日経平均の予想: 2025

Monday, April 14, 2025

[2025/04/14]今後の日経平均の見通し

[市況]

411日、NYDowNASDAQは上昇しました。414日の日経平均先物は、前日比460円高で寄り付くと、午前中は830円高から390円高の間で上下し、午後は770円高から490円高の間でもみあって、結局、650円高で取引を終えました。日経平均の終値は396円高の33982円で、出来高は16.90億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、4営業日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

411日の米国市場では、好決算を発表したJPモルガン・チェースが4%ほど上昇し、他の金融株にも買いが波及しました。また、ハイテク株への買いも目立ちました。ただ、関税をめぐる不透明感は根強いうえ、ミシガン大学が発表した4月の消費者信頼感指数が市場予想を下回ったことや、予想インフレ率が前月より上昇したことは投資家心理の重石となりました。NYDowNASDAQは反発しました。

414日の日本市場では、前週末の米株式市場で主要な株価指数がそろって上昇した流れを受け、短期的な株価の戻りを期待した買いが優勢となりました。わけても、スマートフォンなど電子関連製品が相互関税の対象からいったん除外されたことが好感され、半導体関連や電子部品株が目立って買われました。一方、今後の関税交渉で日本は円安是正を要求されるとの観測は投資家心理の重石となりました。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は-26.9%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-11.3%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は-2.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が680円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-6.4ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2170円ほど割安であることを示しています

 

日経VI38.73と前日より低下し、VIX34.41と前日より低下しました。両指数ともに、市場がパニックに陥っているとされる40をひとまず下回りました。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.0、米国-0.5と日本が5.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.37ポイント(日経平均換算で50500円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月の製造業受注、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の耐久財受注、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、4月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、2月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、市場予想の13.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.67PBR1.25となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.3%で、こちらは3か月前より2.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.3%となり、日経平均の割高幅は130円から430円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-310円~+430円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.08ポイントから3.12ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

 

414日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。ゴールドマン・サックスやM&Tバンクなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを370円ほど下回り、下値は想定ラインを1190円ほど上回りました。目先は、25日線-700円(現在35180円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-800円(現在33090円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、市場がパニックに陥っているとされる目安の40を下回りました。また、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は反発しました。引き続き、25日線を上回れるかどうかが、目先の注目点です。



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Saturday, April 12, 2025

[2025/4/13]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、トランプ政権が相互関税を中国以外の国・地域で90日間停止すると表明したことで、売り方の買戻しが入り、株価指数は週間では上昇しました。

週間変動率 NYダウ:+4.95%, NASDAQ:+7.29%, S&P500:+5.70.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.52ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER20.2対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER13.6との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.52ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER35.1程度になる。又は、日経平均が86,780円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は53,190円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、53,190円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYダウが25日線の上に戻れるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.2%となりました。3ヶ月前に比べて0.1%ポイント改善しています。また、利益伸び率は+7.3%となりました。3ヶ月前に比べて+4.8%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は2.83から3.21と拡大したものの、ドル円は148円台から142円台の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+3.02%下落しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  4月第1週は買い越しで、4月第2週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が強気材料で、③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に3.0ポイント(日経平均に勘算すると1010円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に7.4ポイント(日経平均に勘算する2490円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対して、弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 37.6 と低下しました。 日経 VI は 週間で 44.4と上昇しました。米国市場と日本市場とも恐怖の極み状態です。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の下にあります。総合乖離率は-30.6%、200日移動平均線との乖離率は-12.3%。これら3つの要因がマイナスですので、中期トレンドには"赤信号が点灯しています。

                                                        

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。

米国市場は、短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は増幅しています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などもリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期はもみあいです。

日本市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は144円台から140円台が想定されます。

 

米国市場では、投資家が関税の動向を引き続き注視しているため、非常に不安定な展開となりそうです。同時に、米国の決算シーズンが本格化します。経済指標では、小売売上高と鉱工業生産、住宅指標が発表されます。世界的には、中国の第1四半期GDP成長率、ドイツのZEW景況感指数、英国のインフレと労働市場データ、日本の消費者物価指数などが発表されます。また、欧州中央銀行が政策決定を発表する予定です。

 

先週の日経平均は想定範囲を上下に振れしました。上値は400円上回り、下値は1290円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在36000円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在32080円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週、日米市場の投資家は株価指数反発の持続性と勢いから、2番底の有無と深さを探ることに成るでしょう。


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Friday, April 11, 2025

[2025/04/11]今後の日経平均の見通し

[市況]

410日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。411日の日経平均先物は、前日比1260円安で寄り付くと、午前中は1240円安から1980円安の間で上下し、午後は1550円安から930円安と下落幅を縮めて、結局、1120円安で取引を終えました。日経平均の終値は1023円安の33585円で、出来高は24.35億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、3営業日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

410日の米国市場では、トランプ政権の対中関税が累計で145%になると伝わり、米中貿易摩擦の激化が改めて警戒され、幅広い銘柄に売りが出ました。一方で、30年債の入札で落札利回りが市場実勢を下回ったことは一定の安心感につながりました。NYDowNASDAQは大幅に反落しました。

411日の日本市場では、米中対立激化への警戒感から前日の米株式相場が大幅に下落した流れが引き継がれ、幅広い銘柄にリスク回避の売りが膨らみました。外国為替市場で円相場が急激に円高ドル安方向に推移したことも重石となりました。値ごろ感に着目した買いも入り、一方的に下値を模索する動きとはなりませんでしたが、日経平均は大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は-30.6%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-12.3%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は-1.1ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が370円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-5.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1980円ほど割安であることを示しています

 

日経VI44.41と前日より上昇し、VIX40.86と前日より上昇しました。両指数ともに、市場がパニックに陥っているとされる40を上回りました。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-6.0、米国-0.6と日本が5.4ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.35ポイント(日経平均換算で48250円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月の製造業受注、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の耐久財受注、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、3月の消費者物価指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、市場予想の13.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.57PBR1.24となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.3%で、こちらは3か月前より2.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.4%となり、日経平均は310円の割安から130円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1820円~+170円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.95ポイントから3.08ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

411日の米国市場では、3月の生産者物価指数(PPI)や4月のミシガン大学消費者信頼感指数のほか、ブラックロック、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1540円ほど下回り、下値は想定ラインを910円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+800円円(現在34840円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+800円(現在32880円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、市場がパニックに陥っているとされる目安の40を上回りました。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は反落しました。いったんは底打ちしたと思われるので、25日線を上回れるかどうかが、目先の注目点です。



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Thursday, April 10, 2025

[2025/04/10]今後の日経平均の見通し

[市況]

49日、NYDowNASDAQは急上昇しました。410日の日経平均先物は、前日比3240円高で寄り付くと、午前中は3250円高から2310円高と上昇幅を縮め、午後は2430円高から2870円高の間で上下して、結局、2810円高で取引を終えました。日経平均の終値は2894円高の34609円で、出来高は27.49億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、2営業日連続で上回りましたが個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

49日の米国市場では、トランプ大統領が、同日に発動した相互関税の上乗せ部分について、「報復措置をとらなかった国・地域では90日の猶予期間をもうける」旨を表明したことから、相場を覆っていた悲観ムードが一転し、急速に買い戻しが膨らみました。NYDow5営業日ぶりに急反発し、一日の上げ幅としては過去最大を記録しました。NASDAQも急反発しました。

410日の日本市場では、米政権が「交渉に応じる姿勢を見せた国・地域に対しては相互関税の上乗せ部分を一時停止する」と表明したことが投資家心理を上向かせ、主力株への見直し買いや株価指数先物への買いが加速しました。朝方の買い一巡後は、日経平均は一進一退の展開となりましたが、終値での上昇幅は歴代2位となりました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は-23.1%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-9.7%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は-2.5ポイントとマイナスに転換し、日経平均が870円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-5.7ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が1970円ほど割安であることを示しています

 

日経VI38.63と前日より低下し、VIX33.62と前日より低下しました。両指数ともに、市場がパニックに陥っているとされる40を下回りました。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.7、米国-0.7と日本が5.0ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.94ポイント(日経平均換算で43250円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

2月の製造業受注、3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の耐久財受注、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、2月の消費者物価指数は市場予想を下回りました。経済指標は57負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の3月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比22.8万人増で、市場予想の13.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.1%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げペースが鈍るという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.09PBR1.29となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は+6.9%で、こちらは3か月前より2.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して大幅に上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%となり、日経平均の割安幅は260円から310円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1820円~+170円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.13ポイントから2.95ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

 

410日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、3月の消費者物価指数(CPI)などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを1400円ほど上回り、下値は想定ラインを1010円ほど上回りました。目先は、25日線-500円(現在35660円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-500円(現在33740円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、市場がパニックに陥っているとされる目安の40を下回りました。また、信用の売り圧力は、弱まりました。日経平均は急反発しました。この先も、トランプ政権の関税政策に一喜一憂する展開となりそうですが、目先は、反発が続きそうです。



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