Tuesday, August 11, 2020

[2020/08/11]今後の日経平均の見通し

[市況]
810日、NYDowNASDAQは上昇しました。811日の日経平均先物は、前日比150円高で寄り付くと、午前中は150円高から380円高と上げ幅を拡げ、午後は320円高から410円高の間でもみあって、結局380円高で取引を終えました。日経平均の終値は420円高の22750円で、出来高は16.27億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

810日の米国市場では、トランプ大統領が失業給付の増額を含む追加の経済対策の大統領令を発動したことから、景気に対する懸念が後退し、金融やエネルギーなど景気敏感株が買われました。一方で、半導体株の一角は売られました。NYDow7日続伸し、NASDAQは続落しました。
811日の日本市場では、財政出動への期待感から前日の米株式相場が上昇した流れが引き継がれ、景気敏感株を中心とした幅広い銘柄に買いが膨らみました。外国為替市場で円安ドル高が進んだことや、アジアの株高も投資家心理を支えました。日経平均は大幅に反発しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から青信号に変わりました。
総合乖離率は+9.1%と前週末よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+3.5%と前週末よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前週末より3.7ポイント縮小して-16.8となり、中長期的には日経平均がNASDAQより3820円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が2.4ポイント(日経平均換算で550円)割安となっています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差(1.5ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より0.81ポイント(日経平均換算で3260円)ほど割高となっています。

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率32.9%減で、市場予想の35.0%減ほどには悪化しませんでしたが、過去最大の落ち込みでした。一方、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては、市場の想定ほど悪化していません。

経済指標を見てみます。
7月のISM非製造業景況指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数、6月の耐久財受注、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の小売売上高、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は92負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

米国の7月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比176万人増で、市場予想の148万人増を上回りました。また、失業率は10.2%で、先月の11.1%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

米国の住宅関連の指標を見てみます。
6月の中古住宅販売仮契約指数、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、7月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.7%で、市場予想の+4.0%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBはゼロ金利政策を少なくとも2022年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ4か月は低下しています。直近では、85 0.2420 86 0.2432 87 0.2525と落ち着きつつあり、これはFRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER20.6PBR1.08となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.3%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は-13.8%で、こちらは3か月前より19.7ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.3%となり、日経平均の割安幅は730円から740円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-740円から-190円の間で推移しています。

日米の長期金利の差は0.52ポイントから0.56ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。
欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

811日の米国市場では、7月の生産者物価指数などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを120円ほど上回り、下値は想定ラインを470円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ(現在23060円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在22450円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Saturday, August 08, 2020

[2020/08/9]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、予想以上の経済指標の発表と大型ハイテク株の上昇で、株価指数は上昇しました。一方、中長期的には、新型肺炎拡大長期化による景気後退とハイ・イールド債のディフォルトなどによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また世界的な自国中心な政治状況から中国などの景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、中東、朝鮮半島やウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が0.72ポイント割高となっています。割高の要因はS&P500PER26.1に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER20.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。
これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに0.72ポイント縮小するか(日本が上方修正又は米国が下方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.6程度になるか、又は、日経平均が19500円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は2830円ほど割高です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2021GDP予測値(現在-0.5%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は住宅指標、四半期決算発表、7月消費者物価指数、7月の小売売上高などが注目されそうです。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。
   四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は5.3%となりました。3ヶ月前に比べて0.2ポイント悪化しています。また、利益伸び率は-13.8%3ヶ月前に比べて22.1ポイント改善しています。
   米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は 0.52%から0.56%と拡大して、為替は105台から106台で円安でした
   OECDの日米の2021年の実質GDP伸び率予測が発表されて、日本が-.0.5%で、米国は+1.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.4ポイント劣ります。
   75週は売り越しで、81週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。
5つのポイントのうち、①が強気材料で、②, ⑤が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に19.3ポイント(日経平均に勘算すると4310円程度)割安となっています。先週と比べ割安幅は拡大しました。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に2,9ポイント(日経平均に勘算すると660円程度)割高となっています。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+3.7%となり先週と比較してプラスに転換しました。200日移動平均線乖離率は+1.6%でプラスに転換しました。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。
日経平均は、25日線・9日線の下にありますので、短期トレンドは、"赤信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dowは、200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線・25日線・9日線の上にあります。一目均衡表の雲の上に在ります。
短期的には青信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、米国政治の不透明感、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大、世界的な長期金利低下傾向、原油相場の低迷、米企業業績の悪化、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

中国の不動産価格は大都市では横ばいですが設備過剰など中国全体の不良債権問題は解消していません。処理を急ぐと目先の市場下落を招き、先延ばしすると景気後退が長引く懸念があります。

また、直近のLIBOR金利は低下しつつありますが、3月は、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や2兆ドルの経済対策、トランプ大統領の政策期待。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債・12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策期待や、EU諸国の大規模経済対策とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです

先週の為替市場を分析すると、米国の長期金利は上昇し、日米長期金利差は拡大して、為替は円安方向に動きました。今週は105円台から107円台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

今週は、英国、ロシア、マレーシア、香港、台湾、シンガポールの第2四半期のGDPデータに加え、米国、中国、ユーロ圏、英国、インドの鉱工業生産、米国と中国の小売売上高が発表されます。


先週の日経平均は、想定レンジを上回りました。上値は想定ラインを410円ほど上回り、下値は想定ラインを320円ほど上回りしました。今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在22520円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在21990円近辺)の間での動きが想定されます。


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Friday, August 07, 2020

[2020/08/07]今後の日経平均の見通し

[市況]
86日、NYDowNASDAQは上昇しました。87日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付くと、午前中は30円高から150円安と下げに転じ、午後は200円安から50円安と下げ幅を縮めて、結局50円安で取引を終えました。日経平均の終値は88円安の22329円で、出来高は11.89億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

86日の米国市場では、アップルやマイクロソフトなど主力ハイテク株が買われ、相場を牽引しました。また、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、雇用への懸念がやや和らいだことも支えとなりました。NYDow5日続伸し、NASDAQ7日続伸しました。
87日の日本市場では、決算発表が相次ぐ中、業績がふるわなかった銘柄を中心に売りが優勢となりました。米国による中国IT企業への規制強化を受けて香港市場の関連銘柄が大きく下落したことから、国内の半導体株にも売りが広がり、相場の重石となりました。ただ、連休前とあって様子見ムードも強く、引けにかけて日経平均は下げ渋りました。

 [テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下にあり、9日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
総合乖離率は+3.7%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.6%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、29日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.4ポイント拡大して-20.5となり、中長期的には日経平均がNASDAQより4580円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が2.8ポイント(日経平均換算で630円)割安となっています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差(1.8ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より0.63ポイント(日経平均換算で1410円)ほど割高となっています。

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率32.9%減で、市場予想の35.0%減ほどには悪化しませんでしたが、過去最大の落ち込みでした。一方、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては、市場の想定ほど悪化していません。

経済指標を見てみます。
7月のISM非製造業景況指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数、6月の耐久財受注、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の小売売上高、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は92負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比480万人増で、市場予想の290万人増を上回りました。また、失業率は11.1%で、先月の13.3%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

米国の住宅関連の指標を見てみます。
6月の中古住宅販売仮契約指数、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、7月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.7%で、市場予想の+4.0%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBはゼロ金利政策を少なくとも2022年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ4か月は低下しています。直近では、83 0.2490 84 0.2485 85 0.2420と落ち着きつつあり、これはFRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.3PBR1.07となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.5%となり、これは3か月前より0.2ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-10.2%で、こちらは3か月前より22.1ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.2%となり、日経平均の割安幅は560円から730円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-730円から-60円の間で推移しています。

日米の長期金利の差は0.54ポイントから0.52ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は小動きでした。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。
欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

87日の米国市場では、7月の雇用統計が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを250円ほど下回り、下値は想定ラインを50円ほど上回りました。目先は、25日線+100円(現在22620円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在21990円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, August 05, 2020

[2020/08/06]今後の日経平均の見通し

[市況]
85日、NYDowNASDAQは上昇しました。86日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付くと、午前中は60円高から140円安の間で上下し、午後は70円安から170円安の間でもみあって、結局120円安で取引を終えました。日経平均の終値は96円安の22418円で、出来高は10.80億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

85日の米国市場では、7月のISM非製造業景況指数が市場予想に反して前月比で上昇したことや、新型コロナウイルスのワクチン開発の進展を示唆する報道が相次いだことなどが投資家心理を支え、買いが優勢となりました。NYDow4日続伸し、およそ2か月ぶりの高値で終えました。NASDAQは連日で過去最高値を更新しました。
86日の日本市場では、46月期の決算発表で業績の低迷が明らかになった銘柄を中心に売りが優勢となりました。また、米中対立への警戒感から香港株式相場が下落したことも投資家心理を冷やしました。日経平均は続落しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は、9日線の上にありますが、25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
総合乖離率は+5.2%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+2.0%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

NYDowは、29日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.9ポイント拡大して-19.1となり、中長期的には日経平均がNASDAQより4280円ほど割安であることを示しています。また、日経平均とNYDowとの比較では、日経平均が1.7ポイント(日経平均換算で380円)割安となっています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差(1.8ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より0.56ポイント(日経平均換算で2170円)ほど割高となっています。

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP速報値は前期比年率32.9%減で、市場予想の35.0%減ほどには悪化しませんでしたが、過去最大の落ち込みでした。一方、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては、市場の想定ほど悪化していません。

経済指標を見てみます。
7月のISM非製造業景況指数、6月の製造業受注、7月のISM製造業景況指数、7月のシカゴ購買部協会景気指数、6月の耐久財受注、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の小売売上高、7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、6月の鉱工業生産指数は市場予想を上回りました。一方、7月のミシガン大学消費者信頼感指数、7月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は92負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比480万人増で、市場予想の290万人増を上回りました。また、失業率は11.1%で、先月の13.3%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

米国の住宅関連の指標を見てみます。
6月の中古住宅販売仮契約指数、6月の新築住宅販売件数、6月の中古住宅販売件数、7月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、6月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、5月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.7%で、市場予想の+4.0%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBはゼロ金利政策を少なくとも2022年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ4か月は低下しています。直近では、731 0.2487 83 0.2490 84 0.2485と落ち着きつつあり、これはFRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER19.1PBR1.07となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE5.6%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。一方、今期予想利益の伸率は-8.9%で、こちらは3か月前より20.4ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.5%となり、日経平均の割安幅は190円から560円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-560円から-60円の間で推移しています。

日米の長期金利の差は0.52ポイントから0.54ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。
欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

86日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数のほか、イルミナなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを200円ほど下回り、下値は想定ラインを130円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-100円(現在22690円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-100円(現在22140円近辺)が下値の目安になりそうです。



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