[市況]
7日のNYDowとNASDAQは上昇しました。8日の日経平均先物は、前日100円高で寄り付き、午前中は130円高から80円高の範囲でもみ合う動きでした。午後は上げ幅を拡げる動きとなり、最終的に180円高で取引を終わりました。日経平均の終値は192円高の9768円で、出来高は21.14億株と比較的高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は550万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
7日の米国市場では、2月のADP雇用統計が1月から大きく加速したことや、FRBによる「不胎化」手法を用いた金融緩和の追加策への期待が買いを誘いました。
7日のNYDowとNASDAQは上昇しました。8日の日経平均先物は、前日100円高で寄り付き、午前中は130円高から80円高の範囲でもみ合う動きでした。午後は上げ幅を拡げる動きとなり、最終的に180円高で取引を終わりました。日経平均の終値は192円高の9768円で、出来高は21.14億株と比較的高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は550万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
7日の米国市場では、2月のADP雇用統計が1月から大きく加速したことや、FRBによる「不胎化」手法を用いた金融緩和の追加策への期待が買いを誘いました。
8日の日本市場では、米国市場高を受けて上昇して始まりました。また、1月の経常赤字額が4373億円と単月で過去最大となったことなどから、円相場が下落したことで、輸出主力株を中心に幅広く買い戻しが入り、後場は一段高となりました。
[テクニカル視点]
日経平均は25日線の上に在り、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。総合乖離率は+23.0%でプラス幅が拡がりました。200日線との乖離率は+8.1%でプラス幅は拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは青信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、25日線、9日線の上に在ります。
NYDowは200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が1.8ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は1.3ポイント縮小しました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECDの2012年予想実質GDP伸び率の日米差(+2.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本企業の業績予想の下方修正で、日本市場が米国市場に比べ 2.05ポイント割高となりました。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECDの2012年予想実質GDP伸び率の日米差(+2.0ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本企業の業績予想の下方修正で、日本市場が米国市場に比べ 2.05ポイント割高となりました。
市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の10-12月期のGDP改定値は年率で3.0%と速報値の2.8%を上回りました。10-12月期の米主要企業の決算発表は概ね好調でした。経済指標では、1月の景気先行指数が予想をやや下回ったものの前月比プラスとなり、1月のISM非製造業景況感指数、2月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のコンファレンスボード消費者信頼感指、2月のフィラデルフィア連銀景気指数、2月のNY連銀製造業景気指数などは市場予想を上回りましたが、2月のISM製造業指数、1月の耐久財受注、1月の鉱工業生産、1月の小売売上高、2月のミシガン大学消費者信頼感指数は予想以下となりました。
1月の雇用統計は就業者数が前月比24.3万人増で、市場予測の14万人増を大幅に上回り、失業率が前月の8.5%から8.3%に改善しました。
一方、住宅関連では1月の新築住宅販売件数、12月の住宅価格指数、1月の住宅着工件数、1月の住宅市場指数は予想以上となりましたが、1月の中古住宅販売件数は予想以下でした。11月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で3.7%低下しました。市場予想の3.3%低下より弱い結果でした。ただ、雇用と住宅関連は回復しつつあるものの、低水準で金融緩和継続の主な原因となっています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは不動産と雇用の回復の鈍さから、短期金利を2014年後半までは超低金利で維持する政策を継続することを発表しました。これは長期的な円高要因ですが、日銀も2月に1%のインフレ目標と追加金融緩和を決め通過安競争となってきました。一方、中国を初めとする新興国の利上げは一服し、景気減速で逆に利下げ方向です。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は03月05日 0.4745% →
03月06日 0.4745% → 03月07日
0.4745%となり低下傾向が続いていますが、ここ2日は横ばいです。2010年のギリシャ財政危機直前の一昨年05月03日の0.346%を超えていますが、ECBによる3年物オペで金融システム危機懸念は後退しています。ここ2年の最高金利は2012年1月5日の0.5825%です。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが22.6、PBRが1.08、ROEが4.8%と今期業績下方修正が顕著となっています。
[今後の見通し]
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが22.6、PBRが1.08、ROEが4.8%と今期業績下方修正が顕著となっています。
[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は;+1.9%となり、日経平均は180円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-70円 ~ +190円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ再度強い動きとなりましたが、今日は強い動きが加速しました。
日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルにはやや割安で、ファンダメンタルには割高です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.00と拡大し、ドル円は円安方向に振れました。日米金利差は米国金利の上昇で拡大傾向ですので、この面では円高圧力は弱まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、EUの政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが引き続き、今後のテーマとなりそうですが、LIBOR銀行間金利低下が続き、金融危機懸念は収まりつつありますが、ギリシャの債務削減に参加する民間投資家が全体の75%を割った場合を懸念し、直近は横ばいです。今夜の結論が注目されます。また、米国の経済指標はまちまちながら、雇用の回復期待が出てきました。ただ、世界景気の減速懸念は払拭出来ていません。このような相場環境の中、今夜の米国市場は週間の新規失業保険申請件数、ギリシャの債務削減に参加する民間投資家の割合が注目されそうです。
今日の日経平均の上値は想定したボリンジャーバンド+1σを超える動きとなりましたが、出来高は伸びていない点やTOPIXはさほど上昇していない点を考えると先物主導で明日のSQに向けたかさ上げもあると思われます。目先の日経平均はボリンジャーバンド+1σ(現在9700円近辺)を挟んだ動き(9850円~9650円近辺)が想定されます。
ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!
世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート
注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。