[市況]
30日のNYDowとNASDAQは大幅下落しました。31日の日経平均先物は、前日比130円安で寄り付き、午前中は160円安から120円安までの範囲で、揉み合う動きでした。午後は徐々に戻す動きとなり、最終的に前日比80円安で取引を終わりました。日経平均の終値は90円安の8542円で、出来高は23.10億株と比較的高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は840万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。
30日の米国市場では、バンキアを救済する為のスペイン政府による救済資金調達不安を背景に、投資家のリスク回避の動きで幅広い銘柄が売られました。また、原油相場の下落や4月の仮契約住宅販売指数が予想以下となったことも相場の重荷になりました。
30日のNYDowとNASDAQは大幅下落しました。31日の日経平均先物は、前日比130円安で寄り付き、午前中は160円安から120円安までの範囲で、揉み合う動きでした。午後は徐々に戻す動きとなり、最終的に前日比80円安で取引を終わりました。日経平均の終値は90円安の8542円で、出来高は23.10億株と比較的高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は840万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。
30日の米国市場では、バンキアを救済する為のスペイン政府による救済資金調達不安を背景に、投資家のリスク回避の動きで幅広い銘柄が売られました。また、原油相場の下落や4月の仮契約住宅販売指数が予想以下となったことも相場の重荷になりました。
31日の日本市場では、米国市場が大幅に下げた流れを受けて、主力株に売りが広がりました。円高も輸出関連株の重荷となり、日経平均は下げ幅を180円近くに広げる場面がありました。
[テクニカル視点]
日経平均は25日線の下に在り、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。総合乖離率は-19.1%でマイナス幅は拡がりました。200日線との乖離率は-4.8%でマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは200日線の上に在りますが、25日線の下に在り、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。
NASDAQは200日線の上に在りますが、25日線の下に在り、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント縮まりました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECDの2012年予想実質GDP伸び率の日米差(0.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 2.39ポイント割安となっています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECDの2012年予想実質GDP伸び率の日米差(0.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 2.39ポイント割安となっています。
市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10-12月期のGDP確定値は年率で3.0%と改定値と同じでした。1-3月期の米主要企業の決算発表は概ね好調のようです。経済指標では、5月のミシガン大学消費者態度指数、4月の鉱工業生産、5月のNY連銀製造業景気指数、4月のISM製造業指数などは市場予想を上回りましたが、4月の小売売上高は市場予想並みで、5月のコンファレンスボード消費者信頼感指、4月の耐久財受注、4月の景気先行指数、5月のフィラデルフィア連銀指数、4月のISM非製造業景況感指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下でした。
4月の雇用統計は就業者数が前月比11.5万人増で、市場予測の16.0万人増を大幅に下回りましたが、失業率は8.1%と前月の8.2%から改善しました。
一方、住宅関連では、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数、4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数は予想以上でしたが、4月の仮契約住宅販売指数は予想以下でした。3月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.1%上昇しました。市場予想の0.2%上昇には及びませんでした。雇用と住宅関連は回復しつつあるものの低水準で、金融緩和継続の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが悪化し、世界経済の先行き不透明感が強まりつつあります。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは住宅と雇用の回復の鈍さから、短期金利を2014年後半までは超低金利で維持する政策を継続することを発表しました。これは長期的な円高要因ですが、日銀も2月に1%のインフレ目標と追加金融緩和を決め通過安競争となってきました。また、中国を初めとする新興国も成長率減速で利下げ方向です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は05月28日 0.4668% →
05月29日 0.4668% → 05月30日
0.4668%となり、ここ3ヶ月は下降トレンドですが、直近は横ばいです。2010年のギリシャ財政危機直前の一昨年05月03日の0.346%を超えていますが、ECBによる3年物オペで金融システム危機懸念は後退しています。ここ2年の最高金利は2012年1月5日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが10.9、PBRが0.90、ROEが8.2%と今期の業績予想は大幅に改善しています。PBRが1.0を下回っていますので長期的には買い場と思われます。
[今後の見通し]
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが10.9、PBRが0.90、ROEが8.2%と今期の業績予想は大幅に改善しています。PBRが1.0を下回っていますので長期的には買い場と思われます。
[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;-0.4%となり、日経平均は40円の割安で、割安幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-250円 ~-30円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きとなっていますが、今日は弱い動きが減速しました。
日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は0.81と縮小し、ドル円は、円高方向の動きでした。日米金利差は米国金利の下降傾向で、円高圧力は強まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期はもみ合いで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、EUの政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国経済や主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうです。LIBOR銀行間金利は低下傾向ですが、直近の金利は横ばいです。ギリシャのユーロ離脱懸念やスペインの不良債権問題が出ても、EUの金融不安は小康状態です。ただ、EUの景気後退や政権交代による財政規律の後退、スペインの財政赤字拡大による国債の金利上昇が懸念されていますので、欧州債券市場や金融機関への影響を見極める必要があります。また、米国の1-3月期の決算は概ね好調なものの、経済指標は弱さが目立ち、直近の雇用統計は2ヶ月連続で伸び悩みを示しました。また、住宅指標は改善傾向ながら世界景気の減速懸念は払拭出来ていません。このような相場環境の中、31日の米国市場では新規失業保険申請件数、5月のADP雇用統計、5月のシカゴ購買部協会景気指数などが注目されそうです。
今日の日経平均の下値は想定した値を70円ほど下回りました。目先の日経平均は下降中のボリンジャーバンド-1σ(現在8610円近辺)を挟んだ動き(上値は8670円近辺で、下値は8400円近辺)が想定されます。
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