日経平均の予想

Tuesday, March 15, 2022

[2022/03/15]今後の日経平均の見通し

[市況]

314日、NYDowは小幅上昇し、NASDAQは大幅下落しました。315日の日経平均先物は、前日比10円高で寄付くと、午前中は80円安から150円高の間で上下し、午後は150円高から20円高と上昇幅を縮めて、結局80円高で取引を終えました。日経平均の終値は38円高の25346円で、出来高は12.22億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

また、空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、比較的に弱い状態です。

 

314日の米国市場では、FOMCを前に長期金利が2.138%20197月以来の水準に上昇したことから、相対的に割高感が強まった高PERのハイテク株に売りが出ました。一方で、原油相場の下落を受けてガソリン高が消費減退につながるとの警戒感が後退し、消費関連株などが買われました。結局、NYDowは前日比横ばいとなり、NASDAQは大幅に3日続落しました。

315日の日本市場では、原油先物相場の下落や円安ドル高が好感され、買いが優勢となりました。ただ、FOMCを間近に控えてFRBの利上げペースに注目が集まるなか、積極的に持ち高を傾ける動きは限定的でした。ウクライナ情勢の不透明感や、香港株や上海株が下落したことも重石となりました。結局、日経平均は小幅に続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-22.7%と前日よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-10.5%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+4.3ポイントと前日よりプラス幅を拡げ、日経平均が1090円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が4.6ポイント(日経平均換算で1170円)割安となっています

 

日経VI28.48VIX31.77と、日本市場のボラティリティーはやや下落しましたが、米市場のボラティリティーは上昇しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日より改善されました。VIXは依然として30を上回っており、投資家の不安心理は最高レベルまで高まったままです。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.9、米国-3.2と日本が4.7ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.62ポイント(日経平均換算で6350円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高は上回りました。また、2月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比67.8万人増で、市場予想の42.3万人増を大きく上回りました。また、失業率は3.8%で、先月の4.0%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面で強気気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、39 0.7450% 310 0.8028% 311 0.8260%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.37PBR1.14となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+28.7%で、こちらは3か月前より6.0ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

NYDowは前日比横ばいでしたが、日経平均は上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.9%で、日経平均が1060円ほど割安となっています。プレミアム値は、ここ一週間、-1070円から-360円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.85ポイントから1.94ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

315日の米国市場では、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数や、2月の生産者物価指数などが注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを270円ほど下回り、下値は想定ラインを290円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在25710円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+400円(現在25030円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を2日連続で下回り、信用の売り圧力は比較的に弱い状態です。日本市場のボラティリティーはやや下落しましたが、米国の投資家の不安心理は依然として最高レベルまで高まっています。日経平均は、引き続き、VIX指数が低下しない限り、本格的な反転は期待できそうにありません。



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Monday, March 14, 2022

[2022/03/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

311日、NYDowNASDAQは下落しました。314日の日経平均先物は、前日比20円安で寄付くと、午前中は300円高から50円安の間で上下し、午後は130円高から90円安の間で上下して、結局40円安で取引を終えました。日経平均の終値は145円高の25307円で、出来高は11.87億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、やや「売り」が有利の状態です。

また、空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は弱まりました。

 

311日の米国市場では、ロシアとウクライナの対話が停戦に向けて前進しているとの期待から、買いが先行しました。しかし、ウクライナ西部の軍事施設が攻撃を受けたと報じられると、情勢を見極めたいとのムードが強まり、相場の上昇に歯止めをかけました。3月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことも投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQは続落しました。

314日の日本市場では、前週末の株安の反動で、値ごろ感の出た主力株が買われました。また、外国為替市場で円安ドル高が進み、輸出関連銘柄への買いを誘いました。ロシアとウクライナが停戦に向けて前進しているとの観測も投資家心理の支えとなりました。一方で、アジアの主要な株価指数が下落したことが相場の重石となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-23.6%と前週末よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-10.7%と前週末よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+2.3ポイントとプラスに転換し、日経平均が580円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が4.8ポイント(日経平均換算で1210円)割安となっています

 

日経VI28.98VIX30.75と、日米市場のボラティリティーはやや上昇しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前週末より改善されました。VIXは依然として30を上回っており、投資家の不安心理は最高レベルまで高まったままです。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.9、米国-3.3と日本が4.6ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.57ポイント(日経平均換算で6050円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高は上回りました。また、2月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のISM非製造業景況指数は市場予想、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比67.8万人増で、市場予想の42.3万人増を大きく上回りました。また、失業率は3.8%で、先月の4.0%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面で強気気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、39 0.7450% 310 0.8028% 311 0.8260%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.31PBR1.14となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.1%で、こちらは3か月前より5.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。ただ、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.9%となり、日経平均の割安幅は1010円から1070円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1070円から-360円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.79ポイントから1.85ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

314日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを30円ほど上回り、下値は想定ラインを480円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在25900円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+300円(現在25020円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を下回り、信用の売り圧力は弱まりました。日本市場のボラティリティーはやや上昇し、投資家の不安心理は依然として最高レベルまで高まっています。日経平均は、引き続き、ボラティリティーが低下しない限り、本格的な反転は期待できそうにありません。



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Saturday, March 12, 2022

[2022/03/13]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、ロシア・ウクライナ紛争の激化や、エネルギー需給の逼迫が世界経済に与える悪影響が警戒され、株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-1.99%, NASAQ:-3.53%, S&P500:-2.88%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、サプライチェーン混乱の長期化による世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.61ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER18.9に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER12.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.61ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.2程度になるか、又は、日経平均が31290円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は6130円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は6130円分、魅力に欠けるとも言えます。

日米の長期金利差は拡大して、日本市場の弱さは拡大しました。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足も陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYDow25日線の上戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.2%となりました。3ヶ月前に比べて0.1ポイント改善しています。また、利益伸び率は+29.1%3ヶ月前に比べて6.5ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は1.58から1.81と拡大して、ドル円は114円から117円の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+0.63%上昇しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率予測が公開されて、日本が+1.8%で、米国は+4.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が3.1ポイント劣ります。

  3月第1週は売り越しで、3月第2週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に1.7ポイント(日経平均に勘算すると430円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に5.4ポイント(日経平均に勘算する1360円程度)割安です。

週間では米国市場に対する日本市場の弱さがやや改善しました。米国市場のボラティリティーは高いものの、VIX30.75と先週からやや低下しましたが、投資家の不安心理は、依然として最高レベルの高い状態となっています。

 

日経平均は、25日線と9日線の下にあります。短期トレンドには”赤信号”が点灯しています。

一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-25.7%となり先週と比較してマイナス幅は拡大しました。200日移動平均線との乖離率は-11.3%で、マイナス幅は拡大しました。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には赤信号で、中期的には赤信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、ウクライナ紛争、米国の利上げ、長期金利の上昇、原油相場の上昇、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国政府による大規模の経済対策があげられます。また、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債と12兆円までのETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府による経済対策があります。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期はもみあいです。日本市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、円安方向に反転しています。今週は117円台から115円台が想定されます。

 

今週は、米国のFOMCが注目されそうです。また、ユーロ圏・日本のCPIが発表され、英国・日本が金融政策の決定を行う予定です。その他の経済指標では、米国のニューヨーク連銀景気指数、2月の小売売上高、2月の鉱工業生産も発表されます。一方、市場のボラティリティーの高さは継続すると予想されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下ぶれしました。上値は想定ラインを100円ほど下回り、下値は想定ラインを160円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在26560円近辺)で、下値がボリンジャーバンド -2σ(現在24840円近辺)の間での動きが想定されます。

 

今週も、ボラティリティー・インデックスは高いままと思われますので、下降中のボリンジャーバンド -1σを挟んだ動きとなりそうです


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Thursday, March 10, 2022

[2022/03/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

310日、NYDowNASDAQは下落しました。311日の日経平均先物は、前日比330円安で寄付くと、午前中は230円安から740円安と下落幅を拡げ、午後は780円安から390円安と下落幅を縮めて、結局410円安で取引を終えました。日経平均の終値は527円安の25162円で、出来高は14.21億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

また、空売り比率は50%を超え、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は強まりましたが、SQに絡んで例外的に売りがかさんだ可能性もありそうです。

 

310日の米国市場では、2月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比7.9%上昇と1月の7.5%上昇から拡大し、市場予想の7.8%上昇も上回ったことから、インフレへの警戒感が改めて強まり、ハイテク株を中心とした幅広い銘柄に売りが膨らみました。ただ、週間の失業保険申請件数が前週比で増加したことを受け、積極的な金融引き締めに対する懸念がやや後退し、引けにかけては下げ渋る展開となりました。NYDowNASDAQは反落しました。

311日の日本市場では、ウクライナ情勢やインフレへの警戒感を背景に前日の米株式相場が下落した流れが引き継がれ、運用リスク回避の売りが優勢となりました。日経平均は前日に1000円近く上昇しており、戻り待ちの売りも出やすい環境でした。また、香港や上海などアジアの株式相場が下落したことも投資家心理の重石となりました。日経平均は大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-25.7%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-11.3%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.2ポイントとマイナスに転換し、日経平均が50円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの比較では、日経平均が6.0ポイント(日経平均換算で1510円)割安となっています

 

日経VI28.60VIX30.23と、日米市場のボラティリティーはやや下落しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日より拡大しました。VIXは依然として30を上回っており、投資家の不安心理は最高レベルまで高まったままです。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-8.0、米国-3.2と日本が4.8ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.70ポイント(日経平均換算で6560円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高は上回り、2月の消費者物価指数は市場予想に一致しました。一方、2月のISM非製造業景況指数は市場予想、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比67.8万人増で、市場予想の42.3万人増を大きく上回りました。また、失業率は3.8%で、先月の4.0%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面で強気気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、量的緩和政策を実施していましたが、これを転換し、量的緩和縮小を加速することを決めました。79月にも終了見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しています。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、37 0.6428% 38 0.7030% 39 0.7450%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.19PBR1.13となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+28.5%で、こちらは3か月前より6.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.7%となり、日経平均の割安幅は360円から1010円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1010円から-360円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.76ポイントから1.79ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

311日の米国市場では、3月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを400円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ(現在25700円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+100円(現在24940円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を上回り、信用の売り圧力は強まりました。日本市場のボラティリティーはやや低下しましたが、投資家の不安心理は依然として最高レベルまで高まっています。きょうの日経平均の下げ幅の大きさは、SQの特殊要因によるものと考えられますが、どちらにせよ、ボラティリティーの低下が期待できない場合は、低迷が続きそうです。



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