Wednesday, December 12, 2018

[2018/12/13]今後の日経平均の見通し

[市況]
1212日、NYDowNASDAQは上昇しました。1213日の日経平均先物は、前日比50円高で寄り付くと、午前中は23円高から190円高と上昇幅を拡げ、午後は215円高から150円高の間でもみあって、結局190円高で取引を終えました。日経平均の終値は213円高の21816円で、出来高は13.33億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

1212日の米国市場では、ファーウェイ幹部の保釈や、中国政府による「中国製造2025」の見直し、米国産大豆など農産物の輸入拡大、米国車の関税引き下げの検討など、米中貿易交渉の進展を期待させる報道が相次いだことから、中国売上高が大きい銘柄を中心に買いが広がりました。
1213日の日本市場では、米中貿易交渉の進展を期待した買いが優勢となりました。前日の米国市場が上昇したことや、上海や香港をはじめとするアジア市場が堅調に推移したことなども投資家心理を上向かせました。一方で、個人投資家の戻り待ちの売りが上値を抑えました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。
総合乖離率は-5.4%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-2.2%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にありますが、9日線を上回りました。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+3.4ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より740円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.53ポイント(日経平均で16490円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率3.5%増で、速報値の3.5%増と一致しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想と一致しました。一方、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面ではやや強気材料です。

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.5万人増で、市場予想の19.8万人増を下回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.3%を下回りました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面では強気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。10月の中古住宅販売件数、9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、10月の住宅着工件数は市場予想と一致しました。一方、10月の新築住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.15%で、市場予想の+5.20%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、127 2.7710% 1210 2.7759% 1211 2.7790%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181211日に記録した2.7790%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.2PBR1.12となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-2.1%で、これは3か月前より2.5ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYダウの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.8%で日経平均がNYダウより390円の割高であることを示しています。プレミアム値は、ここ一週間、-110円 から+390円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日米の長期金利の差は2.85ポイントから2.86ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げ打ち止め感がではじめました。目先の長期金利は上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

1213日の米国では、週間の新規失業保険申請件数やECB定例理事会のほか、アドビシステムズやコストコなどの四半期決算が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを160円ほど上回り、下値は想定ラインを320円ほど上回りました。目先の日経平均は、上値が25日線+200(現在22070円近辺)、下値がボリンジャーバンド-1σ+100(現在21610円近辺)と想定されます。



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Tuesday, December 11, 2018

[2018/12/12]今後の日経平均の見通し

[市況]
1211日、NYDowNASDAQは上昇しました。1212日の日経平均先物は、前日比220円高で寄り付くと、午前中は190円高から450円高と上昇幅を拡げ、午後は360円高から530円高と上昇幅を拡げて、結局530円高で取引を終えました。日経平均の終値は454円高の21602円で、出来高は14.80億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

1211日の米国市場では、トランプ大統領の前向きなツイートを受けて米中の貿易交渉が進んでいるとの期待感が広がり、NYDowは一時368ドル上昇しました。ただ、米中交渉は長期化が予想されるうえ、予算編成を巡るトランプ大統領と民主党の対立も伝わったため、積極的な買いは続きませんでした。
1212日の日本市場では、「カナダの裁判所が拘束中のファーウェイ幹部の保釈を認めた」との報道を受け、米中貿易摩擦の緩和を期待した買いが幅広い銘柄に広がりました。外国為替市場で円相場が1ドル113円台半ばまで下落したことも好感されました。日経平均は3営業日ぶりに急反発しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-8.4%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-3.1%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)も、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より2.0ポイント拡大して+3.4ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より730円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.58ポイント(日経平均で16510円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率3.5%増で、速報値の3.5%増と一致しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想と一致しました。一方、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面ではやや強気材料です。

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.5万人増で、市場予想の19.8万人増を下回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.3%を下回りました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面では強気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。10月の中古住宅販売件数、9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、10月の住宅着工件数は市場予想と一致しました。一方、10月の新築住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.15%で、市場予想の+5.20%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、126 2.7671% 127 2.7710% 1210 2.7759%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181210日に記録した2.7759%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.12PBR1.11となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-2.1%で、これは3か月前より2.6ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYダウの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.8%となり、日経平均は110円の割安から390円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-240円 から+390円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日米の長期金利の差は2.82ポイントから2.85ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げ打ち止め感がではじめました。目先の長期金利は上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

1212日の米国では、11月の消費者物価指数のほか、プログレッシブ・コープなどの四半期決算が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを210円ほど上回り、下値は想定ラインを260円ほど上回りました。目先の日経平均は、上値がボリンジャーバンド-1σ+200(現在21720円近辺)、下値がボリンジャーバンド-2σ+200(現在21360円近辺)と想定されます。



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Monday, December 10, 2018

[2018/12/11]今後の日経平均の見通し

[市況]
1210日、NYDowNASDAQは上昇しました。1211日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付くと、午前中は140円高から80円安の間でもみあい、午後は40円安から50円高の間でもみあって、結局10円安で取引を終えました。日経平均の終値は71円安の21148円で、出来高は14.76億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。

1210日の米国市場では、メイ英首相が議会で予定されていたEU離脱案の採決を見送ったことが嫌気され、売りが拡大しました。NYダウは一時500ドルあまり下落しましたが、アップルなど主力株の一角が持ち直すと、短期的な戻りを期待した買いが優勢となり、取引終了にかけて上昇に転じました。
1211日の日本市場では、米中貿易摩擦の激化が世界景気に悪影響を与えるとの懸念が引き続き重石となり、景気敏感株や中国関連株を中心に売りが優勢となりました。英議会でEU離脱案の採決が延期されたことも投資家心理を冷やしました。一方で、日経平均が節目の21000円に近付いていることもあり、下値を探る動きは限定的でした。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-14.7%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-5.2%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)も、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.0ポイント拡大して+1.4ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より300円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.69ポイント(日経平均で16590円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP改定値は前期比年率3.5%増で、速報値の3.5%増と一致しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のISM製造業景況指数、11月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高は市場予想を上回りました。また、11月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想と一致しました。一方、10月の製造業受注、11月のISM非製造業景況指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月の耐久財受注、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面ではやや強気材料です。

米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.5万人増で、市場予想の19.8万人増を下回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.3%を下回りました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面では強気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。10月の中古住宅販売件数、9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、10月の住宅着工件数は市場予想と一致しました。一方、10月の新築住宅販売件数、11月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。9月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.15%で、市場予想の+5.20%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、125 2.7657% 126 2.7671% 127 2.7710%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、2018127日に記録した2.7710%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER11.9PBR1.10となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。一方、今期予想利益の伸率は-2.1%で、これは3か月前より2.5ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYダウが上昇したにもかかわらず下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均は40円の割高から110円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-240円 から+110円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は2.81ポイントから2.82ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げ打ち止め感がではじめました。目先の長期金利は上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

1211日の米国では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを110円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど上回りました。目先の日経平均は、上値がボリンジャーバンド-1σ-100(現在21440円近辺)、下値がボリンジャーバンド-2σ-100(現在21090円近辺)と想定されます。



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