日経平均の予想: [2012/11/08]今後の日経平均の見通し

Wednesday, November 07, 2012

[2012/11/08]今後の日経平均の見通し


[市況]
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日のNYDowNASDAQは大幅下落しました。8日の日経平均先物は、前日比100円安で寄り付き、午前中は60円安から120円安の範囲で下げ幅を拡げる動きでした。午後は160円安となる場面もありましたが、最終的には120円安で取引を終わりました。日経平均の終値は135円安の8837円で、出来高は15.74億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は90万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。
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日の米国市場では、大統領・議会選の結果、上下両院の「ねじれ」が続くことが確定し、「財政の崖」への警戒感が強まったことや、ECBのドラギ総裁が講演で欧州の景気に慎重な見方を示したことが嫌気されNYDow300ドルを超える下げとなりました。
8日の日本市場では、米国市場が大幅に下げ、リスク回避から利益確定売りが波及しました。為替市場で円相場が1ドル79円台後半、1ユーロ101円台後半に上昇したことや、アジア市場が下落したことも悪材料となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。総合乖離率は-3.5%でマイナス転換しました。200日線との乖離率は-2.5%でマイナス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日、9日線の下に在ります。
NYDow25日線の下に在り、200日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。
NASDAQ25日線の下、200日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.9ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.0ポイント縮まりました。

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ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2012年予想実質GDP伸び率の日米差(-0.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.52イント割安となっています
市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の7-9月期のGDP速報値は年率2.0%とやや改善傾向を示しました。7-9月期の米主要企業の決算発表内容は今のところ下方修正が目立っています。経済指標では、10月のISM製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、8月の鉱工業生産、9月の小売売上高は市場予想を上回りましたが、10月のISM非製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のNY連銀製造業景況感指数は予想以下でした。
10月の雇用統計は就業者数が前月比17.1万人増で、市場予測の12.5万人増を上回りました。一方、失業率は7.8%から7.9%に悪化しました。
一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数、9月の住宅着工件数、10月の住宅市場指数、8月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、9月の中古住宅販売仮契約は予想以下でした。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.5%上昇し、市場予想と一致し、7ヶ月連続の上昇となり改善傾向を維持しました。
雇用と住宅関連は回復しつつあるものの低水準で、金融緩和継続の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが悪化し、世界経済の先行き不透明感が強まりつつあります。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G20での2013年に財政赤字半減との目標は棚上げされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは住宅と雇用の回復の鈍さから、無期限のQE3の実施と短期金利を2015年後半までは超低金利で維持する政策を継続することを発表しました。これは長期的な円高要因です。また、ECBは無制限の国債買い入れを発表し、日銀は2月に1%のインフレ目標設定と9月に10兆円の追加金融緩和を決めましたので、通貨安競争となっています。また、中国を初めとする新興国も成長率減速で利下げ方向です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1105 0.3117% 1106 0.3117% 1107 0.3100%となり、過去9ヶ月は下降トレンドで、直近も低下傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の一昨年0503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER13.6PBR0.93ROE8.2%から6.8%と今期の業績予想は下方修正されつつあります。PBR1.0を下回っていますので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率ほどは下げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均は140円の割高で、割高幅は拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-20円 ~+220円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きが続いていますが、今日は強い動きが加速しました。
日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.98と拡大し、ドル円は、やや円安方向の動きでした。米国金利の低下で、円高圧力は弱まりました。
テクニカルには、米国市場は、中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国経済や主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は今年に入り低下傾向で、直近の金利も低下傾向です。ギリシャのユーロ離脱懸念やスペインの不良債権問題は残るものの、EUの金融不安は後退しています。ただ、引き続き金融機関への影響を見極める必要があります。また、米国の経済指標はまちまちながら、住宅指標は改善方向です。直近の雇用統計では雇用者数が予想以上となりましたが、世界景気の減速懸念は払拭出来ていません。また、7-9月期の決算内容は下方修正が目立っています。このような相場環境の中、8日の米国市場は、新規失業保険申請件数、9月貿易収支が注目されそうです。
今日の日経平均の下値は、想定した値を大きく下回りました。目先の日経平均は25日線(現在8870円近辺)を挟んだ動き(上値は8970円近辺で下値は8770円近辺)が想定されます。




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