、日経平均が1.2ポイント(日経平均換算で340円)割高となっています

 

日経VI24.33VIX23.57と、日本市場のボラティリティーはやや下落し、米市場のボラティリティーはやや上昇しました。日経平均はNYDowに対して割高の状態となりました。投資家の不安心理は低下傾向にありますが、やや高い状態を維持しています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.1、米国-3.7と日本が3.4ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.32ポイント(日経平均換算で1290円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は上回りました。また、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比67.8万人増で、市場予想の42.3万人増を大きく上回りました。また、失業率は3.8%で、先月の4.0%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の中古住宅販売件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが遅くなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、318 0.9340% 321 0.9575% 322 0.9537%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.59PBR1.25となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.1%で、こちらは3か月前より5.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.1%となり、日経平均は240円の割安から20円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-690円から+20円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.18ポイントから2.12ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

324日の米国市場では、NATOの緊急首脳会議のほか、週間の新規失業保険申請件数や、2月の耐久財受注、3月のPMIなどが注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油・長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを390円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在28200円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ+400円(現在27670円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を8日ぶりに上回り、信用の売り圧力は強まりました。日米市場のボラティリティーは、低下傾向にありますが、やや高い状態を維持しています。引き続き、日経平均が200日線(現在28280円近辺)を超えられるかどうかが、次の注目点です。



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Wednesday, March 23, 2022

[2022/03/23]今後の日経平均の見通し

[市況]

322日、NYDowNASDAQは上昇しました。323日の日経平均先物は、前日比350円高で寄付くと、午前中は350円高から750円高と上昇幅を拡げ、午後は590円高から790円高の間でもみあって、結局790円高で取引を終えました。日経平均の終値は816円高の28040円で、出来高は14.15億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。

また、空売り比率は、5日平均を7日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、かなり弱い状態となっています。

 

322日の米国市場では、利上げが加速するとの観測から長期金利が上昇し、利ざや改善期待から金融株が買われました。また、市場予想を上回る好決算を発表したナイキが買われ、他の消費関連銘柄にも買いが波及しました。一方、原油先物相場の反落を受け、石油株は売られました。主要3指数はそろって反発しました。

323日の日本市場では、前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、幅広い銘柄への買いが優勢となりました。中でも、値がさのソフトバンクグループが大幅高となり、指数を押し上げました。米長期金利の上昇や、外国為替市場で円安ドル高が進んでいることなども追い風となりました。下落局面で現金比率を高めていた投資家が買いに動いたという面もあったようです。日経平均は7日続伸し、終値で28000円台を回復しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+7.8%とプラスに転換し、200日線との乖離率は-0.9%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上に抜けました。3つの要素のうち2つがプラスとなり、中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の下にありますが、9日線の上にあり、25日線を上回りました。

 

NYDowは、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、200日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+3.4ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が950円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が0.4ポイント(日経平均換算で110円)割安となっています

 

日経VI24.36VIX22.94と、日米市場のボラティリティーは下落しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日より改善されました。投資家の不安心理は、やや高いものの、低下傾向が続いています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.1、米国-3.7と日本が3.4ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.36ポイント(日経平均換算で1450円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は上回りました。また、2月の鉱工業生産指数、2月の小売売上高、2月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比67.8万人増で、市場予想の42.3万人増を大きく上回りました。また、失業率は3.8%で、先月の4.0%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが速まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の中古住宅販売件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが遅くなるという面では強気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、317 0.9278% 318 0.9340% 321 0.9575%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.64PBR1.26となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.2%で、こちらは3か月前より5.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%となり、日経平均の割安幅は690円から240円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-690円から-240円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.12ポイントから2.18ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

323日の米国市場では、パウエルFRB議長の発言のほか、2月の新築住宅販売件数などが注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や原油・長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを240円ほど上回り、下値は想定ラインを550円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+300円(現在28320円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ-300円(現在27720円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を7日連続で下回り、信用の売り圧力はかなり弱い状態です。日米市場のボラティリティーはやや高いものの、低下傾向にあります。日経平均はボリンジャーバンド+2σを上回りました。200日線(現在28280円近辺)を超えられるかどうかが、次の注目点です。



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