日経平均の予想

Saturday, March 05, 2022

[2022/03/06]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場では、ウクライナ情勢の不透明感や、ロシアへの制裁が世界経済に与える悪影響が警戒され、、株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-1.30%, NASAQ:-2.78%, S&P500:-1.27%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、サプライチェーン混乱の長期化による世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2023年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.29ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER19.3に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER12.5との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2022年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.29ポイント拡大するか(日本が下方修正又は米国が上方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.9程度になるか、又は、日経平均が31000円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は5010円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は5010円分、魅力に欠けるとも言えます。

日本市場の弱さは改善しました。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安

OECDによる日本の2023GDP予測値(現在+1.8%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足も陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYDow25日線の上戻れるか否かに注目したいと思います。

  四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は9.3%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント改善しています。また、利益伸び率は+29.3%3ヶ月前に比べて5.4ポイント悪化しています。

  米国の長期金利が低下し、日米間の金利差は1.76から1.58と縮小して、ドル円は115円から114円の範囲で円高方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+2.04%上昇しました。

  OECDの日米の2023年の名目GDP伸び率予測が公開されて、日本が+1.8%で、米国は+4.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が3.1ポイント劣ります。

  2月第4週は売り越しで、3月第1週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①③⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に1.4ポイント(日経平均に勘算すると360円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に5.9ポイント(日経平均に勘算する1530円程度)割安です。

週間では米国市場に対する日本市場の弱さが拡大しました。米国市場のボラティリティーは高く、VIX31.98と先週から上昇しました。投資家の不安心理は最高レベルの高い状態となっています。

 

日経平均は、25日線と9日線の下にあります。短期トレンドには”赤信号”が点灯しています。

一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-19.3%となり先週と比較してマイナス幅は拡大しました。200日移動平均線との乖離率は-8.6%で、マイナス幅は拡大しました。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドには、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。

短期的には黄信号で、中期的には赤信号が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると新型コロナウイルス感染拡大に伴う世界経済減速懸念、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、米中貿易摩擦、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、ウクライナ紛争、米国の利上げ、長期金利の上昇、原油相場の上昇、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東や東アジアの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

直近のLIBOR金利は上昇傾向で、引き続き注意が必要です。20203月にも、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国政府による大規模の経済対策があげられます。また、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債と12兆円までのETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府による経済対策があります。さらに、EUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の継続などが揚げられます。ただ、ECBFRB債券購入の減額を決め、利上げ時期を探っています。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期はもみあいです。日本市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、2020年は、ゆるやかに円高方向に動いていましたが、2021年に入り、円安方向に反転しています。今週は114円台から115円台が想定されます。

 

今週は、米国の2月の消費者物価指数が注目されそうです。また、米国・中国・ドイツのCPIが発表され、ECBが金融政策の決定を行う予定です。その他の経済指標では、米国の1月の貿易収支、3月のミシガン大学消費者信頼感指数も発表されます。一方、市場のボラティリティーの高さは継続すると予想されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下ぶれしました。上値は想定ラインにほぼ一致しましたが、下値は想定ラインを170円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド -1σ(現在26430円近辺)で、下値がボリンジャーバンド -3σ(現在25460円近辺)の間での動きが想定されます。

 

今週も、ボラティリティー・インデックスは高いままと思われますので、ボリンジャーバンド -2σを挟んだ動きとなりそうです


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Thursday, March 03, 2022

[2022/03/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

33日、NYDowNASDAQは下落しました。34日の日経平均先物は、前日比260円安で寄付くと、午前中は220円安から900円安と下落幅を拡げ、午後は800円安から560円安と下落幅を縮めて、結局560円安で取引を終えました。日経平均の終値は591円安の25985円で、出来高は15.29億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

また、空売り比率は5日平均を上回りました。個別銘柄への売り圧力は強まりました。

 

33日の米国市場では、ウクライナ情勢の先行き不透明感や、金融政策の引き締めに対する警戒感が投資家心理の重石となり、売りが優勢となりました。2月の雇用統計の発表を間近に控えて、様子見ムードも強まりました。そんな中、小売りのウォルマートやバイオ製薬のアムジェンといったディフェンシブ株が買われ、相場を下支えしました。NYDowNASDAQは反落しました。

34日の日本市場では、前日の米株安を受けて売りが先行しました。取引開始直後、「ウクライナ南部のザポロジエにある原子力発電所をロシア軍が攻撃した」とウクライナ外相がツイッターで発信したことが伝わると、停戦交渉に悪影響を及ぼすとの懸念が強まり、輸出関連株を中心とした幅広い銘柄に売りが膨らみました。日経平均は大幅に反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-19.3%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-8.6%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.1ポイントとマイナスに転換し、両市場がほぼ均衡していることを示しています。また、NYDowとの比較では、日経平均が5.0ポイント(日経平均換算で1300円)割安となっています

 

日経VI27.99VIX30.48と、米国市場のボラティリティーはやや下落しましたが、日本市場のボラティリティーは上昇しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日より拡大しました。VIXは依然として30を上回っており、投資家の不安心理は最高レベルまで高まっています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.9、米国-3.3と日本が4.6ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.43ポイント(日経平均換算で5640円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

1月の製造業受注、2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月の消費者物価指数を上回りました。一方、2月のISM非製造業景況指数は市場予想、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比46.7万人増で、市場予想の12.5万人増を大きく上回りました。一方、失業率は4.0%で、先月の3.9%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面で強気気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、228 0.5042% 31 0.5108% 32 0.5221%と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.49PBR1.15となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.2%で、こちらは3か月前より5.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落率以上に下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均は70円の割高から330円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-330円から+440円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.69ポイントから1.65ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

34日の米国市場では、2月の雇用統計などが注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを390円ほど下回り、下値は想定ラインを460円ほど下回りました。ボリンジャーバンド-1σ(現在26430円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ-200円(現在25750円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を上回り、売り圧力は強まりました。日本市場のボラティリティーは上昇し、投資家の不安心理はより高まりました。日経平均は、224日の安値と同水準まで下げました。このまま戻せば、チャート上ではW形になり、底入れのサインになり得ます。ただ、今日の安値を下回る下げが続けば、ボリンジャーバンド-3σまでの下げとなりそうです。



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Wednesday, March 02, 2022

[2022/03/03]今後の日経平均の見通し

[市況]

32日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。33日の日経平均先物は、前日比280円高で寄付くと、午前中は360円高から140円高の間で上下し、午後は310円高から200円高の間でもみあって、結局300円高で取引を終えました。日経平均の終値は184円高の26577円で、出来高は12.35億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

また、空売り比率は5日平均を下回りました。個別銘柄への売り圧力は弱まりました。

 

32日の米国市場では、ロシアがウクライナとの停戦協議を再開する意向を表明したとの報道を受け、地政学的リスクの緩和を期待した買いが優勢となりました。パウエルFRB議長が議会証言で、3月の利上げについて具体的な発言をしたことも、不透明感を払拭するものとして好感されました。NYDow3営業日ぶりに反発し、NASDAQも反発しました。

33日の日本市場では、前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れが引き継がれ、買いが優勢となりました。一方で、原油先物相場の上昇が資源インフレに対する警戒感を呼び、投資家心理の重石となりました。ロシアに対する経済制裁が金融市場に与える影響を懸念する向きもあり、相場の上値は限定的でした。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-13.3%と前日よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-6.5%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.5ポイントと前日よりプラス幅を縮め、日経平均が130円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が3.2ポイント(日経平均換算で850円)割安となっています

 

日経VI25.71VIX30.74と、日米市場のボラティリティーは下落しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日より拡大しました。VIXは依然として30を上回っており、投資家の不安心理は最高レベルまで高まっています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.7、米国-3.3と日本が4.4ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.33ポイント(日経平均換算で5400円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月の消費者物価指数、1月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比46.7万人増で、市場予想の12.5万人増を大きく上回りました。一方、失業率は4.0%で、先月の3.9%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面で強気気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、225 0.5230 228 0.5042 31 0.5108と上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.71PBR1.18となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.3%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.2%で、こちらは3か月前より5.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.3%となり、日経平均の割高幅は390円から70円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-110円から+510円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.57ポイントから1.69ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

33日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注のほか、ブロードコムやコストコ・ホールセールなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインとほぼ一致し、下値は想定ラインを430円ほど上回りました。25日線-100円(現在26860円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-200円(現在26310円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を下回り、売り圧力は弱まりました。日本市場のボラティリティーは下落しましたが、投資家の不安心理は依然として高い状態です。VIX指数が30を下回らない限り、日経平均は、まだボリンジャーバンド-2σに向けて下落する可能性が高そうです。



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[2022/03/02]今後の日経平均の見通し

[市況]

31日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。32日の日経平均先物は、前日比450円安で寄付くと、午前中は290円安から610円安と下落幅を拡げ、午後は570円安から450円安の間でもみあって、結局520円安で取引を終えました。日経平均の終値は451円安の26393円で、出来高は14.26億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

また、空売り比率は5日平均を4日ぶりに上回りました。個別銘柄への売り圧力は強まりました。

 

31日の米国市場では、キエフやハリコフで攻防戦が激化していると伝わり、ウクライナ情勢の一段の悪化を警戒した売りが優勢となりました。また、欧米の経済・金融制裁でロシアが信用危機に陥る可能性も意識され、リスク回避の動きを誘いました。供給網が混乱するとの観測から、半導体関連株への売りも目立ちました。NYDowは続落し、NASDAQ4営業日ぶりに反落しました。

32日の日本市場では、ウクライナ情勢の不透明感や、ロシアへの制裁が世界経済に与える悪影響が警戒され、景気敏感株を中心とした幅広い銘柄にリスク回避の売りが膨らみました。一方で、原油先物相場の上昇を受けて石油株が買われたほか、資源需給の逼迫観測から、非鉄金属株が買われました。日経平均は4営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は-15.5%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-7.2%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は+1.3ポイントで、日経平均が340円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの比較では、日経平均が2.2ポイント(日経平均換算で580円)割安となっています

 

日経VI27.32VIX33.32と、日米市場のボラティリティーは上昇しました。NYDowに対する日経平均の弱さは、前日よりやや改善されました。VIX30を上回っており、投資家の不安心理は最高レベルまで高まっています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-7.6、米国-3.3と日本が4.3ポイント割安ですが、OECD2023年予想GDP伸び率の日米差(日本が+1.8、米国が+4.9)3.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.18ポイント(日経平均換算で4820円)割安となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米中貿易摩擦」「バイデン政権の経済対策が金融市場全体に与える影響」「日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率7.0%増で、速報値の6.9%増から小幅に上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、好調な企業が目立ちます。

 

経済指標を見てみます。

2月のISM製造業景況指数、1月の耐久財受注、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、1月の鉱工業生産指数、1月の小売売上高、1月の消費者物価指数、1月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月のニューヨーク連銀製造業景況指数、12月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の1月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比46.7万人増で、市場予想の12.5万人増を大きく上回りました。一方、失業率は4.0%で、先月の3.9%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げ時期が早まるという面で弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数、1月の住宅着工件数、2月の住宅市場指数、12月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。一方、12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+18.6%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利上げ時期が遅くなるという面で強気気材料です

 

新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退の影響で先進国の財政赤字はますます増加しており、これが根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。長期金利は上昇傾向に変化しており、相場はこの動きに敏感になっているので注意が必要です。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB2022年末までに3回利上げすると予想されています。また、テーパリングの加速が決定しています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20223月末まで18500億ユーロ」に拡大しました。ただ、224月以降の資産購入額は現在の半分以下に減少する見込みです。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続しています。加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大しました。ETFについては、TOPIXのみ0から12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を探る目安となるのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、ここ8か月は低下傾向にありますが、昨年3月末と6月末には一時的に上昇しました。直近では、224 0.5078 225 0.5230 228 0.5042上昇中であり、注意が必要です。なお、202199日の0.1141が直近の最低金利で、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.64PBR1.17となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.3%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+29.1%で、こちらは3か月前より5.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.5%となり、日経平均の割高幅は440円から390円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-110円から+510円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、1.68ポイントから1.57ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に下降トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、不動産価格の下落が続いています。中国最大の不動産企業である恒大集団の破綻が緊急課題となっており、金融システムへの影響に警戒が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化していますが、FRBの政策変更により金融緩和は収束方向に向かいつつあり、その影響で、長期金利は上昇傾向にあります。対ドルで円安が進みやすい状況です。

ECBはマイナス金利政策と金融緩和政策を継続していますが、202112月の理事会で、新型コロナウイルス対応で実施している追加の債券購入を20223月で終了することを決定しました。

 

32日の米国市場では、2月のADP全米雇用リポートやベージュブックのほか、ダラー・ツリーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、ウクライナ情勢や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを590円ほど下回り、下値は想定ラインを220円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在26740円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在26100円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

空売り比率は5日平均を4日ぶりに上回り、売り圧力は強まりました。日本市場のボラティリティーは上昇し、投資家の不安心理は依然として高い状態です。日経平均は、ボリンジャーバンド-2σに向けて下落する可能性が高そうです。



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