日経平均の予想: [2014/10/05]今週の日経平均の見通し

Saturday, October 04, 2014

[2014/10/05]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、週末に9月の雇用統計が好感されて大幅に上昇しましたが、欧州市場安、香港問題、弱い経済指標などで週間では下落しました。一方、中長期的には、中東やウクライナ情勢の地政学的リスク、FRBによる金融緩和縮小による新興国市場の下落と信用収縮懸念、中国の景気減速とシャドーバンキング問題などに引き続き注意が必要ですが、米国の景気回復は続きそうです。
2015年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、2015年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.34ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER17.2に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.3との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2015年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.3%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.1程度になる(日経平均が16600円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2015GDP予測値(現在+1.2%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場は中長期的に青信号で、短期的には黄信号が点灯しています。今週は、重要な経済指標の発表は少なそうですのでアルコアの決算など個別材料が株式相場に影響しそうです。NYDow 25日線の上で推移出来るか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は4-6月期の決算発表に伴い前年比-0.5%前後の伸びとなっています。また、ROE予想値は8.4%と伸び率は前四半期に比べてやや低下しています。
   日米の長期金利は低下し、日米の金利差は2.01%から1.92%と縮小したものの、為替は108円台から110円台で円安方向の動きでした。今週は108円台から110円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2015年の実質GDP伸び率は日本が+1.2%で、米国は+3.5%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.3ポイント劣ります。
   94週は買い越しで、101週は売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち①③⑤が弱気材料でした。今週も、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、0.2ポイント(日経平均に勘算すると30円程度)割安となりほぼ均衡しています。先週比割安に転換しました。日本市場は米国市場に比べ中長期的にほぼ均衡しています。
日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+3.9%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+3.9%となりプラス幅が縮小しました。3つの要素がプラスですので中期トレンドは、青信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の下に在ります。短期的トレンドは"赤信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には黄信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、資源高、住宅市況の低迷、米国の景気減速懸念、米国の金融緩和の終了による中国など新興国の景気減速などは後退しているものの、欧州の景気後退とデフレ懸念、中東やウクライナの地政学的リスクがリスク要因です。また、中国の不動産価格下落とシャドーバンキング問題も残っています。好材料としては米国の景気拡大、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和継続及び追加金融緩和余地、ECBによる政策金利のマイナス金利幅拡大と短期金利引き下げなど一段の金融緩和措置が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみ合いです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドで
目先の日本市場の状況を分析すると、日米長期金利差は縮小したものの、為替は週間では円安方向の動きとなりました。ただ、日本市場は円安分が日本市場に反映され短期的にも中長期的にもテクニカルに割高状態に変わりました。ここからは、為替の動きと割高状態(強い動き)が続くか否かを注目する必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジを大きく下振れしました。上値は想定ラインに接近しましたが、下値は想定ラインを一時330円ほど下回りました。今週の日経平均は、上値がボリンジャーバンド+1σ(現在16170円近辺)で、値がボリンジャーバンド-1σ(現在15610円近辺)の間での動き想定されます


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