日経平均の予想: 2025

Saturday, December 13, 2025

[2025/12/14]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、FRBによる政策金利の0.25%引き下げが好感されたものの、AI投資を巡る不透明感が投資家心理の重荷となり、株価指数は週間ではまちまちな動きとなりました。

週間変動率 NYダウ:+1.05%, NASDAQ:-1.62%, S&P500:-0.63%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、米政権の関税政策、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2026年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.37ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER23.1に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER19.0との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2026年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.37ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER25.7程度になる。又は、日経平均が68,810円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は17,970円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、17,970円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは縮小しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2026GDP予測値(現在+2.5%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+8.9%となりました。3ヶ月前に比べて+0.1%ポイント改善しています。利益伸び率は-3.2%となりました。3ヶ月前に比べて+3.6%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は2. 21から2. 24と拡大して、ドル円は154円台から156台の範囲で円安向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.60%下落しました。

  OECDの日米の2026年の名目GDP伸び率は、日本が+2.5%で、米国は+4.3%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.8ポイント劣ります。

  12月第1週は買い越しで、12月第2週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①と③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に9.1ポイント(日経平均に勘算すると4630円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に12.1ポイント(日経平均に勘算すると6150円程度)割高です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQより強い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 15.7とやや上昇しました。 日経 VI は 週間で 28.7とやや上昇しました。米国市場はやや楽観的状態で日本市場は疑心暗鬼状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+30.2%となり、200日移動平均線乖離率は+21.9%となりました。3つの要因がプラスですので、中期トレンドには"信号“が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線・200日線の上にありますが9日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的にも"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は残っています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期ももみあいです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20254月につけた139円をボトムに円安方向に転換しています。今週は154円台から157円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、遅れていた、10月と11月の非農業部門雇用者数および11月の失業率が発表される予定です。また、10月の小売売上高、11月のインフレデータ、12月のS&PグローバルPMIが注目されます。世界的には、各国の中央銀行の動きも焦点で、FRB当局者の講演に加え、ECB、イングランド銀行、日本銀行の政策金利決定が予定されます。その他の注目点としては、カナダと英国のインフレ指標、日本、ユーロ圏、英国の速報PMI、ドイツのIfo景況感指数が焦点となります。

 

先週の日経平均はほぼ想定範囲内の動きでした。上値は580円下回り、下値は170円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在50900円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在49280円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、米国市場でAI投資を巡る不透明感が払しょくできなければ、軟調な展開が予想されます。


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Friday, December 12, 2025

[2025/12/12]今後の日経平均の見通し

[市況]

1211日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。1212日の日経平均先物は、前日620円高で寄り付くと、午前中は970円高から300円高の間で上下し、午後は320円高から740円高の間で上下して、結局、560円高で取引を終えました。日経平均の終値は687円高の50836円で、出来高は22.35億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1211日の米国市場では、FRBの利下げが米景気を支えるとの期待を背景に、割高なハイテク株から景気敏感株やバリュー株に資金がシフトする展開となりました。決算が振るわなかったオラクルが10%ほど下落したことも、ハイテク株には重石となりました。結局、NYDowは続伸し、最高値をおよそ1か月ぶりに更新しました。一方、NASDAQ3日ぶりに反落しました。

1212日の日本市場では、前日の米株式市場でNYDowが最高値を更新した流れを受け、主力株を中心とした幅広い銘柄に買いが優勢となりました。日銀の金融政策決定会合を来週に控えて様子見ムードも強く、指数は伸び悩む場面もありました。日経平均は3日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+30.2%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+21.9%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+7.0ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3560円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+11.5ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均5850円ほど割高であることを示しています

 

日経VI26.69と前日より低下し、VIX14.85と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.32、米国-0.17と日本が3.15ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.36ポイント(日経平均換算で17640円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、次回会合の政策の方向性には慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.00PBR1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-2.9%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowと歩調を合わせて上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.6%となり、日経平均の割安幅は990円から800円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-990円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.21ポイントから2.21ポイントと横ばいでした。ドル円相場は前日よりは円高ですが、日中は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1212日の米国市場では、重要な経済指標の発表はありません。個別材料が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを330円ほど上回り、下値は想定ラインを870円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+500円(現在51400円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在50190円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は反発しました。25日線で踏みとどまったので、日銀の金融政策決定会合までは、もみあう展開が続きそうです。



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Wednesday, December 10, 2025

[2025/12/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

1210日、NYDowNASDAQは上昇しました。1211日の日経平均先物は、前日130円高で寄り付くと、午前中は240円高まで上昇したのち410円安まで下落し、午後は680円安から360円安の間でもみあって、結局、470円安で取引を終えました。日経平均の終値は453円安の50148円で、出来高は20.09億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

1210日の米国市場では、FOMCで市場の予想どおり0.25%の利下げが決まったことや、FRBがバランスシートを維持するために短期国債を購入する方針を示したことなどが安心感につながり、買いが優勢となりました。わけても、利下げの恩恵を受けると期待される金融株や消費関連、景気敏感株への買いが目立ちました。NYDow3営業日ぶりに反発し、NASDAQは続伸しました。

1211日の日本市場では、前日の米株高を受けて買いが先行しましたが、材料出尽くし感から次第に持ち高調整の売りが優勢となりました。また、米オラクルが時間外取引で急落したことを受け、同社と協力関係にあるソフトバンクグループが売られ、相場の重石となりました。ビットコイン価格の急落も投資家心理を冷やしました。結局、日経平均は続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+26.1%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+20.4%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+5.0ポイントとプラス幅を縮め、日平均が2510円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+11.4ポイントとプラス幅を縮め、日経平均5720円ほど割高であることを示しています

 

日経VI27.26と前日より低下し、VIX15.77と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.43、米国-0.20と日本が3.23ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.43ポイント(日経平均換算で18330円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB12月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、次回会合の政策の方向性には慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.74PBR1.66となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.0%となり、日経平均の割安幅は280円から990円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-990円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.24ポイントから2.21ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1211日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、11月の生産者物価指数(PPI)のほか、コストコ、ルルレモン、ブロードコムなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを430円ほど下回り、下値は想定ラインを170円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在50800円近辺)が上値の目安に、25日線-500円(現在49590円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。FOMC後の日経平均は大幅に続落しました。25日線(現在50091円)で踏みとどまれるかどうかが、目先の注目点です。



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Tuesday, December 09, 2025

[2025/12/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

129日、NYDowNASDAQは下落しました。1210日の日経平均先物は、前日40円高で寄り付くと、午前中は270円高まで上昇したのち520円安と下落に転じ、午後は480円安から230円安の間でもみあって、結局、250円安で取引を終えました。日経平均の終値は52円安の50602円で、出来高は22.49億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

129日の米国市場では、FOMCの結果公表を10日に控え、様子見ムードが支配的でした。出遅れ感のあるディフェンシブ株や消費関連株の一角に買いが向かった一方、JPモルガン・チェースやエヌビディア、ホームデポなどが売られ、相場の重石となりました。結局、NYDowは続落し、NASDAQは小幅に反発しました。

1210日の日本市場では、FOMC後のマーケットを見極めたいとのムードが強く、積極的な買いは手控えられました。半導体関連株が売られて相場の重石となったほか、任天堂やソニーグループ、コナミグループなどゲーム関連株の下げも目立ちました。一方、外国為替市場の円安ドル高進行を受け、自動車関連には買いが入りました。日経平均は3営業日ぶりに小幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+29.5%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+21.7%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+6.6ポイントとプラス幅を縮め、日平均が3340円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、+13.8ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均6980円ほど割高であることを示しています

 

日経VI28.02と前日よりやや低下し、VIX16.93と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.36、米国-0.14と日本が3.22ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.42ポイント(日経平均換算で18550円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.87PBR1.68となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.0ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-3.1%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowと歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均の割安幅は50円から280円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-360円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.22ポイントから2.24ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

1210日の米国市場では、FOMCの結果公表およびパウエルFRB議長の会見のほか、シノプシスやアドビなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを310円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+400円(現在51310円近辺)が上値の目安に、25日線(現在50090円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は小幅に反落しました。FOMCの結果次第で上下どちらかに大きく動きそうな気配もあり、いよいよ正念場を迎えたようです。



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Monday, December 08, 2025

[2025/12/09]今後の日経平均の見通し

[市況]

128日、NYDowNASDAQは下落しました。129日の日経平均先物は、前日110円安で寄り付くと、午前中は200円安から190円高の間で上下し、午後は90円安から260円高の間で上下して、結局、260円高で取引を終えました。日経平均の終値は73円高の50655円で、出来高は20.45億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

128日の米国市場では、FOMCの結果公表が迫るなか、高値警戒感も意識され、利益確定の売りや持ち高調整の売りが優勢となりました。長期金利が上昇したことも重石となりました。一方、エヌビディア製AI半導体「H200」の中国への出荷が近く当局に許可されるとの報道を受け、同社株には買いが向かいました。結局、NYDowは反落し、NASDAQ5営業日ぶりに反落しました。

129日の日本市場では、前日の米株式市場で半導体関連株が上昇した流れを受けてアドバンテストや東京エレクトロン、ディスコ、ファナックなど値がさ株が買われ、指数を支えました。ただ、FOMCの結果公表を前に投資家の様子見姿勢も強く、積極的な上値追いの動きは限定的でした。また、国内金利が高止まりするとの懸念も重石となりました。結局、日経平均は小幅に続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+30.1%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率は+22.0%と前日比横ばいでした。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+6.9ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が3500円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+13.6ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均6890円ほど割高であることを示しています

 

日経VI28.04と前日より低下し、VIX16.66と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.34、米国-0.15と日本が3.19ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.39ポイント(日経平均換算で18080円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.91PBR1.68となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-3.1%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均の割安幅は360円から50円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1040円~-50円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.18ポイントから2.22ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

129日の米国市場では、10月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数のほか、トール・ブラザーズ、キャンベル、オートゾーンなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを290円ほど下回り、下値は想定ラインを490円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-300円(現在51530円近辺)が上値の目安に、25日線(現在50130円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は下値を切り上げていますが、一方で25日線は下降し始めており、ここで上昇基調を維持できるかどうか、正念場が続いています。



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