[市況]
7月31日、NYDowとNASDAQは上昇しました。8月3日の日経平均先物は、前日比200安で寄り付くと、午前中は460円高と990円安の間で上下し、午後は500円安から240円高とプラス圏に戻して、結局、110円高で取引を終えました。日経平均の終値は607円安の63754円で、出来高は28.24億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。
空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
7月31日の米国市場では、四半期決算を発表したアマゾン・ドット・コムが大幅高となり、他のハイテク銘柄にも買いが波及しました。また、31日のアジア市場で日本や韓国の半導体関連銘柄が軒並み大幅高となったことが追い風となり、AI・半導体関連銘柄の一角に買いが向かいました。一方、原油先物相場や長期金利の上昇は相場の重石となりました。NYDowとNASDAQは続伸しました。
8月3日の日本市場では、日米協調介入による円高が輸出関連企業の収益を圧迫するとの観測から自動車や鉄鋼など幅広い業種に売りが出て、相場を押し下げました。同日のKOSPI(韓国総合株価指数)が大幅安となったことも重石となりました。一方、AI・半導体関連銘柄の一角には買いが入り、相場の下値を支えました。日経平均は3営業日ぶりに反落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
総合乖離率は+5.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+11.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下に出ました。3つの要素のうち2つがプラスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。
NYDowは、9日線と200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+6.2ポイントとプラス幅を縮め、日平均が3950円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+4.9ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が3120円ほど割高であることを示しています。
日経VIは35.50と前日より上昇し、VIXは16.00と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.97、米国-0.07と日本が2.90ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場とほぼ均衡しています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の4~6月期のGDP速報値は前期比年率1.5%増で、市場予想の2.0%増を下回りました。また、4~6月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、5月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月の鉱工業生産指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標5勝7負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比5.7万人増で、市場予想の11.5万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%からやや改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
6月の新築住宅販売件数、6月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、6月の中古住宅販売仮契約指数、7月の住宅市場指数、6月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.6%で、市場予想の+1.3%を上回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、7月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、ウォーシュ議長は、インフレ目標はあくまで2%であると強調しました。ECBは6月の会合で、およそ3年ぶりに0.25ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀は、7月の金融政策決定会合では政策金利を現在の1.0%程度に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.33、PBRが1.85となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.7%となり、これは3か月前より1.5ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+13.7%で、こちらは3か月前より13.1ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前週末のNYDowが上昇したにもかかわらず、下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均の割安幅は2130円から460円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-5970円~-460円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.92ポイントから1.89ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。
8月3日の米国市場では、7月のISM製造業景況指数のほか、マリオット、タイソン・フーズ、パランティア・テクノロジーズ、オン・セミコンダクターなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1850円ほど下回り、下値は想定ラインを270円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+1200円(現在65270円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+1200円(現在62690円近辺)が下値の目安となります。
円高が重石となり、日経平均はボリンジャーバンド-1σラインに頭を押さえられる形で反落しました。個別銘柄が売り有利に転換したこともあり、目先は弱含みな展開となりそうです。
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