Tuesday, November 20, 2018

[2018/11/21]今後の日経平均の見通し

[市況]
1120日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。1121日の日経平均先物は、前日比340円安で寄り付くと、午前中は350円安から70円安と下げ幅を縮め、午後には20円高と一時上昇に転じて、結局20円安で取引を終えました。日経平均の終値は75円安の21507円で、出来高は13.93億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

1120日の米国市場では、原油相場が下落したことや、売上高が市場予想ほど伸びなかったディスカウントストア大手ターゲットが売られたこと、アップルの下落が止まらないことなどを受け、投資家心理が冷え込みました。NYDowの下げ幅は一時648ドル安に達しました。
1121日の日本市場では、前日の米国株安や原油安を受けて投資家心理が悪化し、幅広い銘柄に売りが先行しました。日経平均の下げ幅は一時300円を超えましたが、半導体株や食品株の一角などに押し目買いが入り、その後は底堅く推移しました。日銀のETF買いへの思惑や、上海市場が上昇したことなども相場を支えました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-10.3%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.6%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.3ポイント拡大して+4.6ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より990円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.65ポイント(日経平均で17190円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率3.5%増で、46月期の4.2%増から低下しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、9月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、9月の製造業受注、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のISM製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25万人増で、市場予想の20万人増を上回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.2%と一致しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、10月の住宅着工件数は市場予想と一致しました。一方、11月の住宅市場指数、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を下回りました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.5%で、市場予想の5.8%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面では強気材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、1115 2.6400% 1116 2.6445% 1119 2.6458%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181119日に記録した2.6458%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.2PBR1.13となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.3%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-2.0%で、これは3か月前より2.6ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落率ほどには下げませんでした。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.6%となり、日経平均は70円の割安から340円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-400円 から+340円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日米の長期金利の差は2.97ポイントから2.99ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。また、目先の長期金利は上昇傾向にあります。これは対ドルで円安要因です。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

1121日の米国市場では、10月の耐久財受注や、10月の中古住宅販売件数などが注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを160円ほど下回り、下値は想定ラインを60円ほど下回りました。目先の日経平均は、上値が25日線-200(現在21720円近辺)、下値がボリンジャーバンド-1σ-200(現在21300円近辺)と想定されます。



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Monday, November 19, 2018

[2018/11/20]今後の日経平均の見通し

[市況]
1119日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。1120日の日経平均先物は、前日比310円安で寄り付くと、午前中は330円安から150円安の間でもみあい、午後は190円安から320円安と下げ幅を拡げて、結局300円安で取引を終えました。日経平均の終値は238円安の21583円で、出来高は14.31億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

1119日の米国市場では、「アップルが新型iPhoneの全3モデルの発注を減らした」との報道を受けて同社株が大きく下げ、主力ハイテク株全般に売りが広がりました。また、インドネシア機墜落との関連が指摘されているボーイングが下落し、1銘柄でNYDow101ドルほど押し下げました。
1120日の日本市場では、前日の米ハイテク株安が投資家心理を冷やし、リスク回避の売りが優勢となりました。上海市場をはじめとするアジアの株式市場が軒並み下げたことも重石となりました。ただ、日経平均が心理的な節目の21500円に接近する場面では押し目買いが入り、相場の下値を支えました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-9.6%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.3%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、9日線の下にあり、25日線と200日線を下回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドも黄信号から赤信号に変わりました。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.8ポイント拡大して+3.3ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より710円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.66ポイント(日経平均で17210円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率3.5%増で、46月期の4.2%増から低下しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、9月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、9月の製造業受注、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のISM製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25万人増で、市場予想の20万人増を上回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.2%と一致しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。9月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。一方、11月の住宅市場指数、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数、9月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.5%で、市場予想の5.8%を下回りました。住宅関連の指標は15負で、景気面では弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面では強気材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、1114 2.6290% 1115 2.6400% 1116 2.6445%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181116日に記録した2.6445%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.1PBR1.12となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-1.9%で、これは3か月前より2.8ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.3%となり、日経平均の割安幅は200円から70円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-430円 から-70円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日米の長期金利の差は2.99ポイントから2.97ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的に下降トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。また、目先の長期金利は上昇傾向にあります。これは対ドルで円安要因です。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

1120日の米国市場では、10月の住宅着工件数のほか、GAP、コールズ、ターゲット、ベスト・バイ、ロウズなどの四半期決算が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを290円ほど下回り、下値は想定ラインとほぼ一致しました。目先の日経平均は、上値が25日線-200(現在21770円近辺)、下値がボリンジャーバンド-1σ-200(現在21330円近辺)と想定されます。



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Sunday, November 18, 2018

[2018/11/19]今後の日経平均の見通し

[市況]
1116日、NYDowNASDAQは上昇しました。1119日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付くと、午前中は0円高から200円高の間でもみあい、午後は90円高から190円高と上昇幅を拡げて、結局190円高で取引を終えました。日経平均の終値は140円高の21821円で、出来高は12.86億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

1116日の米国市場では、買いが優勢となりました。トランプ大統領が中国との貿易協議をめぐり「中国は取引をしたがっている」と述べたことが、中国製品に追加関税を課さない可能性が示唆されたと解釈され、貿易摩擦への懸念が後退しました。また、長期金利が低下したことも支援材料となりました。
1119日の日本市場では、米中貿易摩擦の緩和に対する期待感から、買いが優勢となりました。一方で、外国為替市場で円高ドル安が進んだことが警戒され、上値は限定的でした。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は-6.6%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-2.2%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。
NYDowは、9日線の下にありますが、200日線の上にあり、25日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.2ポイント拡大して+1.5ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より330円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2019年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.6ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて3.57ポイント(日経平均で17050円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の通商政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率3.5%増で、46月期の4.2%増から低下しました。また、79月期の米主要企業の決算には、貿易摩擦の影響が出始めています。

経済指標を見てみます。11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、9月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、9月の製造業受注、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、10月の鉱工業生産指数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月のISM製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利上げしやすくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25万人増で、市場予想の20万人増を上回りました。一方、失業率は3.7%で、先月の3.7%から横ばいでした。また、平均時給は+0.2%で、予想値の+0.2%と一致しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げしやすくなるという面では弱気材料です。

住宅関連の指標を見てみます。9月の中古住宅販売仮契約指数、10月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数、9月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.5%で、市場予想の5.8%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利上げしにくくなるという面では強気材料です。

全世界的に景気後退リスクは縮小しているようですが、先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は緩やかな上昇を続けています。金利は上昇傾向ですが、長短金利が縮小傾向にある点は要注意です。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.2%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20181月からは、買い入れ額は600億ユーロから300億ユーロ規模に減額され、年内に終了予定です。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、11142.6290% 1115 2.6400% 1116 2.6445%と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の201153日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っています。世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しており、金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181116日に記録した2.6445%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.3PBR1.14となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.3%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-1.9%で、これは3か月前より2.7ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.9%となり、日経平均の割安幅は400円から200円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-630円 から-140円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は3.01ポイントから2.99ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は、短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的・中期的に下降トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。また、目先の長期金利は上昇傾向にあります。これは対ドルで円安要因です。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、量的緩和は縮小されて年内で終了予定です。EUも金融正常化へ向かう様子です。

1119日の米国市場では、11月の住宅市場指数のほか、イントゥイットなどの四半期決算が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを60円ほど下回り、下値は想定ラインを210円ほど上回りました。目先の日経平均は、上値が25日線(現在22010円近辺)、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在21560円近辺)と想定されます。



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