[市況]
2月9日、NYDowとNASDAQは上昇しました。2月10日の日経平均先物は、前日940円高で寄り付くと、午前中は900円高から1980円高と上昇幅を拡げ、午後は1780円高から1470円高と上昇幅を縮めて、結局、1540円高で取引を終えました。日経平均の終値は1286円高の57650円で、出来高は29.09億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。
空売り比率は、5日平均を3日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。
2月9日の米国市場では、AIが既存のソフトウエアにとって代わる「SaaSの死」は過度に警戒されているとの見方が浮上し、ソフトウエア株や半導体株に買い戻しが入りました。ビットコイン価格の下落が一服したことも安心材料となりました。ただ、前週末の大幅な株高の反動で利益確定の売りも出やすく、指数はマイナス圏で推移する場面もありました。結局、NYDowは小幅に続伸し、NASDAQも続伸しました。
2月10日の日本市場では、衆院選での与党自民党の大勝を材料視した海外勢からの買いが続き、指数を押し上げました。前日の米株式市場でハイテク株が買われたことも追い風となりました。もっとも、翌日が休場とあって利益確定の売りも出やすく、午後はさらに上値を追う動きとはなりませんでした。日経平均は大幅に3日続伸し、連日で最高値を更新しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+48.6%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+28.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+22.3ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が12860円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+19.2ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均11070円ほど割高であることを示しています。
日経VIは35.77と前日より低下し、VIXも17.36と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.55、米国-0.33と日本が2.22ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.2、米国が+4.9)は1.7ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.51ポイント(日経平均換算で6940円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「南米や中東、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の7~9月期のGDP改定値は前期比年率4.4%増で、速報値の4.3%増を上回りました。また、7~9月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
2月のミシガン大学消費者信頼感指数、1月のISM非製造業景況指数、1月のISM製造業景況指数、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、1月のニューヨーク連銀製造業景況指数、11月の耐久財受注、11月の製造業受注、12月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、12月の消費者物価指数、12月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比5.0万人増で、市場予想の7.3万人増を下回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.6%から改善されました。雇用は中立的で、FRBの利下げペースに影響を与えるほどではないと受け止められています。
米国の住宅関連の指標は:
12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅市場指数、10月の新築住宅販売件数数、10月の住宅着工件は市場予想を下回りました。11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.4%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという点では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、1月のFOMCでは4会合ぶりに政策金利を据え置きました。市場は、パウエル議長が在任中に追加利下げをする可能性は低いと見ています。ECBは、2月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、1月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが20.98、PBRが1.87となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは8.9%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-1.0%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+6.4%となり、日経平均の割高幅は1600円から3410円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+290円~+3410円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.96ポイントから1.97ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。
2月10日の米国市場では、12月の小売売上高のほか、フォード・モーター、デュポン、CVSヘルス、コカ・コーラ、マリオット・インターナショナル、インサイト、デューク・エナジー、ギリアド・サイエンシズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、AI関連投資やソフトウエア事業の先行きも株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを420円ほど上回り、下値は想定ラインを680円ほど上回りました。目先はボリンジャーバンド+3σ(現在57540円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+2σ(現在56230円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、30を上回る高水準にあります。信用の売り圧力は、弱い状態です。日経平均は大幅に3日続伸し、連日で史上最高値を更新しました。引き続き、ボリンジャーバンド+2σに沿った動きが期待できそうです。
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