Saturday, October 12, 2019

[2019/10/13]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場では、米中の貿易協議で両国が歩み寄るとの期待から、買いが優勢となりました。一方、中長期的には、米国政治の混乱FRBの利上げ、欧州政治の混乱、欧州の銀行の信用力不足と信用収縮懸念中国など新興国の景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念や、中東、朝鮮半島やウクライナの地政学的リスクに引き続き注意が必要です。

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2020年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が2.67ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER17.8に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER12.4との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。
これは、現在の日経平均の価格に対して、2020年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに2.7%分拡がる(日本が下方修正又は米国が上方修正される)か、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER18.6程度になる(今期業績が下方修正されるか、又は、日経平均が32630円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は10830円ほど割安です。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大と一段の円安、
OECDによる日本の2020GDP予測値(現在+0.68%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。今週は住宅指標、四半期決算発表、10月のニューヨーク連銀景気指数、9月の小売売上高、が注目されそうです。NYDow25日線の上に戻れるか否かに注目したいと思います。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は4-6月期の決算発表に伴い、ROE予想値は8.8%3ヶ月前に比べて0.2ポイント悪化しています。また、今期業績予想の利益伸び率は+0.2%3ヶ月前に比べて2.9ポイント悪化しています。
   米国の長期金利は上昇し、日米の金利差は 1.75%から1.92%と拡大して、為替は106円台から108円台で円安方向の動きでした。
   OECDの日米の2020年の実質GDP伸び率予測が改定されて、日本が+0.61%で、米国は+2.28%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.67ポイント劣ります。
   101週は買い越しで、102週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうち、①③⑤が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に0.6ポイント(日経平均に勘算すると130円程度)割安となっています。先週と比べ割安に変わりました。

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+5.6%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は+2.8%でプラス幅が拡大しました。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。
日経平均は、25日線と9日線の上に在ります。短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dow200日線の上にありますが、25日線と9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaq200日線と9日線の上にありますが、25日線の下に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。
短期的には黄信号"で、中期的にも黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米企業業績の伸び悩み、信用収縮に伴う金融市場混乱、北朝鮮の問題、原油相場の低迷、ハイイールド債市場の下落、世界的な長期金利低下傾向、などの懸念は後退しているものの、米中貿易摩擦、米国政治の不透明感、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

中国の不動産価格は大都市では横ばいですが設備過剰など中国全体の不良債権問題は解消していません。処理を急ぐと目先の市場下落を招き、先延ばしすると景気後退が長引く懸念があります。

また、直近のLIBOR金利は低下傾向ですが、ここ5年は上昇を続け、世界全体の不良債務が増加を続けていることを暗示しており、金融不安再燃の可能性が意識されています。

一方、好材料としては米国の利下げ期待、トランプ大統領の政策期待、日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と80兆の国債・6兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、長期金利操作と金融緩和の継続期間明確化やECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の再開表明などが揚げられます。

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです

先週の為替市場を分析すると、米国の長期金利は上昇し、日米長期金利差は拡大して、為替は週間で円安方向でした。今週は108円台から107円台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。


先週の日経平均は、想定レンジ内でした。上値は想定ラインを180円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど上回りました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在22300円近辺)で、下値は25日線(現在21700円近辺)の間での動き想定されます


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Friday, October 11, 2019

[2019/10/11]今後の日経平均の見通し

[市況]
1010日、NYDowNASDAQは上昇しました。1011日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付くと、午前中は150円高から250円高と上げ幅を拡げ、午後は230円高から290円高の間でもみあって、結局280円高で取引を終えました。日経平均の終値は246円高の21798円で、出来高は11.97億株と比較的低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、やや「売り」が有利の状態です。

1010日の米国市場では、トランプ大統領が「中国の副首相と11日ホワイトハウスで会う」とツイッターに投稿したことで、米中の貿易協議で両国が歩み寄るとの期待感が高まり、買いが優勢となりました。
1011日の日本市場では、米中貿易協議が進展するとの期待感から前日の米株式相場が上昇したことが好感され、景気敏感株を中心とした幅広い銘柄に買いが入りました。外国為替市場で円相場が円安ドル高方向に推移したことや、香港株が大幅上昇したことなども投資家心理を上向かせました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から青信号に変わりました。
総合乖離率は+5.6%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+2.8%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。

NYDowは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に出ました。NASDAQも、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.7ポイント拡大して+0.7%となり、中長期的には日本市場が米国市場より150円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.7ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.56ポイント(日経平均で10130円程度)割安であることを示しています。日本市場は長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱や米中貿易摩擦など、トランプ政権の通商政策が金融市場全体へ与える影響」「中国の景気と、中国の景気が世界経済や金・穀物・原油価格へ与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率2.0%増で、改定値の2.0%増と一致しました。46月期の米主要企業の決算は、おおむね市場予想を上回っていますが、貿易摩擦の影響を受けて伸び率は低水準でした。

経済指標を見てみます。
8月の製造業受注、8月の耐久財受注、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数、8月の小売売上高、9月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、9月のISM非製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利下げしにくくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.6万人増で、市場予想の14.5万人増を下回りました。また、失業率は3.5%で、先月の3.7%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面ではやや強気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。
8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.0%で、市場予想の+2.1%を下回り、前月の伸び率を下回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げしにくくなるという面では弱気材料です

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られます。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBは利下げを2度おこないました。市場の関心は、今後の利下げの頻度に移っています。ECB9月の定例理事会で、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を201911月から再開することを表明しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、20155月までの25か月は低下傾向にありましたが、その後は上昇に転じています。直近では、107 2.0120% 108 2.0095% 109 1.9842%と推移しています。世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前(201153日)の0.346%201215日につけたピークの0.5825%を大きく上回り、また、米国債3か月物の1.66%をも上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.4PBR1.08となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+0.4%で、こちらは3か月前より2.9ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.3%となり、日経平均の割高幅は240円から280円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+90円から+380円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は、1.79ポイントから1.85ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標はさほど悪化していません。長期金利は下降に転じましたが、目先は一服しています。対ドルで円高傾向にありますが、直近は円安ぎみです。
欧州市場では、マイナス金利政策が続いています。ECBはこのところの景気後退懸念を受けて量的緩和の再開を決め、各国政府に財政政策をうながしています。

1011日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、金利の推移や貿易摩擦にまつわる報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲をやや上ぶれしました。上値は想定ラインを20円ほど上回り、下値は想定ラインを260円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在22000円近辺)が上値の目安に、25日線-100(現在21600円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Thursday, October 10, 2019

[2019/10/10]今後の日経平均の見通し

[市況]
109日、NYDowNASDAQは上昇しました。1010日の日経平均先物は、前日比40円安で寄り付くと、午前中は140円安から160円高と上昇に転じ、午後は30円高から100円高の間でもみあって、結局80円高で取引を終えました。日経平均の終値は95円高の21551円で、出来高は10.69億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

109日の米国市場では、「中国が大豆など米国産農産物の購入を拡大するのと引き換えに、制裁関税の一部を撤回する部分合意を米国に求めている」との報道を受け、米中協議進展への期待が高まり、中国売上高比率の高い銘柄や大型ハイテク株を中心とした幅広い銘柄で買いが優勢となりました。
1010日の日本市場では、米中貿易協議の先行きに対する懸念から売りが優勢となる場面もありましたが、協議の進展を伝えるニュースが届くと、先物主導で持ち直す展開となりました。午後は投資家の様子見姿勢が強まり、膠着した相場となりました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は+2.4%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+1.6%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中に戻りました。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.5ポイント縮小して+0.0%となり、中長期的には日本市場と米国市場が均衡していることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.7ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.57ポイント(日経平均で9970円程度)割安であることを示しています。日本市場は長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱や米中貿易摩擦など、トランプ政権の通商政策が金融市場全体へ与える影響」「中国の景気と、中国の景気が世界経済や金・穀物・原油価格へ与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率2.0%増で、改定値の2.0%増と一致しました。46月期の米主要企業の決算は、おおむね市場予想を上回っていますが、貿易摩擦の影響を受けて伸び率は低水準でした。

経済指標を見てみます。
8月の製造業受注、8月の耐久財受注、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数、8月の小売売上高、9月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、9月のISM非製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利下げしにくくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.6万人増で、市場予想の14.5万人増を下回りました。また、失業率は3.5%で、先月の3.7%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面ではやや強気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。
8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.0%で、市場予想の+2.1%を下回り、前月の伸び率を下回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げしにくくなるという面では弱気材料です

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られます。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBは利下げを2度おこないました。市場の関心は、今後の利下げの頻度に移っています。ECB9月の定例理事会で、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を201911月から再開することを表明しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、20155月までの25か月は低下傾向にありましたが、その後は上昇に転じています。直近では、104 2.0270% 107 2.0120% 108 2.0095%と推移しています。世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前(201153日)の0.346%201215日につけたピークの0.5825%を大きく上回り、また、米国債3か月物の1.67%をも上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.3PBR1.07となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.7%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+0.5%で、こちらは3か月前より2.7ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.1%となり、日経平均の割高幅は380円から240円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+90円から+380円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではほぼ均衡しています。

日米の長期金利の差は、1.75ポイントから1.79ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標はさほど悪化していません。長期金利は下降に転じましたが、目先は一服しています。対ドルで円高傾向にありますが、直近は円安ぎみです。
欧州市場では、マイナス金利政策が続いています。ECBはこのところの景気後退懸念を受けて量的緩和の再開を決め、各国政府に財政政策をうながしています。

1010日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、9月の消費者物価指数のほか、デルタ航空などの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、金利の推移や貿易摩擦にまつわる報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを50円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど上回りました。目先は、25日線+100(現在21750円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在21290円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Wednesday, October 09, 2019

[2019/10/09]今後の日経平均の見通し

[市況]
108日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。109日の日経平均先物は、前日比250円安で寄り付くと、午前中は270円安から170円安と下げ幅を縮め、午後は170円安から210円安の間でもみあって、結局180円安で取引を終えました。日経平均の終値は131円安の21456円で、出来高は10.45億株と低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

108日の米国市場では、商務省が、中国でウイグル族への弾圧がおこなわれていることを理由に、中国企業に対する新たな禁輸措置を発表したことや、中国の複数の政府高官に対するビザ発給を制限する方針を示したことが、米中貿易協議に悪影響をもたらすとして嫌気されました。また、中国も対抗措置を取る姿勢を示すと、報復合戦につながるとの警戒感が高まりました。株価指数は大幅に下落しました。
109日の日本市場では、米中関係悪化を背景に前日の米株式相場が下落したことが嫌気され、幅広い銘柄にリスク回避目的の売りが膨らみました。一方で、日銀によるETF買い観測が相場を支えました。米中閣僚級協議のゆくえを見極めたいとの思惑から、午後は膠着した相場となりました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線の下にあり、25日線を下回りました。短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。
総合乖離率は+1.2%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+1.2%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線を下回りました。

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の下に抜けました。NASDAQは、200日線の上にありますが、25日線の下にあり、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の下に抜けました。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドには黄信号が点灯しています。

日米市場(日経平均とNASDAQ)200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.5ポイントとプラスに転換し、中長期的には日本市場が米国市場より110円ほど割高であることを示しています

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2020年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.7ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.58ポイント(日経平均で9900円程度)割安であることを示しています。日本市場は長期的には大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱や米中貿易摩擦など、トランプ政権の通商政策が金融市場全体へ与える影響」「中国の景気と、中国の景気が世界経済や金・穀物・原油価格へ与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率2.0%増で、改定値の2.0%増と一致しました。46月期の米主要企業の決算は、おおむね市場予想を上回っていますが、貿易摩擦の影響を受けて伸び率は低水準でした。

経済指標を見てみます。
8月の製造業受注、8月の耐久財受注、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の鉱工業生産指数、8月の小売売上高、9月のミシガン大学消費者信頼感指数は市場予想を上回りました。一方、9月のISM非製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、利下げしにくくなるという面ではやや弱気材料です。

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比13.6万人増で、市場予想の14.5万人増を下回りました。また、失業率は3.5%で、先月の3.7%から改善されました。雇用は、景気面ではやや弱気材料ですが、利下げしやすくなるという面ではやや強気材料です。

米国の住宅関連の指標を見てみます。
8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数、8月の中古住宅販売件数、8月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+2.0%で、市場予想の+2.1%を下回り、前月の伸び率を下回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、利下げしにくくなるという面では弱気材料です

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られます。

欧米日の金融政策をまとめてみます。
FRBは利下げを2度おこないました。市場の関心は、今後の利下げの頻度に移っています。ECB9月の定例理事会で、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%まで拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を201911月から再開することを表明しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日からはマネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整するとし、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、20155月までの25か月は低下傾向にありましたが、その後は上昇に転じています。直近では、103 2.0431% 104 2.0270% 107 2.0120%と推移しています。世界的な短期金利の低下にともない、上昇は一服していますが、ギリシャ財政危機直前(201153日)の0.346%201215日につけたピークの0.5825%を大きく上回り、また、米国債3か月物の1.74%をも上回っており、世界的に債務が大きく膨らんでいることを暗示しています。金融システム危機はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER12.2PBR1.07となっています。13月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+0.6%で、こちらは3か月前より2.7ポイント悪化しています。

[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.8%となり、日経平均の割高幅は280円から380円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+90円から+390円の間で推移しています。
また、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日米の長期金利の差は、1.80ポイントから1.75ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。
LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム危機への懸念があることを示しています。欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標はさほど悪化していません。長期金利は下降に転じましたが、目先は一服しています。対ドルで円高傾向にありますが、直近は円安ぎみです。
欧州市場では、マイナス金利政策が続いています。ECBはこのところの景気後退懸念を受けて量的緩和の再開を決め、各国政府に財政政策をうながしています。

108日の米国市場では、FOMC議事録などが注目されるでしょう。引き続き、金利の推移や貿易摩擦にまつわる報道も株式相場に影響を与えそうです。

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを350円ほど下回り、下値は想定ラインを40円ほど下回りました。目先は、25日線(現在21610円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在21200円近辺)が下値の目安になりそうです。



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