日経平均の予想: [2016/10/16]今週の日経平均の見通し

Saturday, October 15, 2016

[2016/10/16]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、四半期決算への警戒感と中国の貿易低迷で、売りが優勢となりました。一方、中長期的には、ドイツ銀行始め欧州の銀行の信用力不足、中国など新興国の景気減速、FRBの利上げ、原油相場低迷などによる世界経済の減速懸念と信用収縮懸念や、中東やウクライナの地政学的リスクに引き続き注意が必要です。
2017年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、2017年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.50ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER18.1に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.3との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、現在の日経平均の価格に対して、2017年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.5%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER18.1程度になる(今期業績が下方修正されるか、又は、日経平均が21440円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は4580円ほど割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2017GDP予測値(現在+0.4%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaq200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は住宅関連指標、10月のNY連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産、第3回大統領候補テレビ討論会、四半期決算発表が注目されそうです。NYDowが一目均衡表の雲の上に戻れるか否かに注目したいと思います。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は4-6月期の決算発表に伴い、ROE予想値は8.3%3ヶ月前に比べて0.1ポイント改善しています。また、今期業績予想の伸び率は+5.0%3ヶ月前に比べて3.3ポイント減速しています。円高の影響が表れています。
   米国の長期金利は上昇して、日米の金利差は1.80から1.86%と拡大し、為替は102円台から104円台で円安方向の動きでした。今週は103円台から105円台が想定されます。
   OECDの日米の2017年の実質GDPは、日本が+0.4%で、米国は+2.2%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.8ポイント劣ります。
   101週は買い越しで、102週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち③が強気材料で①が弱気材料でした。今週は、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に5.3ポイント(日経平均に勘算すると890円程度)割安となっています。先週比割安幅が2.1ポイント縮小しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+4.2%となり先週と比較して変わりませんでした。200日移動平均線乖離率は+1.1%となりプラス幅が拡大しました。3つの要素がプラスですので中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。日経平均は、25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドは"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、米国の景気減速、原油相場の低迷、ハイイールド債市場の下落、英国のEU離脱に伴う金融市場混乱、などの懸念は後退しているものの、米国の利上げ、EU圏の銀行の信用力不足、世界的な長期金利低下傾向、中国など新興国の景気減速に伴う世界経済減速懸念、米企業業績の伸び悩み、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。中国の不動産価格は大都市では上昇しているものの設備過剰など中国全体の不良債権問題は解消していません。処理を急ぐと目先の市場下落を招き、先延ばしすると景気後退が長引く懸念があります。また、直近のLIBOR金利がここ5年来の高値を更新しており金融不安再燃の可能性が意識されています。一方、好材料としては米国の緩やかな利上げペースの可能性、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と80兆の国債・6兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、長期金利操作と金融緩和の継続期間明確化の新政策の追加ECBによる政策金利のマイナス金利幅拡大と毎月800億ユーロの国債購入など異次元の金融緩和措置強化、中国など新興国の金利低下傾向が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。
目先の日本市場の状況を分析すると、米国の長期金利は上昇して、日米長期金利差は拡大し、為替は週間では円安方向の動きとなりました。こからも、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジを上振れしました。上値は想定ラインを120円ほど上回り、下値は想定ラインを180円ほど上回りました。今週の日経平均は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在17080円近辺)で、下値が25日線(現在16730円近辺)の間での動き想定されます米国の長期金利上昇傾向が継続するか否かがカギとなりそうです。


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