Saturday, November 16, 2019

[2019/11/17]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、米中貿易協議進展への期待が株価指数の上昇をけん引しました。一方、中長期的には、米国政治の混乱FRBの利上げ、欧州政治の混乱、欧州の銀行の信用力不足と信用収縮懸念中国など新興国の景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念や、中東、朝鮮半島やウクライナの地政学的リスクに引き続き注意が必要です。

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2020年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が2.12ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER18.9に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER14.0との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。
これは、現在の日経平均の価格に対して、2020年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに2.1%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER19.9程度になる(今期業績が下方修正されるか、又は、日経平均が33090円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は9790円ほど割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2020GDP予測値(現在+0.68%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は住宅指標、四半期決算発表、FOMC議事録、11月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、が注目されそうです。NYDow25日線の上を維持できるか否かに注目したいと思います。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は4-6月期の決算発表に伴い、ROE予想値は8.1%3ヶ月前に比べて0.6ポイント悪化しています。また、今期業績予想の利益伸び率は-5.6%3ヶ月前に比べて6.0ポイント悪化しています。
   米国の長期金利は低下し、日米の金利差は 2.01%から1.92%と縮小して、為替は109円から108円台で円高方向の動きでした。
   OECDの日米の2020年の実質GDP伸び率予測が改定されて、日本が+0.61%で、米国は+2.28%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.67ポイント劣ります。
   112週は買い越しで、113週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち、①⑤が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.9ポイント(日経平均に勘算すると210円程度)割高となっています。先週と比べ割高幅は縮小しました。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+18.1%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+8.5%でプラス幅が縮小しました。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線の下にあります。短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dow200日線・25日線・9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線・25日線・9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。
短期的には青信号"で、中期的にも青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米企業業績の伸び悩み、信用収縮に伴う金融市場混乱、北朝鮮の問題、原油相場の低迷、ハイイールド債市場の下落、世界的な長期金利低下傾向、などの懸念は後退しているものの、米中貿易摩擦、米国政治の不透明感、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

中国の不動産価格は大都市では横ばいですが設備過剰など中国全体の不良債権問題は解消していません。処理を急ぐと目先の市場下落を招き、先延ばしすると景気後退が長引く懸念があります。

また、直近のLIBOR金利は低下傾向ですが、ここ5年は上昇を続け、世界全体の不良債務が増加を続けていることを暗示しており、金融不安再燃の可能性が意識されています。

一方、好材料としては米国の利下げ期待、トランプ大統領の政策期待、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と80兆の国債・6兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、長期金利操作と金融緩和の継続期間明確化やECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の再開表明などが揚げられます。

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期はみみあいです

先週の為替市場を分析すると、米国の長期金利は低下し、日米長期金利差は縮小して、為替は週間では円高方向に動きました。今週は109円台から107円台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。


先週の日経平均は、想定レンジを下回りました。上値は想定ラインを350円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど下回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在23890円近辺)で、下値は25日線(現在22780円近辺)の間での動き想定されます


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Thursday, November 14, 2019

[2019/11/15]今後の日経平均の見通し

[市況]
1114日、NYDowNASDAQは小幅下落しました。1115の日経平均先物は、前日比20円高で寄り付くと、午前中は0円高から280円高と上昇幅を拡げ、午後は260円高から170円高の間でもみあって、結局220円高で取引を終えました。日経平均の終値は161円高の23303円で、出来高は13.65億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

1114日の米国市場では、連日の株高を受けて高値警戒感が高まっており、売りに押される場面が目立ちました。また、IT大手のシスコシステムズが大幅に下落し、相場の重石となりました。ただ、米中貿易交渉の先行きを見極めたいとの思惑から、持ち高を一方向に傾ける取引は手控えられ、NYDowは上昇に転じる場面もありました。
1115日の日本市場では、米中貿易交渉の進展を示唆する米メディアの報道を受けて投資家の楽観姿勢が強まり、買いが優勢となりました。外国為替市場で円高ドル安が一服したことや、香港の株式相場が落ち着きを見せたことなども好感されました。日経平均は3日ぶりに反発しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。
総合乖離率は+18.1%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+8.5%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.9ポイント拡大して+1.6ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より370円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.7ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.05ポイント(日経平均で9380円程度)割安であることを示しています。日本市場は長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体へ与える影響」「中国の景気と、中国の景気が世界経済や金・穀物・原油価格へ与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率1.9%増で、予想値の1.6%増を上回りました。79月期の米主要企業の決算は、前年同期比-3.1%201646月期以来のマイナスとなっています。

経済指標を見てみます。
11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、9月の製造業受注、10月のISM製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の鉱工業生産指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は38負で、景気面では弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面では強気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比12.8万人増で、市場予想の8.9万人増を上回りました。一方、失業率は3.6%で、先月の3.5%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げしにくくなるという面では弱気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。
9月の中古住宅販売仮契約指数、10月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数、9月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.0%で、市場予想の+2.1%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面では強気材料です

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られます。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBは利下げを3度おこないました。市場の関心は、今後の利下げの頻度に移っています。ECB9月の定例理事会で、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を201911月から再開すると表明しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、20155月までの25か月は低下傾向にありましたが、その後は上昇に転じています。直近では、1111 1.9046% 1112 1.9092% 1113 1.9098%と推移しています。世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前(201153日)の0.346%201215日につけたピークの0.5825%を大きく上回り、また、米国債3か月物の1.56%をも上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.0PBR1.15となっています。79月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.2%となり、これは3か月前より0.6ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-5.4%で、こちらは3か月前より6.0ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.0%となり、日経平均の割安幅は230円から10円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円から+180円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は、1.95ポイントから1.93ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は市場予想を下回るものが目立ってきました。長期金利は下降に転じましたが、目先は一服しています。対ドルで円高傾向にありますが、直近は円安ぎみです。
欧州市場では、マイナス金利政策が続いています。ECBはこのところの景気後退懸念を受けて量的緩和の再開を決め、各国政府に財政政策をうながしています。

1115日の米国市場では、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高、10月の鉱工業生産指数などが注目されるでしょう。引き続き、貿易摩擦にまつわる報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、ほぼ想定範囲で推移しました。上値は想定ラインとほぼ一致し、下値は想定ラインを140円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100(現在23440円近辺)が上値の目安に、25日線+300(現在23080円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, November 13, 2019

[2019/11/14]今後の日経平均の見通し

[市況]
1113日、NYDowは上昇し、NASDAQは小幅下落しました。1114の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付くと、午前中は60円高から210円安と下げに転じ、午後は90円安から250円安の間でもみあって、結局180円安で取引を終えました。日経平均の終値は178円安の23141円で、出来高は14.00億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

1113日の米国市場では、パウエルFRB議長が議会証言で「物価上昇率が高まるより、低い物価上昇率が続くリスクの方が高い」と指摘したことで、低金利が続くとの見方が広がり、買い安心感につながりました。一方で、米中貿易協議の先行き不透明感が相場の重石となりました。
1114日の日本市場では、米中貿易協議の先行きや香港情勢への警戒感が重石となり、売りが優勢となりました。79月期のGDP速報値が市場予想を下回ったことや、日銀がETF買いを見送ったとの観測も投資家心理を悪化させました。日経平均は続落しました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線を下回りました。短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。
総合乖離率は+16.3%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+7.8%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.8ポイント縮小して+0.7ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より160円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.7ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.12ポイント(日経平均で9640円程度)割安であることを示しています。日本市場は長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体へ与える影響」「中国の景気と、中国の景気が世界経済や金・穀物・原油価格へ与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率1.9%増で、予想値の1.6%増を上回りました。79月期の米主要企業の決算は、今のところ、おおむね好調です。

経済指標を見てみます。
11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、9月の製造業受注、10月のISM製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の鉱工業生産指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は38負で、景気面では弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面では強気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比12.8万人増で、市場予想の8.9万人増を上回りました。一方、失業率は3.6%で、先月の3.5%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げしにくくなるという面では弱気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。
9月の中古住宅販売仮契約指数、10月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数、9月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.0%で、市場予想の+2.1%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面では強気材料です

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られます。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBは利下げを3度おこないました。市場の関心は、今後の利下げの頻度に移っています。ECB9月の定例理事会で、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を201911月から再開すると表明しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、20155月までの25か月は低下傾向にありましたが、その後は上昇に転じています。直近では、118 1.9006% 1111 1.9046% 1112 1.9092%と推移しています。世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前(201153日)の0.346%201215日につけたピークの0.5825%を大きく上回り、また、米国債3か月物の1.56%をも上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.9PBR1.14となっています。79月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.2%となり、これは3か月前より0.6ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-5.4%で、こちらは3か月前より6.0ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが上昇したにもかかわらず下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.0%となり、日経平均の割安幅は60円から230円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円から+180円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は、1.98ポイントから1.95ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均は、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は市場予想を下回るものが目立ってきました。長期金利は下降に転じましたが、目先は一服しています。対ドルで円高傾向にありますが、直近は円安ぎみです。
欧州市場では、マイナス金利政策が続いています。ECBはこのところの景気後退懸念を受けて量的緩和の再開を決め、各国政府に財政政策をうながしています。

1114日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数のほか、エヌビディアやウォルマートなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、貿易摩擦にまつわる報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲をやや下ぶれしました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを40円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在23300円近辺)が上値の目安に、25日線+200(現在22910円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Tuesday, November 12, 2019

[2019/11/13]今後の日経平均の見通し

[市況]
1112日、NYDowは前日比横ばいで、NASDAQは上昇しました。1113の日経平均先物は、前日比120円安で寄り付くと、午前中は100円安から290円安と下げ幅を拡げ、午後は190円安から260円安の間でもみあって、結局250円安で取引を終えました。日経平均の終値は200円安の23319円で、出来高は12.15億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

1112日の米国市場では、このところの連日の株高の反動で、目先の利益を確定する売りが広がりました。一方で、米中貿易協議進展を期待した買いも入るなど、売り買いが交錯しました。
1113日の日本市場では、トランプ大統領の講演での発言を受けて米中貿易協議進展への期待感がしぼんだことや、外国為替市場で円相場がやや強含んだことなどが重石となり、売りが優勢となりました。香港ハンセン指数が下落したことも投資家心理を冷やしました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+19.3%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+8.7%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.2ポイント縮小して+1.5ポイントとなり、中長期的には日本市場が米国市場より350円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.7ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.14ポイント(日経平均で9860円程度)割安であることを示しています。日本市場は長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体へ与える影響」「中国の景気と、中国の景気が世界経済や金・穀物・原油価格へ与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の79月期のGDP速報値は前期比年率1.9%増で、予想値の1.6%増を上回りました。79月期の米主要企業の決算は、今のところ、おおむね好調です。

経済指標を見てみます。
11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM非製造業景況指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を上回りました。一方、9月の製造業受注、10月のISM製造業景況指数、10月のシカゴ購買部協会景気指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の鉱工業生産指数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の小売売上高は市場予想を下回りました。経済指標は38負で、景気面では弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面では強気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比12.8万人増で、市場予想の8.9万人増を上回りました。一方、失業率は3.6%で、先月の3.5%から悪化しました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げしにくくなるという面では弱気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。
9月の中古住宅販売仮契約指数、10月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数、9月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.0%で、市場予想の+2.1%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面では強気材料です

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られます。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBは利下げを3度おこないました。市場の関心は、今後の利下げの頻度に移っています。ECB9月の定例理事会で、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を201911月から再開すると表明しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、20155月までの25か月は低下傾向にありましたが、その後は上昇に転じています。直近では、117 1.9013% 118 1.9006% 1111 1.9046%%と推移しています。世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前(201153日)の0.346%201215日につけたピークの0.5825%を大きく上回り、また、米国債3か月物の1.57%をも上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER13.9PBR1.15となっています。79月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.3%となり、これは3か月前より0.5ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-5.0%で、こちらは3か月前より5.8ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
12日のNYDowは前日比横ばいでしたが、きょうの日経平均は下落しました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均は180円の割高から60円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-60円から+320円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は、1.98ポイントから1.98ポイントと横ばいでしたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的に上昇トレンドです。日経平均も、短期的・中期的に上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は市場予想を下回るものが目立ってきました。長期金利は下降に転じましたが、目先は一服しています。対ドルで円高傾向にありますが、直近は円安ぎみです。
欧州市場では、マイナス金利政策が続いています。ECBはこのところの景気後退懸念を受けて量的緩和の再開を決め、各国政府に財政政策をうながしています。

1113日の米国市場では、10月の消費者物価指数やパウエルFRB議長の議会証言のほか、シスコシステムズなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、貿易摩擦にまつわる報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲をやや下ぶれしました。上値は想定ラインを270円ほど下回り、下値は想定ラインを10円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ-400(現在23520円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド+1σ-200(現在23080円近辺)が下値の目安になりそうです。



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