日経平均の予想: [2017/01/29]今週の日経平均の見通し

Saturday, January 28, 2017

[2017/01/29]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、トランプ政権の経済政策への期待と発表が本格化している主要企業の業績が総じて良好なことを好感して、買い優勢となりました。一方、中長期的には、ドイツ銀行始め欧州の銀行の信用力不足と信用収縮懸念、中国など新興国の景気減速、FRBの利上げ、原油相場低迷などによる世界経済の減速懸念や、中東やウクライナの地政学的リスクに引き続き注意が必要です。
日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2018年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.56ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER17.5に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.6との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、現在の日経平均の価格に対して、2018年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.5%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER18.3程度になる(今期業績が下方修正されるか、又は、日経平均が21460円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は1990円ほど割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2018GDP予測値(現在+0.83%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は住宅関連指標、1月のシカゴ購買部協会景気指数、1月のISM製造業景況指数、FOMC1月の雇用統計、新政権の動向が注目されそうです。NYDowの日足が25日線の上で推移出来るか否かに注目したいと思います。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は7-9月期の決算発表に伴い、ROE予想値は8.2%3ヶ月前に比べて同水準です。また、今期業績予想の伸び率は+5.0%3ヶ月前に比べて0.6ポイント改善しています。
   米国の長期金利は上昇して、日米の金利差は2.42から2.41%と縮小し、為替は112円台から115円台で円安方向の動きでした。今週は113円台から116円台が想定されます。
   OECDの日米の2018年の実質GDP伸び率は、日本が+0.8%で、米国は+3.0%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.2ポイント劣ります。
   13週は売り越しで、14週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①⑤が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に4.0ポイント(日経平均に勘算すると780円程度)割高となっています。先週比割高幅が0.6ポイント縮小しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+21.2%となり先週と比較してプラス幅は拡大しました。200日移動平均線乖離率は+13.6%となりプラス幅は拡大しました。3つの要素がプラスですので中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドは"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると米企業業績の伸び悩み、、米国の景気減速、原油相場の低迷、ハイイールド債市場の下落、英国のEU離脱に伴う金融市場混乱、世界的な長期金利低下傾向、などの懸念は後退しているものの、米国の利上げ、EU圏の銀行の信用力不足、中国など新興国の景気減速に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。中国の不動産価格は大都市では上昇しているものの設備過剰など中国全体の不良債権問題は解消していません。処理を急ぐと目先の市場下落を招き、先延ばしすると景気後退が長引く懸念があります。また、直近のLIBOR金利がここ5年来の高値を更新し続けており金融不安再燃の可能性が意識されています。一方、好材料としては米国の緩やかな利上げペースの可能性、トランプ新大統領の政策期待、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と80兆の国債・6兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、長期金利操作と金融緩和の継続期間明確化やECBによる政策金利のマイナス金利と毎月600億ユーロの国債購入など異次元の金融緩和措置維持、中国など新興国の金利低下傾向が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
目先の日本市場の状況を分析すると、米国の長期金利は上昇し、日米長期金利差は縮小したものの、為替は週間では円安方向の動きとなりました。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジを上振れしました。上値は想定ラインを240円ほど上回り、下値は想定ライン近辺でした。今週の日経平均は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在19710円近辺)で、下値が25日線(現在19240円近辺)の間での動き想定されます


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