日経平均の予想: April 2014

Wednesday, April 30, 2014

[2014/04/30]今後の日経平均の見通し

[市況]
29
日のNYDowNASDAQは上昇しました。30日の日経平均先物は、前日比110円高で寄り付き、午前中は130円高から20円安の範囲で上げ幅を縮める動きでした。午後は引けにかけて90円安まで売られる動きとなり、結局90円安で取引を終わりました。日経平均の終値は15円高の14304円で、出来高は20.20億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は170万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、やや「買い」が有利な状況です
29
日の米国市場では、四半期決算で企業の収益が拡大基調を保っているとして、メルクなど好決算を発表した銘柄を中心に買いが優勢となりました。4月の消費者信頼感指数は予想以下でしたが影響は限定的でした。
30日の日本市場では、米国市場高を受けて買いが先行しましたが、その後は、日銀の金融政策決定会合での現状維持決定を悲観して為替が円高方向に動いた事で、上げ幅を縮める動きとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しました。総合乖離率は-7.0%でマイナス幅は縮小しました。200日線との乖離率は-2.4%でマイナス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在り、25日線、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅が0.5ポント縮小して、中長期的には日本市場が5.4ポイント(日経平均で770円程度)割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2015年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ 1.04イント(日経平均で2430円程度)割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「ウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP確報値は2.6%となり改定値から0.2ポイント上方修正されました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では4月のミシガン大学消費者信頼感確報値、3月の耐久財受注、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、3月の鉱工業生産指数、3月の小売売上高、2月の製造業受注は市場予想を上回りましたが、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、4月のNY連銀製造業景気指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下でした。
3月の雇用統計は就業者数が前月比19.2万人増で、市場予測の20万人増をやや下回りました。失業率は先月の6.7%と同じでした。
一方、住宅関連では、3月の中古住宅販売仮契約指数、3月の中古住宅販売件数は予想以上でしたが、3月の新築住宅販売件数、3月の住宅着工件数、4月の住宅市場指数は予想以下でした。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.7%上昇を上回りました。25ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
目先の経済指標は強い物も出てきて、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済全体の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBは従来のガイダンスを止めてゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針に変更しましたECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であるとの立場を繰り返し表明し、短期金利の引き下げ余地があります。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整するとの立場を継続し、追加緩和にも含みを持たせていますので、ドルは円に対して高くなり易い環境に変化はありません。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0425 0.2266% 0428 0.2248% 0429 0.2253%となっています。過去23ヶ月は低下傾向で、目先はもみ合いです。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.9で、PBR1.28となっています。ROE9.3%と日本企業の業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇にも拘らず上げ幅は限定的でした。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.7%となり、日経平均は390円の割安で、割安幅は急拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-390円 ~-40円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが急加速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.07と変わらないものの、ドル円は、円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりつつあります。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、中期的にウクライナ情勢の世界市場への影響はどうなるか、米金融緩和縮小は中国などの新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?などが、今後もリスク・シナリオとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は落ち着きつつありますが、引き続き中国のシャドーバンキング問題と不動産バブル崩壊に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は払拭出来ていない中、米国市場は雇用状況と住宅指標は改善傾向との基本認識は崩れておらず、FRBは米景気を改善傾向と判断し、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢緊迫に対するリスク回避の動きがくすぶる中、米国市場は目先戻り歩調です。このような相場環境の中、30日の米国市場では、4月のADP雇用統計、1-3月期のGDP4月のシカゴ購買部協会景気指数、FOMC後の声明などが注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲内の動きとなり、上値は想定ラインにほぼ一致しました。目先の日経平均の想定範囲は、上値が25日線-50(現在14450円近辺)で、下値が ボリンジャーバンド-1σ-50(現在14150円近辺)の間での動きが想定されます


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Monday, April 28, 2014

[2014/04/28]今後の日経平均の見通し

[市況]
25
日のNYDowNASDAQは大幅下落しました。28日の日経平均先物は、前日比180円安で寄り付き、午前中は120円安から240円安の範囲でもみ合う動きでした。午後は150円安から220円安の範囲でもみ合う動きとなり、結局150円安で取引を終わりました。日経平均の終値は141円安の14288円で、出来高は17.46億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は250万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては、やや「売り」が有利な状況です
25
日の米国市場では、四半期決算を発表したアマゾン・ドット・コムやパンドラ・メディアが急落したことや緊張が続くウクライナ情勢への警戒感から週末を前に売りが優勢となりました。
28日の日本市場では、前週末の米国市場の大幅安を受けて、幅広い銘柄に売りが先行しました。休み明けの30日には日銀金融政策決定会合やFOMCの結果発表を控え、午後は様子見気分が一段と強まりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在り、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。総合乖離率は-7.5%でマイナス幅は拡大しました。200日線との乖離率は-2.5%でマイナス幅は拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅が0.3ポント拡大して、中長期的には日本市場が5.9ポイント(日経平均で850円程度)割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2015年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ 0.98イント(日経平均で2230円程度)割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「ウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP確報値は2.6%となり改定値から0.2ポイント上方修正されました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では4月のミシガン大学消費者信頼感確報値、3月の耐久財受注、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、3月の鉱工業生産指数、3月の小売売上高、2月の製造業受注、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りましたが、4月のNY連銀製造業景気指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下でした。
3月の雇用統計は就業者数が前月比19.2万人増で、市場予測の20万人増をやや下回りました。失業率は先月の6.7%と同じでした。
一方、住宅関連では、3月の中古住宅販売件数は小幅減ながら予想以上でしたが、3月の新築住宅販売件数、3月の住宅着工件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は予想以下でした。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.6%上昇を上回りました。24ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いていることを示しています。
目先の経済指標は強い物も出てきて、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済全体の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBは従来のガイダンスを止めてゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針に変更しましたECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であるとの立場を繰り返し表明し、短期金利の引き下げ余地があります。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整するとの立場を継続し、追加緩和にも含みを持たせていますので、ドルは円に対して高くなり易い環境に変化はありません。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0423 0.2287% 0424 0.2278% 0425 0.2266%となっています。過去23ヶ月は低下傾向で、目先はもみ合いです。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.9で、PBR1.30となっています。ROE9.3%と日本企業の業績は改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.0%となり、日経平均は150円の割安で、割安幅は変わりませんでした。プレミアム値は、ここ一週間、-280円 ~+40円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが継続しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.07と拡大したものの、ドル円は、やや円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりつつあります。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期も下降トレンドです。
ファンダメンタル面では、中期的にウクライナ情勢の世界市場への影響はどうなるか、米金融緩和縮小は中国などの新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?などが、今後もリスク・シナリオとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は落ち着きつつありますが、引き続き中国のシャドーバンキング問題と不動産バブル崩壊に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は払拭出来ていない中、米国市場は雇用状況と住宅指標は改善傾向との基本認識は崩れておらず、FRBは米景気を改善傾向と判断し、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢緊迫に対するリスク回避の動きがくすぶる中、米国市場は目先不安定です。このような相場環境の中、28日の米国市場では、3月の中古住宅販売仮契約が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した範囲をやや下振れして、下値は想定ラインを50円ほど下回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値が25日線-70(現在14440円近辺)で、下値が ボリンジャーバンド-1σ-70(現在14140円近辺)の間での動きが想定されます


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Saturday, April 26, 2014

[2014/04/27]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、1-3月期の企業決算が好調なものが目立ったものの、週末にウクライナ情勢緊迫で売られ、週間でも下落しました。一方、中長期的には、ウクライナ情勢、FRBによる金融緩和縮小による新興国市場の下落と信用収縮懸念、中東の地政学的リスク、中国の景気減速とシャドーバンキング問題などに引き続き注意が必要ですが、米国の景気回復は続きそうです。
2015年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、2015年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.83ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER17.0で、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、2014年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.8%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER16.0程度になる(日経平均が16350円程度となる)と、日米市場が均衡すると解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2015GDP予測値(現在+1.0%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場は中長期的に黄信号で、短期的にも黄信号が点灯しています。今週は、ウクライナ情勢や住宅関連指標、3月の耐久財受注、決算発表などが株式相場に影響しそうです。Nasdaq25日線を上回れるか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は10-12月期の決算発表に伴い前年比+60%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は9.3%と伸び率は前四半期に比べて0.3%増加しています。
   日米の長期金利は低下し、日米の金利差は2.12%から2.05%に縮小し、為替は102円台から101円台で円高方向の動きでした。今週は101円台から102円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2015年の実質GDP伸び率は日本が+1.0%で、米国は+3.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.4ポイント劣ります。
   43週は買い越しで、44週は売り越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうちが①③が弱気材料でした。今週は、①③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、4.0ポイント(日経平均に勘算すると580)割安となりました。先週比割安幅が0.1ポイント縮まりました。日本市場は米国市場に比べ中長期的に割安です。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は-4.8%となり先週と比較してマイナス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は-1.6%となりマイナス幅が拡大しました。3つの要素がマイナスですので中期トレンドは、赤信号"が点灯しています。日経平均は25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。短期的には赤信号"で、中期的には黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、資源高、住宅市況の低迷、南欧政府債務問題、中東の地政学的リスクなどは後退しているものの、ウクライナ情勢と、米国の金融緩和の終了による中国など新興国の景気減速がリスク要因です。また、中国の不動産バブルとシャドーバンキング問題も残っています。好材料としては、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和継続及び追加金融緩和余地、ECBによる金利引き下げ余地が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。日本市場は中期下降トレンドで、短期はもみ合いです
目先の日本市場の状況を分析すると、TPPの日米協議に振り回される展開でした。また、日米長期金利差は縮小傾向となり、為替は円高方向の動きとなりました。これらの影響で、日本市場は米国市場よりは戻りは鈍い状態です。ここからは、日経平均が200日線の上に早期に戻れるか否かを注目する必要があります。

先週の日経平均は、想定レンジを下ブレして、上値は想定ラインに250円程度届かず、下値は90円ほど下回りました。今週の日経平均は、上値が25日線+50円(現在14570円近辺)で、値がボリンジャーバンド-1σ(現在14220円近辺)の間での動き想定されます


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Friday, April 25, 2014

[2014/04/25]今後の日経平均の見通し

[市況]
24
日のNYDowは前日同値でNASDAQは上昇しました。25日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付き、午前中は90円安から150円高の範囲で上昇に転じる動きでした。午後は50円安まで下げる場面がありましたが、結局20円高で取引を終わりました。日経平均の終値は24円高の14429円で、出来高は20.55億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は480万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です
24
日の米国市場では、3月の耐久財受注額は市場予想以上となった一方、週間の新規失業保険申請件数は予想より増加するなど、まちまちの内容となったことや、四半期決算も強弱入り混じり、方向感のない相場となりました。
25日の日本市場では、TPPの日米協議が大筋合意に至らなかったのを受けて売りが先行しましたが、その後は重しが無くなったことで買い戻しが優勢になりました。午後は、週末を控えた利食い売りに押されて上げ幅を縮める動きとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-4.8%でマイナス幅は縮小しました。200日線との乖離率は-1.6%でマイナス幅は縮小しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の下に在りますが、9日線の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、9日線の上に在り、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)は、割安幅が0.3ポント拡大して、中長期的には日本市場が5.9ポイント(日経平均で850円程度)割安(弱い動き)となっています。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2015年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、中長期的に日本市場が米国市場に比べ 0.89イント(日経平均で2100円程度)割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況」、「米金融緩和縮小に伴う新興国市場の減速懸念」、「ウクライナ情勢を巡る地政学リスク」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の10-12月期のGDP確報値は2.6%となり改定値から0.2ポイント上方修正されました。10-12月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、3月の耐久財受注、4月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、3月の鉱工業生産指数、3月の小売売上高、4月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値、2月の製造業受注、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を上回りましたが、4月のNY連銀製造業景気指数、3月のISM非製造業景況指数、3月のISM製造業景況指数、3月のシカゴ購買部協会景気指数は予想以下でした。
3月の雇用統計は就業者数が前月比19.2万人増で、市場予測の20万人増をやや下回りました。失業率は先月の6.7%と同じでした。
一方、住宅関連では、3月の中古住宅販売件数は小幅減ながら予想以上でしたが、3月の新築住宅販売件数、3月の住宅着工件数、4月の住宅市場指数、2月の中古住宅販売仮契約指数は予想以下でした。1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で0.8%上昇し、市場予想の0.6%上昇を上回りました。24ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いていることを示しています。
目先の経済指標は強い物も出てきて、景気、雇用と住宅関連の回復は続いているとのコンセンサスは崩れていないようです。ただ、世界経済全体の先行き不透明感は残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しており、金融システム不安再燃への懸念は薄らいでいます。ただ、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされ、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響やEUのデフレが懸念されます。
欧米日の金融政策を分析すると、FRBは従来のガイダンスを止めてゼロ金利解除を検討する際の条件に関しては、労働市場やインフレ圧力など「幅広い指標を考慮する」との方針に変更しましたECBは問題が再燃すれば、無制限の国債買い入れをする意向であるとの立場を繰り返し表明し、短期金利の引き下げ余地があります。日銀は昨年1月に2%のインフレ目標設定とマネタリーベースが、年間約6070兆円に相当するペースで増加するよう調整するとの立場を継続し、追加緩和にも含みを持たせていますので、ドルは円に対して高くなり易い環境に変化はありません。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利のここ3日の推移は、0422 0.2286% 0423 0.2287% 0424 0.2278%となっています。過去23ヶ月は低下傾向で、目先はもみ合いです。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ3年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.1で、PBR1.31となっています。ROE9.3%と日本企業の今期業績は改善傾向です。

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今後の見通し]
日経平均は、NYDowに連動して小幅上昇しました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.0%となり、日経平均は150円の割安で、割安幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-280円 ~+90円の間で推移しています。日本市場は、短期的にドル・ベースでは米国市場に比べ、弱い動きが続いていますが、今日は弱い動きが減速しました。
一方、日本市場を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルにも割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。今日の長期金利差は2.06と縮小し、ドル円は、円高方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円高圧力が強まりつつあります。
テクニカルから見て、米国市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。一方、日経平均は中期下降トレンドで、短期はもみ合いです。
ファンダメンタル面では、中期的にウクライナ情勢の世界市場への影響はどうなるか、米金融緩和縮小は中国などの新興国経済にどの程度影響するか、新たな金融危機を誘発するか、その時期はいつか?などが、今後もリスク・シナリオとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は低水準で推移しています。これは、主要銀行の不良債権問題への懸念は後退し、先進国の金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利の目先は落ち着きつつありますが、引き続き中国のシャドーバンキング問題と不動産バブル崩壊に注意が必要です。また、世界景気の減速懸念は払拭出来ていない中、米国市場は雇用状況と住宅指標は改善傾向との基本認識は崩れておらず、FRBは米景気を改善傾向と判断し、短期金利の超低金利政策を当面継続するものの、量的緩和の縮小を続けるようです。中国を始め新興国市場への影響が懸念されます。目先の市場環境は、ウクライナ情勢緊迫に対するリスク回避の動きがくすぶる中、米国市場は目先戻り歩調です。このような相場環境の中、25日の米国市場では、4月のマークイットPMI速報値、4月のミシガン大学消費者信頼感確報値が注目されそうです。

今日の日経平均はほぼ想定した範囲内の動きとなり、下値は想定ラインに接近し、上値は想定ライン近辺となりました。目先の日経平均の想定範囲は、上値が25日線+50(現在14570円近辺)で、下値が ボリンジャーバンド-1σ+50(現在14270円近辺)の間での動きが想定されます


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