Sunday, December 09, 2018

[2018/12/10]今後の日経平均の見通し

[市況]
127日、NYDowNASDAQは下落しました。12月10日の日経平均先物は、前日比420円安で寄り付くと、午前中は480円安から310円安の間でもみあい、午後は360円安から480円安の間でもみあって、結局480円安で取引を終えました。日経平均の終値は459円安の21219円で、出来高は13.83億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。

127日の米国市場では、買いが先行しました。OPECと非加盟の産油国が原油の減産で合意したことを背景に、原油先物相場が上昇したことが好感されました。しかし、米中貿易摩擦の激化や米景気減速への警戒感は根強く、次第に、主力のハイテク株を中心に売りが広がりました。
1210日の日本市場では、米政府高官が前週末に相次いで対中関税発動の可能性に言及したことから、米中貿易摩擦激化への懸念が再燃し、中国関連銘柄や景気敏感株を中心に売りが優勢となりました。アジア株が全面安となったことも売りを促しました。日経平均の下げ幅は、一時500円を超えました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-14.0%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-4.9%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)も、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.8ポイント拡大して+2.4ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より510円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.69ポイント(日経平均で16590円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率3.5%増で、速報値の3.5%増と一致しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想と一致しました。一方、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面ではやや強気材料です。

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.5万人増で、市場予想の19.8万人増を下回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.3%を下回りました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面では強気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。10月の中古住宅販売件数、9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、10月の住宅着工件数は市場予想と一致しました。一方、10月の新築住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.15%で、市場予想の+5.20%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、125 2.7657% 126 2.7671% 127 2.7710%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、2018127日に記録した2.7710%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER11.9PBR1.10となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-2.1%で、これは3か月前より2.5ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末のNYダウの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.2%となり、日経平均は30円の割安から40円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-400円 から+110円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は2.84ポイントから2.81ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げ打ち止め感がではじめました。目先の長期金利は上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

1210日の米国では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを440円ほど下回り、下値は想定ラインを110円ほど下回りました。目先の日経平均は、上値がボリンジャーバンド-2σ+200(現在21480円近辺)、下値がボリンジャーバンド-3σ(現在20960円近辺)と想定されます。



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Saturday, December 08, 2018

[2018/12/09]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、米中の貿易摩擦の激化や米景気減速への警戒感が根強く、売りが優勢となりました。一方、中長期的には、米国政治の混乱FRBの利上げ、欧州政治の混乱、欧州の銀行の信用力不足と信用収縮懸念中国など新興国の景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念や、中東、朝鮮半島やウクライナの地政学的リスクに引き続き注意が必要です。

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2020年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.47ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER16.5に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER12.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。
これは、現在の日経平均の価格に対して、2020年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.5%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER21.2程度になる(今期業績が下方修正されるか、又は、日経平均が37610円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は15930円ほど割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2020GDP予測値(現在+0.68%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は住宅指標、四半期決算発表、ECB定例理事会、11月の小売売上高、が注目されそうです。NYDow200日線の上にもどれるか否かに注目したいと思います。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は4-6月期の決算発表に伴い、ROE予想値は9.2%3ヶ月前に比べて0.1ポイント悪化しています。また、今期業績予想の利益伸び率は-2.1%3ヶ月前に比べて2.4ポイント改善しています。
   米国の長期金利は低下し、日米の金利差は2.91から2.80%と縮小し、為替は113台から112台で円高方向の動きでした。
   OECDの日米の2020年の実質GDP伸び率予測が改定されて、日本が+0.68%で、米国は+2.13%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.45ポイント劣ります。
   114週は売り越しで、121週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち、①③が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に4.5ポイント(日経平均に勘算すると980円程度)割高となっています。先週と比べ割高幅が拡大しました。

日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-8.0%となり先週と比較してマイナスに転換しました。200日移動平均線乖離率は-2.8%でマイナスに転換しました。3つの要素がマイナスすので、中期トレンドは、"赤信号"が点灯しています。
日経平均は、9日線、25日線の下にあります。短期的トレンドには"赤信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaq200日線、25日線、9日線の下にあります。一目均衡表の雲の下に在ります。
短期的には赤信号"で、中期的にも赤信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると米企業業績の伸び悩み、米国の景気減速、信用収縮に伴う金融市場混乱、世界的な長期金利低下傾向、北朝鮮の情勢、ハイイールド債市場の下落などの懸念は後退しているものの、原油相場の低迷、米国の利上げ、米国政治の不透明感、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、中国など新興国の景気減速や貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

中国の不動産価格は大都市では横ばいですが設備過剰など中国全体の不良債権問題は解消していません。処理を急ぐと目先の市場下落を招き、先延ばしすると景気後退が長引く懸念があります。

また、直近のLIBOR金利は上昇傾向で、ここ5年来の高値を更新し続け、世界全体の不良債務が増加を続けていることを暗示しており、金融不安再燃の可能性が意識されています。

一方、好材料としては米国の緩やかな利上げペースの可能性、トランプ大統領の政策期待、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と80兆の国債・6兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、長期金利操作と金融緩和の継続期間明確化やECBによる政策金利はマイナス金利と国債買い入れが維持されています。ただ、国債買い入れ枠は20174月から段階的に減額され、年末に終了する計画ですEUも金融正常化へ向かう方向です。

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。日本市場は下降トレンドで、短期も下降トレンドです

先週の為替市場を分析すると、米国の長期金利は低下し、日米長期金利差は縮小して、為替は週間では円高でした。今週は111円台から113円台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。


先週の日経平均は、想定レンジを下回りました。上値は想定ラインを90円ほど上回り、下値は想定ラインを670円ほど下回りました。今週の日経平均は、上値がボリンジャーバンド-1σ(現在21680円近辺)で、下値はボリンジャーバンド-3σ(現在21090円近辺)の間での動き想定されます


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Thursday, December 06, 2018

[2018/12/07]今後の日経平均の見通し

[市況]
126日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。127日の日経平均先物は、前日比140円高で寄り付くと、午前中は280円高から30円高と上昇幅を縮め、午後は90円高から240円高と上昇幅を拡げて、結局170円高で取引を終えました。日経平均の終値は177円安の21678円で、出来高は13.72億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

126日の米国市場では、ファーウェイ幹部の逮捕が米中関係の悪化を招くとの懸念が強まり、中国事業関連株が売られ、NYDowは午前中に785ドル安まで下げました。ただ、利上げ休止観測などを背景に、取引終了間際には下げ幅を縮める展開となりました。
127日の日本市場では、前日の米国市場が急速に下げ渋ったことが投資家心理を改善させ、買いが先行しました。日経平均は前引けにかけて戻り待ちの売りに押されて伸び悩みましたが、午後に入ると円相場の伸び悩みや日銀のETF買い観測などが支えとなり、再び上昇幅を拡げました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-8.0%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-2.8%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.4ポイント拡大して+1.6ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より350円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.59ポイント(日経平均で16850円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率3.5%増で、速報値の3.5%増と一致しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想と一致しました。一方、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面ではやや強気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25万人増で、市場予想の20万人増を上回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.2%と一致しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。10月の中古住宅販売件数、9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、10月の住宅着工件数は市場予想と一致しました。一方、10月の新築住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.15%で、市場予想の+5.20%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、123 2.7512% 124 2.7388% 125 2.7657%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、2018125日に記録した2.7657%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.2PBR1.12となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-2.2%で、これは3か月前より2.4ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYダウが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均の割安幅は240円から30円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-400円 から+320円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は2.84ポイントから2.84ポイントと横ばいですが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げ打ち止め感がではじめました。目先の長期金利は上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

126日の米国では、11月の雇用統計が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインの近辺で、40円ほど下回り、下値は想定ラインを220円ほど上回りました。目先の日経平均は、上値がボリンジャーバンド-1σ+200(現在21880円近辺)、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在21380円近辺)と想定されます。



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Wednesday, December 05, 2018

[2018/12/06]今後の日経平均の見通し

[市況]
125日、NYDowNASDAQは休場でした。126日の日経平均先物は、前日比130円安で寄り付くと、午前中は70円安から400円安と下げ幅を拡げ、午後には580円安まで下げ幅を拡げて、結局430円安で取引を終えました。日経平均の終値は417円安の21501円で、出来高は15.10億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

125日の米国はブッシュ元大統領への国民追悼の日で、米国市場は休場でした。
126日の日本市場では、中国の通信機器大手ファーウェイの幹部が逮捕されたとの報道を受け、貿易問題をめぐる米中の対立が激化するとの懸念が広がり、電子部品や中国関連株を中心に幅広い銘柄が売られました。外国為替市場で円相場が強含んだことや、アジア株式市場が全面安となったこと、米株価指数先物が下落したことなども投資家心理を冷やしました。日経平均は3日続落し、1030日以来の安値をつけました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-10.4%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.6%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.8ポイント縮小して+1.2ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より260円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.69ポイント(日経平均で17170円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率3.5%増で、速報値の3.5%増と一致しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、9月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想と一致しました。一方、11月のISM非製造業景況指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25万人増で、市場予想の20万人増を上回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.2%と一致しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。10月の中古住宅販売件数、9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、10月の住宅着工件数は市場予想と一致しました。一方、10月の新築住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.15%で、市場予想の+5.20%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、1130 2.7361% 1203 2.7512% 1204 2.7388%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、2018123日に記録した2.7512%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.1PBR1.11となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-2.1%で、これは3か月前より2.5ポイント改善されています。

[今後の見通し]
NYDowは休場でしたが、日経平均は下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.1%となり、日経平均は110円の割高から240円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-400円 から+320円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は2.85ポイントから2.84ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げ打ち止め感がではじめました。目先の長期金利は上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

125日の米国では、週間の新規失業保険申請件数や、10月の貿易収支、10月の製造業受注、OPEC総会のほか、クローガーやブロードコムなどの四半期決算が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを360円ほど下回り、下値は想定ラインを370円ほど下回りました。目先の日経平均は、上値がボリンジャーバンド-1σ+100(現在21780円近辺)、下値がボリンジャーバンド-2σ-100(現在21290円近辺)と想定されます。



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