日経平均の予想: <080618>日経平均の今後の見通し

Wednesday, June 18, 2008

<080618>日経平均の今後の見通し

[市況]
17日のNYSEとNASDAQが下落したことを受けて、日経平均は50円ほど安く寄りつきましたが、直ぐに戻り歩調となり、後場寄付きに100円ほど高くかる場面も在りましたが、結局104円高で引けました。外人は460万株の買い越しで、出来高は18.5億株と低水準ながら、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はプラス幅を拡大し、個別銘柄は"買い"有利な状況です。
17日の米国株式市場では、ゴールドマン・サックスが発表した3―5月期決算は減益ながら、一株利益が市場予想を上回り、金融株全般に買いが先行したものの、アナリストがリポートで、米金融機関は追加で650億ドル程度の増資が必要と指摘したと伝わると金融株は下げを加速。5月の卸売物価指数の上昇率が前月比1.4%と半年ぶりの高い伸びとなり、原油の高止まりと併せてインフレ懸念を誘い、相場の重しになったようです。
18日の日本市場では、米株安を受けて朝方は売りが先行したものの、下値の堅さが確認されると大口買いが入り、上昇に転じました。朝方の外人が買い越し観測だったことに加え、アジア株が総じて上げたことや為替が落ち着いた動きとなっていたため堅調に推移しました。

[テクニカル視点]
一目均衡表では雲の上に在り、総合乖離率は+8.0%とプラス幅が拡大、200日線との乖離率は-1.3%とマイナス幅が縮小しました。3つの内2つがプラスですので、中期的トレンドは、"青信号"です。
一方、金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差からの割安感は2.1ポイントと変化はありませんが、テクニカルから見た割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.9ポイント上回わるレベルで、逆に買われ過ぎ感が出てきました。
NY Dowは、一目均衡表の雲の下に在り、25日線、9日線の下でも在ります。直近安値更新も心配したければならない位置となりました。Nasdaqは一目均衡表の雲の上に在りますが、25日線の下に在り、9日線まで下げました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在り、さらに9日線と25日線の上に在ります。

[ファンダメンタル視点]
米国市場はゴールドマンの決算発表にも一旦はポジティブに反応しましたが、金融株は結局売られ、インフレ懸念も出てさえない動きでした。今夜にモルガン・スタンレーと決算発表が続きまが、証券会社の収益が改善しても、今後もしばらく不動産下落も続きそうですので、根本的な金融機関の破綻懸念と企業の資金調達への影響も完全に払拭されてはいません。本格反転には公的資金を活用した、破綻懸念の払拭が必須と思われます。5,6月の2ヶ月の間に対策が出ないと6,7月の決算発表時に波乱も考えておかなければなりません。逆に有効な対策がでると、金融株の急騰も有り得ます。ここからは、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティーの株価は依然として、年初来安値を更新して推移しています。一方、日本企業の3月期決算発表は終わりましたが、今日現在の日経平均の今期増益率は-2.3%で、予想PERは17.0となりました。

[今後の見通し]
米国市場安の中で日経平均は意外にも堅調な値動きでした。その結果、終値ではNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは約2.2%(300円)となり、また、かなりプレミアムが付いてきましたので注意が必要です。ドル換算チャートでは25日線の下に在りテクニカルには、まだ強気になれない状況ですので、目先の日経平均は割高と思われます。米国市場との連動性を考慮すると、原油安と金融不安後退が、米国市場と日本市場のさらなる上昇の条件と思われますが、こちらも強気になれる方向感は依然としてまだ見えません。

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