日経平均の予想

Tuesday, November 19, 2024

[2023/11/20]今後の日経平均の見通し

[市況]

1119NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました1120日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付くと、午前中は120円高まで上昇したのち210円安まで下落幅を拡げ、午後は230円安から20円高と上昇に転じて、結局、20円高で取引を終えました。日経平均の終値は62円安の38352円で、出来高は16.53億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、0となりました。個別銘柄に関しては、「売り」と「買い」が均衡している状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

1119の米国市場では、ウクライナがロシアの軍事基地を米国から供与された長距離ミサイルで攻撃したとの報道を受けて地政学的リスクへの警戒感が高まり、株売りをさそいました。一方、四半期決算の発表を前にエヌビディアが5%近く上昇し、他のハイテク大手などへ買いが波及しました。結局、NYDow4日続落し、NASDAQは続伸しました。

1120日の日本市場では、FRBの利下げペースが鈍化するとの見方や、ウクライナ情勢の不透明感、アジア株の下落などが投資家心理の重石となり、売りが優勢となりました。一方、ソニーやセブン&アイなど、個別に材料が出た主力株には買いが向かい、相場を下支えしました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-0.4%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-0.5%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-10.8ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が4140円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-8.3ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3180円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.23と前日比横ばいで、VIX16.35と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国+0.4と日本が5.7ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.74ポイント(日経平均換算で112840円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げが減速するという面では弱気材料です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、10月の住宅着工件数、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げが加速するという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.75PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.0%で、こちらは3か月前より0.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.0%となり、日経平均の割安幅は1220円から1180円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2430円~-1180円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.35ポイントから3.35ポイントと横ばいでした。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

1120日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。エヌビディアやターゲット、TJXカンパニーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを350円ほど下回り、下値は想定ラインを200円ほど上回りました。目先は、25日線+100円(現在38870円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-300円(現在37980円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。日経平均は反落しました。エヌビディアの決算内容も重要ですが、米国市場の上昇と、半導体関連株の支えが、日経平均の反発には不可欠なようです。



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Monday, November 18, 2024

[2023/11/19]今後の日経平均の見通し

[市況]

1118NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました1119日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付くと、午前中は20円安から260円高の間で上下し、午後は320円高から90円高の間で上下して、結局、160円高で取引を終えました。日経平均の終値は193円高の38414円で、出来高は18.04億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1118の米国市場では、FRBの利下げが市場の想定よりも緩やかになるとの見方が引き続き投資家心理の重石となり、株売りを促しました。一方、トランプ次期政権が自動運転車の規制緩和を検討しているとの報道を受けてテスラが買われ、他のハイテク株にも買いが波及しました。結局、NYDow3日続落し、NASDAQ5営業日ぶりに反発しました。

1119日の日本市場では、前日の米ハイテク株高が追い風となり、半導体関連株に買いが向かいました。好決算銘柄への買いも指数を支えました。ただ、エヌビディアの決算発表を20日に控えて様子見ムードも強く、一方的に上昇する展開とはなりませんでした。日経平均は反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-0.1%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-0.4%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-9.7ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3730円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-8.6ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3300円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.23と前日より低下し、VIX15.58と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国+0.4と日本が5.7ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.74ポイント(日経平均換算で112980円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.76PBR1.43となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.1%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+2.0%で、こちらは3か月前より0.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.1%となり、日経平均の割安幅は1600円から1220円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2430円~-1220円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.38ポイントから3.35ポイントに縮小しました。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

 

1119日の米国市場では、10月の住宅着工件数のほか、ウォルマート、ロウズ・カンパニーズ、ジェイコブス・エンジニアリング・グループなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを480円ほど上回りました。目先は、25日線+100円(現在38930円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-300円(現在38000円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は、弱まりました。きょうの日経平均は反発しました。上昇が継続するには、米国市場の上昇と、半導体関連株の支えが不可欠なようです。



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Sunday, November 17, 2024

[2023/11/18]今後の日経平均の見通し

[市況]

1115NYDowNASDAQは下落しました1118日の日経平均先物は、前日比570円安で寄り付くと、午前中は660円安から90円安と下落幅を縮め、午後は270円安から480円安の間でもみあって、結局、410円安で取引を終えました。日経平均の終値は422円安の38220円で、出来高は17.33億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや強まりました。

 

1115の米国市場では、物価上昇圧力が根強く残るなか、複数のFRB高官が利下げに慎重な姿勢を示したことが投資家心理の重石となり、売りが優勢となりました。10月の小売売上高や11月のニューヨーク連銀製造業景況指数が市場予想を上回ったことも、金利が高止まりするとの観測につながり、ハイテク株に売りがかさみました。トランプ次期大統領の厚生長官人事を受け、製薬株も目立って売られました。NYDowは続落し、NASDAQも大幅に4日続落しました。

1118日の日本市場では、米長期金利の上昇を背景に前週末の米株式市場でハイテク株が売られた流れを受け、値がさの半導体関連株が売られました。日本株の戻りの鈍さを意識した株価指数先物への売りも、現物株の重石となりました。日経平均は反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-1.7%とマイナスに転換し、200日線との乖離率も-0.8%とマイナスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素のうち2つがマイナスとなり、中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-9.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3630円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-9.2ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が3520円ほど割安であることを示しています

 

日経VI26.69と前日より上昇し、VIX16.16と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国+0.4と日本が5.7ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.0、米国が+3.9)0.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.81ポイント(日経平均換算で116370円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.65PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.3ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+1.8%で、こちらは3か月前より-0.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.1%となり、日経平均の割安幅は2100円から1600円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2430円~-1600円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.39ポイントから3.38ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

1118日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。G20サミットや個別材料が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを530円ほど下回り、下値は想定ラインを80円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+400円(現在38730円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在37790円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。また、信用の売り圧力は、やや強まりました。きょうの日経平均は反落しました。ここからの上昇には、米国市場の上昇と、半導体関連株の支えが不可欠なようです。



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Saturday, November 16, 2024

[2024/11/17]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、物価上昇圧力が根強く残る中、複数のFRB高官が利下げに慎重な姿勢を示したことで、週間で株価指数は下落しました。

週間変動率 NYダウ:-1.24%, NASDAQ:-3.15%, S&P500:-2.08%.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が4.70ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER24.6対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.9との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに4.70ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER63.3程度になる。又は、日経平均が153,480円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は114,840円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、114,840円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.0%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は、NYダウが25日線の上を維持できるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.0%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント改善しています。また、利益伸び率は+1.8%となりました。3ヶ月前に比べて-1.6%ポイント悪化しています。

  米国の長期金利は上昇し、日米間の金利差は3.31から3.38と拡大して、ドル円は152円台から156円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で+1.64%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.0%で、米国は+3.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.9ポイント劣ります。

  11月第1週は買い超しで、11月第2週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に8.4ポイント(日経平均に勘算すると3250円程度)割安です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に8.1ポイント(日経平均に勘算する3130円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対しては弱い状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 16.2 と上昇しました。 日経 VI は 週間で 24.2と低下しました。米国市場はやや楽観的で、日本市場はボラタイルです。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。総合乖離率は+1.5%、200日移動平均線との乖離率は+0.3%。これら3つの要因がプラスであるため、中期トレンドには"青信号が点灯しています。

                                                        

米国市場では、NYダウは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

NASDAQも、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。また、一目均衡表の雲の上に在ります。

短期的には"信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念が意識されています。また、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期はもみあいです。

日本市場は中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです。

 

為替市場を分析すると、20246月につけた162円台をピークに円高方向に転換しています。今週は153円から156円が想定されます。

 

今週の米国市場では、製造業とサービス業のPMIデータ、住宅着工、中古住宅販売といった住宅市場の最新情報が注目されます。金融政策面では、FRB当局者やラガルドECB総裁の講演が注目されます。世界的には、英国や日本、ドイツのインフレ率、日本、インド、ユーロ圏、英国などのPMI速報値が発表されます。

 

先週の日経平均は、想定レンジを下振れしました。上値は想定を150円ほど下回り、下値は想定ラインを410円ほど下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線 (現在38920円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在37850円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は、米国市場の利下げ観測と半導体株が復活しなければ、日本市場は低迷が続きそうです。


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Thursday, November 14, 2024

[2023/11/15]今後の日経平均の見通し

[市況]

1114NYDowNASDAQは下落しました1115日の日経平均先物は、前日比330円高で寄り付くと、午前中は170円高から550円高の間で上下し、午後は360円高から20円高と上昇幅を縮めて、結局、90円高で取引を終えました。日経平均の終値は107円高の38642円で、出来高は21.88億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日ぶりに下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。

 

1114の米国市場では、高値警戒感がくすぶるなか、10月の生産者物価指数(PPI)が市場予想を上回ったことや、パウエルFRB議長が講演で利下げに慎重な姿勢を示したことなどが投資家倫理の重石となり、利益確定の売りが優勢となりました。テスラやアルファベットなど、ハイテク株の一角も売られました。結局、NYDowは反落し、NASDAQ3日続落しました。

1115日の日本市場では、外国為替市場の円安ドル高進行を受け、自動車や機械など輸出関連株を中心に買いが優勢となりました。また、オランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングが強気な売上高見通しを示したことが好感され、指数寄与度の高い半導体関連株が買われました。ただ、買い一巡後は利益確定の売りや戻り待ちの売りが相場の上値を抑えました。日経平均は4日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+1.5%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+0.3%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-11.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が4250円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-8.9ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3440円ほど割安であることを示しています

 

日経VI24.21と前日より低下し、VIX14.31と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.2、米国+0.4と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.60ポイント(日経平均換算で105710円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率2.8%増で、市場予想の3.0%増を下回りました。また、79月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、10月の消費者物価指数、9月の製造業受注は市場予想と一致しました。一方、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のISM製造業景況指数、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は84負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1.2万人増で、市場予想の11.3万人増を大幅に下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.1%から横ばいでした。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げ幅が広がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.2%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB11月のFOMC0.25%の追加利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.93PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+0.7%で、こちらは3か月前より1.6ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-5.2%となり、日経平均の割安幅は2430円から2100円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2430円~-1280円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.41ポイントから3.39ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

1114日の米国市場では、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数や、10月の小売売上高、10月の鉱工業生産指数などが注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを80円ほど上回り、下値は想定ラインを590円ほど上回りました。目先は、25日線+200円(現在39120円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在38290円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、依然として高水準にあります。一方、信用の売り圧力は弱まりました。日経平均は4日ぶりに反発しました。上昇が継続するには、当面、半導体関連株の支えが必要なようです。



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