Friday, May 24, 2019

[2019/05/24]今後の日経平均の見通し

[市況]
523日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。524日の日経平均先物は、前日比240円安で寄り付くと、午前中は250円安から20円安と下げ幅を縮め、午後は120円安から20円高と上昇に転じて、結局は前日終値と同値で取引を終えました。日経平均の終値は33円安の21117円で、出来高は12.47億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

523日の米国市場では、米中の貿易交渉が行き詰まるとの懸念から、世界景気の先行き不透明感が広がり、指数は大幅下落しました。安全資産とされる米国債が買われ、長期金利は201711月以来の水準まで低下しました。
524日の日本市場では、前日の米株式相場の下落を受けて投資家のリスク回避姿勢が強まり、売りが先行しましたが、売り一巡後は徐々に買い戻される展開となりました。トランプ米大統領の「ファーウェイ問題を貿易協議に含めるかもしれない」旨の発言を受けて米中貿易摩擦への警戒感がやわらいだことや、日銀のETF買い観測などが支えとなりました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-7.4%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.2%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

NYDowは、200日線の上にありますが、25日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に出ました。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.6ポイント縮小して-4.7ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より990円ほど割安であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.56ポイント(日経平均で15420円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率3.2%増で、市場予想の2.5%増を上回りました13月期の米主要企業の決算は、貿易摩擦の影響を受けつつも、今のところ、おおむね良好です。

経済指標を見てみます。5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月のニューヨーク連銀製造業景気指数、3月の製造業受注、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、4月の鉱工業生産指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比263000人増で、市場予想の185000人増を上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.8%から低下しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数、3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、4月の新築住宅販売件数、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。また、2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+3.0%で、市場予想の+3.2%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では長短金利の逆転状態も見られ、これがどの程度続くかには注意が必要です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げを年内は見送る方針を示しています。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大するとしています。ただ、国債の買い取りを含む量的緩和政策は、2018年末で終了しました。一方、日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、520 2.5233% 521 2.5235% 522 2.5247%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向で、その後、上昇に転じています。直近は世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER11.8PBR1.06となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+3.3%で、こちらは3か月前より7.0ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落率ほどには下げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.5%となり、日経平均は270円の割安から100円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-270円 から+100円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安で、テクニカル面でも割安となっています。

日米の長期金利の差は2.43ポイントから2.40ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げには打ち止め感が出はじめました。目先の長期金利の上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBはマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は2018年末に終了しました。EUも金融正常化へ向かう様子です。

524日の米国市場では、4月の耐久財受注などが注目されるでしょう。引き続き、米中貿易摩擦に関する報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、ほぼ想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを190円ほど下回り、下値は想定ラインとほぼ一致しました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+100(現在21310円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+200(現在20930円近辺)が下値の目安になりそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Thursday, May 23, 2019

[2019/05/23]今後の日経平均の見通し

[市況]
522日、NYDowNASDAQは下落しました。523日の日経平均先物は、前日比90円安で寄り付くと、午前中は70円安から210円安の間でもみあい、午後は120円安から180円安の間でもみあって、結局180円安で取引を終えました。日経平均の終値は132円安の21151円で、出来高は11.55億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

522日の米国市場では、米中の貿易協議再開のメドが立たない中、企業業績への影響が懸念されて中国での売上高が大きいアップルとボーイングが売られ、NYDowの下げを主導しました。
523日の日本市場では、米政権によるファーウェイへの制裁をめぐる影響が広がる中、業績の先行き不透明感から半導体や電子部品株が売られ、相場を下押ししました。貿易をめぐる米中対立に解決の糸口が見当たらないことから、押し目買いの動きも限定的でした。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-7.0%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.1%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

NYDowは、9日線と200日線の上にありますが、25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.2ポイント拡大して-6.3ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より1330円ほど割安であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.58ポイント(日経平均で15630円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率3.2%増で、市場予想の2.5%増を上回りました13月期の米主要企業の決算は、貿易摩擦の影響を受けつつも、今のところ、おおむね良好です。

経済指標を見てみます。5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月のニューヨーク連銀製造業景気指数、3月の製造業受注、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、4月の鉱工業生産指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比263000人増で、市場予想の185000人増を上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.8%から低下しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数、3月の中古住宅販売仮契約指数、3月の新築住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。また、2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+3.0%で、市場予想の+3.2%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では長短金利の逆転状態も見られ、これがどの程度続くかには注意が必要です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げを年内は見送る方針を示しています。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大するとしています。ただ、国債の買い取りを含む量的緩和政策は、2018年末で終了しました。一方、日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、517 2.5218% 520 2.5233% 521 2.5235%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向で、その後、上昇に転じています。直近は世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER11.9PBR1.05となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+3.2%で、こちらは3か月前より6.9ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均の割安幅は190円から270円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-270円 から-20円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安で、テクニカル面でも割安となっています。

日米の長期金利の差は2.48ポイントから2.43ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げには打ち止め感が出はじめました。目先の長期金利の上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBはマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は2018年末に終了しました。EUも金融正常化へ向かう様子です。

523日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、4月の新築住宅販売件数のほか、ベスト・バイ、DXCテクノロジー、ヒューレット・パッカードなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、米中貿易摩擦に関する報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを240円ほど下回り、下値は想定ラインを90円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+100(現在21350円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+200(現在20990円近辺)が下値の目安になりそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Wednesday, May 22, 2019

[2019/05/22]今後の日経平均の見通し

[市況]
521日、NYDowNASDAQは上昇しました。522日の日経平均先物は、前日比140円高で寄り付くと、午前中は150円高から20円高の間でもみあい、午後は100円高から0円高と上昇幅を縮めて、結局30円高で取引を終えました。日経平均の終値は10円高の21283円で、出来高は12.03億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

521日の米国市場では、米政府が「ファーウェイへの輸出禁止について、一部の取引に猶予期間を設ける」と発表したことを受け、ザイリンクス、クアルコム、インテル、マイクロン・テクノロジーなど中国と取引がある米ハイテク企業を中心に幅広い銘柄が買われました。
522日の日本市場では、前日の米ハイテク株高が投資家心理を改善させ、買いが優勢となりました。ただ、貿易をめぐる米中対立への警戒感は根強く、積極的に上値を追う動きは限られました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-5.3%と前日よりマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-2.5%と前日よりマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

NYDowは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、9日線と25日線の下にありますが、200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.0ポイント拡大して-6.1ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より1300円ほど割安であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.56ポイント(日経平均で15800円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率3.2%増で、市場予想の2.5%増を上回りました13月期の米主要企業の決算は、貿易摩擦の影響を受けつつも、今のところ、おおむね良好です。

経済指標を見てみます。5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月のニューヨーク連銀製造業景気指数、3月の製造業受注、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、4月の鉱工業生産指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比263000人増で、市場予想の185000人増を上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.8%から低下しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数、3月の中古住宅販売仮契約指数、3月の新築住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、4月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。また、2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+3.0%で、市場予想の+3.2%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では長短金利の逆転状態も見られ、これがどの程度続くかには注意が必要です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げを年内は見送る方針を示しています。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大するとしています。ただ、国債の買い取りを含む量的緩和政策は、2018年末で終了しました。一方、日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、516 2.5196% 517 2.5218% 520 2.5233%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向で、その後、上昇に転じています。直近は世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.0PBR1.07となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.0%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+3.3%で、こちらは3か月前より7.3ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇率ほどには上げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%となり、日経平均の割安幅は30円から190円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-190円 から-20円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安で、テクニカル面でも割安となっています。

日米の長期金利の差は2.46ポイントから2.48ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げには打ち止め感が出はじめました。目先の長期金利の上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBはマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は2018年末に終了しました。EUも金融正常化へ向かう様子です。

522日の米国市場では、FOMC議事録のほか、ターゲット、アドバンス・オート・パーツ、ロウズ、ネットアップなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、米中貿易摩擦に関する報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを80円ほど下回り、下値は想定ラインを230円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200(現在21490円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+200(現在21040円近辺)が下値の目安になりそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート

Tuesday, May 21, 2019

[2019/05/21]今後の日経平均の見通し

[市況]
520日、NYDowNASDAQは下落しました。521日の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は160円安から30円安と下げ幅を縮め、午後は0円安から70円安の間でもみあって、結局60円安で取引を終えました。日経平均の終値は29円安の21272円で、出来高は12.55億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

520日の米国市場では、売りが優勢となりました。ファーウェイとの取引を事実上禁じる政府の措置に対応し、米企業が相次いで同社へのサービスや部品の供給を止めると伝わり、米中貿易摩擦加速への懸念が高まりました。
521日の日本市場では、米政府によるファーウェイへの制裁がもたらす悪影響が警戒され、スマートフォン部品を手がける銘柄に売りが膨らみ、相場を下押ししました。一方で、個人投資家の押し目買いや、上海市場の上昇が相場を支えました。日経平均はプラスに転じる場面もありましたが、結局は小幅に反落しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-5.5%と前日よりマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-2.6%と前日よりマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の中にあります。3つの要素のうち2つがマイナスであり、中期トレンドには黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

NYDowは、200日線の上にありますが、25日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.4ポイント縮小して-5.1ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より1080円ほど割安であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.54ポイント(日経平均で15640円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の13月期のGDP速報値は前期比年率3.2%増で、市場予想の2.5%増を上回りました13月期の米主要企業の決算は、貿易摩擦の影響を受けつつも、今のところ、おおむね良好です。

経済指標を見てみます。5月のミシガン大学消費者信頼感指数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月のニューヨーク連銀製造業景気指数、3月の製造業受注、4月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、4月の鉱工業生産指数、4月の小売売上高、4月のISM非製造業景況指数、4月のISM製造業景況指数、4月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の4月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比263000人増で、市場予想の185000人増を上回りました。また、失業率は3.6%で、先月の3.8%から低下しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。4月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数、3月の中古住宅販売仮契約指数、3月の新築住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、3月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。また、2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+3.0%で、市場予想の+3.2%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では長短金利の逆転状態も見られ、これがどの程度続くかには注意が必要です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げを年内は見送る方針を示しています。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大するとしています。ただ、国債の買い取りを含む量的緩和政策は、2018年末で終了しました。一方、日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、515 2.5251% 516 2.5196% 517 2.5218%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向で、その後、上昇に転じています。直近は世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.0PBR1.07となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.3ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+3.3%で、こちらは3か月前より7.4ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均の割安幅は20円から30円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-70円 から+100円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安で、テクニカル面でも割安となっています。

日米の長期金利の差は2.45ポイントから2.46ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均も、短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しているものの、利上げには打ち止め感が出はじめました。目先の長期金利の上昇にはブレーキがかかりつつあります。対ドルで円安が進みにくくなっています。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBはマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は2018年末に終了しました。EUも金融正常化へ向かう様子です。

521日の米国市場では、4月の中古住宅販売件数のほか、オートゾーン、コールズ、ホーム・デポ、ノードストロームなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、米中貿易摩擦に関する報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを200円ほど下回り、下値は想定ラインを90円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200(現在21520円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+200(現在21070円近辺)が下値の目安になりそうです。



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
右のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら世界の市場のリアルチャート