日経平均の予想

Saturday, March 06, 2021

[2021/03/07]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、長期金利の上昇が嫌気されたものの、雇用統計の改善で、株価指数はまちまちな動きとなりました。一方、中長期的には、過剰流動の副作用によるインフレ懸念、ハイ・イールド債のディフォルトなどによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また世界的な自国中心の政治状況から中国などの景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、中東、東アジアの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.66ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER22.2に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER22.0との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.66ポイント縮小するか(日本が上方修正又は米国が下方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER25.7程度になるか、又は、日経平均が33760円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は4900円ほど割安です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

OECDによる日本の2021GDP予測値(現在-0.5%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。

   四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は5.8%となりました。3ヶ月前に比べて1.0ポイント改善しています。また、利益伸び率は+5.2%3ヶ月前に比べて25.3ポイント改善しています。

   米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は 1.25%から1.49と拡大して、為替は106円台から108円台で円安方向に動きました

   OECDの日米の2021年の実質GDP伸び率予測が改定されて、日本が+2.3%で、米国は+3.2%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.9ポイント劣ります。

   24週は売り越しで、31週売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に6.5ポイント(日経平均に勘算すると1880円程度)割高です。先週と比べ割高幅は縮小しました。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に6.7ポイント(日経平均に勘算する1930円程度)割高となっています。

 日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+19.1%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+16.9%でプラス幅は縮小しました。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。

日経平均は、25日線と9日線の下にありますので、短期トレンドは、"赤信号"が点灯しています。

 米国市場ではNY Dowは、200日線の上にあり、9日線・25日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線の上にありますが、9日線・25日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。

短期的には黄信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、長期金利の上昇傾向、原油相場の上昇、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 直近のLIBOR金利は落ち着いており、金融不安の兆候はありません。20203月には、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や2兆ドルの経済対策。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債・12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期ももみあいです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです

 為替市場を分析すると、ここ1年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、ここ2か月は急速に円安方向に反転しています。今週は107台から109台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

 今週、米上院は週末にバイデン大統領の1.9兆ドルのコロナウイルス支援法案の審議と採決を行い、下院に送り返して署名して法律に署名させる予定です。その他の場所では、ユーロ圏とカナダの金融政策決定会合や、日本、ユーロ圏、英国、南アフリカのGDPの最新の数字が注目されます。その他の重要な発表としては、米国、中国、インドのインフレデータ、米国とオーストラリアの消費者心理、英国と中国の対外貿易、ユーロ圏とインドの鉱工業生産、日本の経常収支などがあります。

 先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定ラインを40円ほど下回り、下値は想定ラインを190円ほど上回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド +1σ(現在30070円近辺)で、下値がボリンジャーバンド -1σ(現在28540円近辺)の間での動きが想定されます。


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Thursday, March 04, 2021

[2021/03/05]今後の日経平均の見通し

[市況]

34日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。35日の日経平均先物は、前日比160円安で寄り付くと、午前中は160円安から680円安と下落幅を拡げ、午後は500円安から110円安と下落幅を縮めて、結局220円安で取引を終えました。日経平均の終値は65円安の28864円で、出来高は14.30億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。


34日の米国市場では、ハイテク株を中心に売りが膨らみました。パウエルFRB議長がWSJ紙の公開インタビューにおいて、長期金利の上昇に対する具体的な抑制策への言及を避け、直後に長期金利が1.5%台に上昇したことから、高PER銘柄の相対的な割高感が意識されました。また、市場の不安心理が高まり、景気敏感株の一角にも売りが及びました。NYDowNASDAQ3日続落しました。

35日の日本市場では、米長期金利の上昇を背景に前日の米株式相場が大幅下落した流れが引き継がれ、半導体関連など成長株を中心に売りが先行しました。ただ、米株価指数先物やアジア株が底堅さを見せると、値ごろ感から押し目買いが入り、相場を下支えしました。日銀のETF買い観測も売りを手控える動きにつながったようです。日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は19.1%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+16.9%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より2.0ポイント拡大して+8.0となり、中長期的には日経平均がNASDAQより2310円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が8.5ポイント(日経平均換算で2450円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.5、米国-2.9と日本が1.6ポイント割安ですが、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.3、米国が+3.2)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.73ポイント(日経平均換算で5470円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率4.1%増で、速報値の4.0%増から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

1の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の小売売上高、1月の鉱工業生産指数、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は92で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比4.9万人増で、市場予想の5万人増を下回りました。一方、失業率は6.3%で、先月の6.7%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売件数、1月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、31 0.1842 32 0.1833 33 0.1937と上昇に転じており、金融不安の再燃に注意が必要です。20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER22.0PBR1.28となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.8%となり、これは3か月前より1.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.0%で、こちらは3か月前より25.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.6%となり、日経平均の割安幅は910円から1080円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1080円から+110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.34ポイントから1.49ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、このところ、長期金利は上昇傾向が続いており、円安ドル高が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

35日の米国市場では、1月の雇用の統計や、12月の貿易収支が注目されるでしょう。引き続き、長期金利動向や新政権の経済対策も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを430円ほど下回り、下値は想定ラインを330円ほど下回りました。目先は、25日線-100円(現在29200円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在28540円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, March 03, 2021

[2021/03/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

33日、NYDowNASDAQは下落しました。34日の日経平均先物は、前日比300円安で寄り付くと、午前中は290円安から600円安と下落幅を拡げ、午後は530円安から880円安の間でもみあって、結局610円安で取引を終えました。日経平均の終値は628円安の28930円で、出来高は12.86億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。


33日の米国市場では、新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から買いが先行しましたが、長期金利が上昇すると高PER銘柄の割高感が意識され、ハイテク株への売りが膨らみ、相場を押し下げました。NYDowNASDAQは続落しました。

34日の日本市場では、売りが優勢となりました。米長期金利の上昇が警戒感を呼んだほか、米株価指数先物やアジアの株式相場が下落したことも重石となりました。また、年度末を見据えた機関投資家の持ち高調整の売りも、相場を押し下げました。日経平均は大幅に反落し、節目の29000円を割り込みました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の下にあり、25日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は20.2%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+17.4%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.5ポイント拡大して+6.0となり、中長期的には日経平均がNASDAQより1740円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が7.7ポイント(日経平均換算で2230円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.5、米国-3.0と日本が1.5ポイント割安ですが、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.3、米国が+3.2)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.61ポイント(日経平均換算で4460円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率4.1%増で、速報値の4.0%増から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM製造業景況指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の小売売上高、1月の鉱工業生産指数、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12の製造業受注は市場予想を上回りました。一方、2月のISM非製造業景況指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は92で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比4.9万人増で、市場予想の5万人増を下回りました。一方、失業率は6.3%で、先月の6.7%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売件数、1月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、226 0.1883 31 0.1842 32 0.1833と低下に転じ、金融不安の気配は消えました。20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER21.8PBR1.27となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.8%となり、これは3か月前より1.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.2%で、こちらは3か月前より25.1ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.0%となり、日経平均の割安幅は390円から910円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-910円から+110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.30ポイントから1.34ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、このところ、長期金利は上昇傾向が続いており、円安ドル高が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

34日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、12月の製造業受注、パウエルFRB議長の発言のほか、メルク、フォード・モーター、フィリップ・モリスなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利動向や新政権の経済対策も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを490円ほど下回り、下値は想定ラインを480円ほど下回りました。目先は、25日線(現在29290円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+100円(現在28620円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Tuesday, March 02, 2021

[2021/03/03]今後の日経平均の見通し

[市況]

32日、NYDowNASDAQは下落しました。33日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付くと、午前中は110円高から150円安の間で上下し、午後は50円安から130円高の間でもみあって、結局100円高で取引を終えました。日経平均の終値は150円高の29559円で、出来高は12.07億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。


32日の米国市場では、NYDowが前日に603ドル高とおよそ4か月ぶりの上げ幅を記録した後とあって、目先の利益を確定する売りが優勢となりました。前日に長期金利の上昇一服を受けて買われたハイテク株が一転して売られ、投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQは反落しました。

33日の日本市場では、新型コロナウイルスのワクチン普及への期待などを背景に、景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。ブレイナードFRB理事が2日の講演で、米長期金利の急ピッチな上昇を牽制する発言をしたことも好感されました。ただ、高値警戒感が漂う中、利益確定の売りや戻り待ちの売りも出て、相場の上値を抑えました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は27.7%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+20.1%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、25日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より2.5ポイント拡大して+5.5となり、中長期的には日経平均がNASDAQより1630円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が9.9ポイント(日経平均換算で2930円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.4、米国-3.0と日本が1.4ポイント割安ですが、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.3、米国が+3.2)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.49ポイント(日経平均換算で3610円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率4.1%増で、速報値の4.0%増から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM製造業景況指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の小売売上高、1月の鉱工業生産指数、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12の製造業受注1月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は101で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比4.9万人増で、市場予想の5万人増を下回りました。一方、失業率は6.3%で、先月の6.7%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売件数、1月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、225 0.1905 226 0.1883 31 0.1842と低下に転じ、金融不安の気配は消えました。20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER22.2PBR1.30となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.9%となり、これは3か月前より1.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.2%で、こちらは3か月前より25.2ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.3%となり、日経平均の割安幅は620円から390円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-620円から+110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.30ポイントから1.30ポイントと横ばいでした。ドル円相場はやや円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、このところ、長期金利は上昇傾向が続いており、円安ドル高が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

33日の米国市場では、1月のADP全米雇用リポートや、1月のISM非製造業景況指数のほか、バイオジェン、クアルコム、イーベイなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利動向や新政権の経済対策も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを160円ほど下回り、下値は想定ラインを260円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在29760円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在29180円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Monday, March 01, 2021

[2021/03/02]今後の日経平均の見通し

[市況]

31日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。32日の日経平均先物は、前日比370円高で寄り付くと、午前中は430円高から170円安と下落に転じ、午後は50円安から270円安の間でもみあって、結局90円安で取引を終えました。日経平均の終値は255円安の29408円で、出来高は12.93億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、やや「売り」が有利の状態です。


31日の米国市場では、新型コロナウイルスのワクチン普及や追加経済政策の早期成立で経済活動の正常化が進むとの見方から、幅広い銘柄に買いが膨らみました。2月のISM製造業景況指数が予想以上となったことや、長期金利が前週につけた1年ぶりの高水準から低下したことも好感されました。NYDowは大幅に反発し、NASDAQは続伸しました。

32日の日本市場では、前日の米株式相場が上昇した流れが引き継がれて買いが先行しましたが、日経平均が心理的節目の3万円に接近すると短期的な高値警戒感が強まり、次第に利益確定の売りが優勢となりました。上海株式相場や米株価指数先物の下落や、米長期金利が高止まりしていることも嫌気されました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。

総合乖離率は26.5%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+19.8%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より4.4ポイント縮小して+3.0となり、中長期的には日経平均がNASDAQより880円ほど割高であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が8.9ポイント(日経平均換算で2620円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.4、米国-3.0と日本が1.4ポイント割安ですが、OECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(日本が+2.3、米国が+3.2)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.53ポイント(日経平均換算で3840円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率4.1%増で、速報値の4.0%増から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、まちまちな内容です。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM製造業景況指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月の小売売上高、1月の鉱工業生産指数、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12の製造業受注1月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、2月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は101で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比4.9万人増で、市場予想の5万人増を下回りました。一方、失業率は6.3%で、先月の6.7%から改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しやすいという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の新築住宅販売件数、1月の中古住宅販売件数、1月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+10.1%で、市場予想の+9.9%を上回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

新型コロナウイルスの蔓延による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。にもかかわらず、長期金利の下降傾向が今後も続きそうなことは気がかりです。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末までに18500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ8か月は低下しています。直近は、224 0.1897 225 0.1905 226 0.1883と上昇の気配があり、金融不安の再燃に注意が必要です。20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER22.0PBR1.28となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.8%となり、これは3か月前より1.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+5.5%で、こちらは3か月前より25.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%となり、日経平均は110円の割高から620円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-620円から+110円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.26ポイントから1.30ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。国有企業や地方政府の不良債権問題の深刻化も経済成長の足かせになりつつあり、注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうですが、このところ、長期金利は上昇傾向が続いており、円は対ドル安が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続しています。

 

32日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。アマゾン・ドットコム、アルファベット、ファイザー、UPS、エクソンモービル、アムジェンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利動向や新政権の経済対策も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを60円ほど上回り、下値は想定ラインを30円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在29730円近辺)が上値の目安に、25日線-200円(現在29050円近辺)が下値の目安になりそうです。



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