日経平均の予想: December 2025

Thursday, December 04, 2025

[2025/12/05]今後の日経平均の見通し

[市況]

124日、NYDowは小幅下落し、NASDAQは上昇しました。125日の日経平均先物は、前日370円安で寄り付くと、午前中は360円安から770円安と下落幅を拡げ、午後は750円安から480円安と下落幅を縮めて、結局、520円安で取引を終えました。日経平均の終値は536円安高の50491円で、出来高は20.89億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を3日ぶりに上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

124日の米国市場では、短期的な過熱感を意識した利益確定の売りが相場の重石となりました。ビットコインの価格が急落したことや、長期金利が上昇したことも株売りを促しました。もっとも、12月利下げへの期待は根強く、一方的に下げる展開とはなりませんでした。結局、NYDow3営業日ぶりに反落し、NASDAQは小幅に3日続伸しました。

125日の日本市場では、足元の急ピッチな株高の反動で、主力株を中心に短期的な過熱感を意識した売りが優勢となりました。日経平均の下落幅は一時800円を超えましたが、売り一巡後は自律反発狙いの買いや押し目買いが指数の下値を支えました。また、12月利上げ観測の高まりを受け、銀行株には買いが向かいました。日経平均は4営業日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+29.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+21.9%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+6.7ポイントとプラス幅を縮め、日平均が3380円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+13.2ポイントとプラス幅を縮め、日経平均6660円ほど割高であることを示しています

 

日経VI28.32と前日より上昇し、VIX15.78と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.39、米国-0.33と日本が3.06ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.25ポイント(日経平均換算で15580円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.80PBR1.67となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均の割安幅は80円から260円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1980円~-80円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.16ポイントから2.16ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

125日の米国市場では、12月のミシガン大学消費者信頼感指数や、9月の個人所得、9月の個人消費支出(PCE)、9月個人消費支出(PCEデフレーター)が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを880円ほど下回り、下値は想定ラインを110円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在51110円近辺)が上値の目安に、25日線-300円(現在49930円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は4営業日ぶりに反落しましたが、三角持ち合いを上離れした形はまだ維持されていると思われ、目先、上昇トレンドが崩れたと見るのは早計でしょう。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のバナーをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Wednesday, December 03, 2025

[2025/12/04]今後の日経平均の見通し

[市況]

123日、NYDowNASDAQは上昇しました。124日の日経平均先物は、前日10円安で寄り付くと、午前中は10円安から770円高と上昇に転じ、午後は690円高から1230円高と上昇幅を拡げて、結局、1170円高で取引を終えました。日経平均の終値は1163円高の51028円で、出来高は21.83億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を2日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

123日の米国市場では、11月のADP雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想に反して減少したことや、11月のISM非製造業景況指数が市場予想を上回ったことなどを受け、FRBが次回のFOMCで追加利下げに踏み切る可能性が高まったとの見方が強まり、消費関連株を中心に買いが優勢となりました。NYDowNASDAQは続伸しました。

124日の日本市場では、FRBの利下げが米景気を支えるとの期待を背景に、運用リスクをとる動きが優勢となりました。わけても、トランプ政権がロボット産業を支援する意向を示しているとの報道を受け、関連株への買いが目立ちました。また、長期金利の上昇を受け、銀行株に買いが向かいました。午後にはソフトバンクグループが一段高となり、指数をさらに押し上げました。日経平均は大幅に3日続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+33.5%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+23.4%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にあり、25日線を上回りました。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+8.3ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が4240円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+14.5ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均7400円ほど割高であることを示しています

 

日経VI28.12と前日より上昇し、VIX16.08と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.33、米国-0.34と日本が2.99ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.19ポイント(日経平均換算で14930円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のISM非製造業景況指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.03PBR1.69となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇率以上に上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均の割安幅は1040円から80円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1980円~-80円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.19ポイントから2.16ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。

 

124日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や10月貿易収支のほか、クローガー、ダラー・ゼネラル、ドキュサイン、アルタ・ビューティ、ホーメル・フーズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを470円ほど上回り、下値は想定ラインを650円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+300円(現在51570円近辺)が上値の目安に、25日線+100円(現在50360円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、やや弱まりました。日経平均は大幅に3日続伸し、三角持ち合いを上離れしたようなので、目先、ボリンジャーバンド+2σ(現在52268円)近辺までの上昇が期待できそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のバナーをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Tuesday, December 02, 2025

[2025/12/03]今後の日経平均の見通し

[市況]

122日、NYDowNASDAQは上昇しました。123日の日経平均先物は、前日330円高で寄り付くと、午前中は260円高から650円高と上昇幅を拡げ、午後は890円高から520円高と上昇幅を縮めて、結局、560円高で取引を終えました。日経平均の終値は561円高の49864円で、出来高は21.16億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を4日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

122日の米国市場では、足元で大きく下落していたビットコインの価格が反発したことや、FRBによる12月利下げ観測の高まりが投資家心理を支え、運用リスクをとる動きが優勢となりました。エヌビディアやマイクロソフトなど大手ハイテク株の一角が持ち直したことも相場を押し上げました。NYDowNASDAQは反発しました。

123日の日本市場では、前日の米株高を受けて投資家心理が上向き、半導体関連株に買いが集まりました。一方でディフェンシブ株には売りが向かい、相場の重石となっていましたが、午後に入ると株価指数先物に海外勢からの買いが入り、現物株を押し上げました。このところ下げが目立っていたソフトバンクグループが反発したことも好感されました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+26.3%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+20.7%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+5.7ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が2840円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+12.7ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均6330円ほど割高であることを示しています

 

日経VI27.70と前日より低下し、VIX16.59と前日より低下しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.43、米国-0.35と日本が3.08ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.27ポイント(日経平均換算で15730円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.84PBR1.67となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.4%で、こちらは3か月前より6.5ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.0%となり、日経平均の割安幅は1460円から1040円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1980円~-1040円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.23ポイントから2.19ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

123日の米国市場では、11月のADP雇用統計や11月のISM非製造業景況指数のほか、セールスフォース・ドットコムやダラー・ツリーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを210円ほど上回り、下値は想定ラインを870円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在50530円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在49240円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は続伸しました。日足は三角持ち合いとなっており、そろそろ上下どちらかに抜ける動きとなりそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のバナーをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Monday, December 01, 2025

[2025/12/02]今後の日経平均の見通し

[市況]

121日、NYDowNASDAQは下落しました。122日の日経平均先物は、前日270円高で寄り付くと、午前中は110円高から350円高の間で上下し、午後は270円高から50円安と下落に転じて、結局、30円安で取引を終えました。日経平均の終値は前日比横ばいの49303円で、出来高は21.39億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を3日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱まりました。

 

121日の米国市場では、足元の急ピッチな株高の反動で、利益確定の売りや戻り待ちの売りが優勢となりました。長期金利が上昇したことや、ビットコインの価格が大幅に下落したことも重石となりました。NYDowNASDAQ6営業日ぶりに反落しました。

122日の日本市場では、前日に日経平均が1000円近く下落した反動で、半導体関連株に自律反発狙いの買いが入りました。また、日銀の利上げ観測を受け、銀行や保険株が買われました。ただ、前日の米株安が投資家心理の重石となり、積極的な買いは手控えられる傾向にありました。午後にはソフトバンクグループが下げ幅を拡げ、相場を押し下げました。結局、日経平均は17銭高の小反発となりました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は+23.0%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+19.5%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均乖離率の差は、+5.0ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が2470円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+11.9ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均5870円ほど割高であることを示しています

 

日経VI28.61と前日より低下し、VIX17.24と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を依然として大きく上回っています。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-3.53、米国-0.34と日本が3.19ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.38ポイント(日経平均換算で17050円)割安となっています。

 

市場は現在、「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.8%増で、改定値の3.3%増を上回りました。また、46月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

米国の経済指標は:

11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、8月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比11.9万人増で、市場予想の5.0万人増を上回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.3%から悪化しました。雇用は中立的で、FRB利下げペースに影響を与えるほどではないようです。なお、10月の雇用統計の発表は取りやめとなりました。

 

米国の住宅関連の指標は:

10月の中古住宅販売件数、8月の新築住宅販売件数、7月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+2.1%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策は:

FRB10月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、12月利下げについては「既定路線ではない」と慎重さを滲ませています。ECBは、10月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、海外経済の不確実性が高いとして、10月の金融政策決定会合でも利上げを見送り、0.5%の金利水準を維持しました。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER18.60PBR1.65となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-3.2%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。


[今後の見通し]

前日のNYDowは下落しましたが、日経平均はわずかに上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.9%となり、日経平均の割安幅は1980円から1460円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1980円~-1050円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.18ポイントから2.23ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

122日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。クラウドストライクやマーベル・テクノロジーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、追加利下げや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを230円ほど下回り、下値は想定ラインを670円ほど上回りました。目先は、25日線-300円(現在49960円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+400円(現在48680円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として20を上回る高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、やや弱まりました。日経平均の反発は小幅にとどまりました。引き続き、1119日の安値(48235円)を下回るかどうかが、次の注目点です。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。

右のバナーをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート