Thursday, November 16, 2017

[2017/11/17]今後の日経平均の見通し

[市況]
1116日のNYDowNASDAQは上昇しました。1117日の日経平均先物は、前日比180円高で寄り付くと、午前中は360円高から50円安と下げに転じ、午後は110円高から90円安の間でもみあって、結局40円高で取引を終えました。日経平均の終値は45円高の22396で、出来高は19.80億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、970万株の買い越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1116日の米国市場では、海外市場や原油相場が持ち直したことが好感され、買いが優勢となりました。四半期決算が市場予想を上回った小売りのウォルマート・ストアーズが急伸し、1銘柄でNYDow70ドル近く押し上げました。
1117日の日本市場では、欧米の株高を受けて買いが先行しました。しかしその後、外国為替市場で円高ドル安が進むと、輸出関連株を中心に売られる展開となり、日経平均は急速に伸び悩みました。午後は積極的な売買は控えられ、日経平均は小動きでした。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+22.4%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+12.3%とプラス幅を拡げました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

NYDowは、9日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が、中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)3.2ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より720円ほど割高であることを示しています(前日比1.2ポイント縮小)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.52ポイント(日経平均で13360円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月の鉱工業生産、10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財は市場予想を上回りました。一方、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は74負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、11月の住宅市場指数、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気面では中立です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1113 1.4158 1114 1.4189 1115 1.4219 と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171115日に記録した1.4219%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.8PBR1.31となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+12.6%で、こちらは3か月前より6.9ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%となり、日経平均の割高幅は440円から380円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 から+440円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.31ポイントから2.33ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は円高方向に推移しました。直近の米国の長期金利は上昇し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的はもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1117日の米国市場では、10月の住宅着工件数などが注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを260円ほど上回り、下値は想定ラインの近辺で、60円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ+100(現在22690円近辺)、下値が25日線+200(現在22260円近辺)と想定されます。



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Wednesday, November 15, 2017

[2017/11/16]今後の日経平均の見通し

[市況]
1115日のNYDowNASDAQは下落しました。1116日の日経平均先物は、前日比10円安で寄り付き、午前中は60円安から190円高と上げに転じ、午後には390円高まで上げ幅を拡げて、結局370円高で取引を終えました。日経平均の終値は322円高の22351で、出来高は17.74億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、210万株の売り越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1115日の米国市場では、決算発表シーズンがほぼ終わり、材料出尽く感がある中、世界的な株安や原油相場の下落を受け、利益確定売りに押されました。
1116日の日本市場では、日経平均が25日移動平均近辺まで下げ、高値警戒感を背景とした売りが一巡したとの見方が広がり、自律反発の動きとなりました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+22.2%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+12.2%とプラス幅を拡げました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線の下に在り25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が、中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)4.4ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より960円ほど割高であることを示しています(前日比2.2ポイント拡大)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.59ポイント(日経平均で13510円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月の小売売上高、10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数は市場予想を上回りました。また、9月の鉱工業生産は市場予想とほぼ一致しました。一方、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は83負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面ではやや弱気材料です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1110 1.4128 1113 1.4158 1114 1.4189 と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171114日に記録した1.4189%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.7PBR1.30となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前と同水準です。また、今期予想利益の伸率は+12.6%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落にも拘わらず上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.0%となり、日経平均は40円の割安から440円の割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 から+440円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.32ポイントから2.35ポイントに拡大し、ドル円相場は円安方向に推移しました。直近の米国の長期金利は上昇し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的はもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1116日の米国市場では、週間新規失業保険申請件数、11月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、10月の鉱工業生産、11月のNAHB住宅市場指数やウォルマート・ストアーズ、ベストバイ、ギャップ、アプライド・マテリアルズなどの四半期決算が注目されるでしょう。


今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを120円ほど上回り、下値は想定ライン近辺で70円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ-100(現在22470円近辺)、下値が25日線+200(現在22200円近辺)と想定されます。


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Tuesday, November 14, 2017

[2017/11/15]今後の日経平均の見通し

[市況]
1114日のNYDowNASDAQは下落しました。1115日の日経平均先物は、前日比150円安で寄り付き、午前中は110円安から290円安と下げ幅を拡げ、午後には420円安まで下げ幅を拡げて、結局390円安で取引を終えました。日経平均の終値は351円安の22028で、出来高は21.59億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、140万株の売り越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1114日の米国市場では、税制改革の先行き不透明感や、中国の低調な経済統計、原油安などの悪材料が重石となり、売りが優勢となりました。
1115日の日本市場では、米国市場の下落や円相場の上昇を受けて売りが先行しました。取引開始前に発表された7月~9月期のGDPが市場予想を下回ったことも重石となりました。午後も利益確定の売りが優勢となり、日経平均は今日の安値圏で引けました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+18.1%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+10.6%とプラス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が、中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)2.2ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より480円ほど割高であることを示しています(前日比1.5ポイント縮小)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.63ポイント(日経平均で13640円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景気指数は市場予想を上回りました。また、9月の鉱工業生産、9月の小売売上高は市場予想とほぼ一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は92負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面ではやや弱気材料です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1109 1.4128% 1110 1.4128% 1113 1.4158% と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171113日に記録した1.4158%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.5PBR1.29となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+12.2%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.2%となり、日経平均は260円の割高から40円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-40円 から+720円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面ではやや割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.36ポイントから2.32ポイントに縮小し、ドル円相場は円高方向に推移しました。直近の米国の長期金利は低下し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的はもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1116日の米国市場では、10月の消費者物価指数や、11月のニューヨーク連銀製造業景気指数、10月の小売売上高のほか、シスコシステムズ、ターゲットなどの四半期決算が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを340円ほど下回り、下値は想定ラインを240円ほど下回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ-300(現在22250円近辺)、下値が25日線-100(現在21840円近辺)と想定されます。



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Monday, November 13, 2017

[2017/11/14]今後の日経平均の見通し

[市況]
1113日のNYDowNASDAQは小幅上昇しました。1114日の日経平均先物は、前日比130円高で寄り付くと、午前中は50円高から270円高まで上げ幅を拡げ、午後は50円高まで下げ幅を縮め、結局150円高で取引を終えました。日経平均の終値は1円安の22380で、出来高は17.35億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、20万株の買い越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1113日の米国市場では、事業売却を進める方針を示したGEが急落したため上値は重かったものの、出遅れ感の強い銘柄を中心に押し目買いが入り、株価指数は3日ぶりに反発しました。
1114日の日本市場では、午前中は短期的な調整が一巡したとみた投資家が半導体関連株に押し目買いを入れ、小高く推移しましたが、引けにかけて小型株が売られ、下げに転じて引けました。

 [テクニカル視点]
日経平均は25日線の上にありますが、9日線の下にあり、短期トレンドには黄信号が点灯しています。総合乖離率は+23.6%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+12.5%とプラス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)3.7ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より830円ほど割高であることを示しています(前日比0.1ポイント縮小)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.57ポイント(日経平均で13680円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ政権の政策の金融市場全体への影響」「中国の景気と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景気指数は市場予想を上回りました。また、9月の鉱工業生産、9月の小売売上高は市場予想とほぼ一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は92負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面ではやや弱気材料です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1108 1.4098% 1109 1.4128% 1110 1.4128%  と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171109日に記録した1.4128%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.8PBR1.31となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+12.2%で、こちらは3か月前より6.4ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの小動きと連動して小幅に下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均の割高幅は180円から260円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、+180円 から+780円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.34ポイントから2.36ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は小動きでした。直近の米国の長期金利は上昇し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみ合いで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的はもみ合いで、中期的には上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1114日の米国市場では、重要な経済指標の発表はありません。ホーム・デポの四半期決算などの個別の材料が注目されるでしょう。


今日の日経平均は、想定範囲内の動きでした。上値は想定ラインを210円ほど下回り、下値は想定ラインの近辺で、80円ほど上回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ+100(現在226400円近辺)、下値がボリンジャーバンド+1σ-300(現在22240円近辺)と想定されます。

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Sunday, November 12, 2017

[2017/11/13]今後の日経平均の見通し

[市況]
1110日のNYDowは下落し、NASDAQは小幅上昇しました。1113日の日経平均先物は、前日比30円高で寄り付くと、午前中は110円高から50円安の間でもみ合い、午後は50円高から250円安と下げに転じて、結局240円安で取引を終えました。日経平均の終値は300円安の22380で、出来高は15.66億株と高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、220万株の買い越しでした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です。

1110日の米国市場では、議会で税制改革の審議が難航するとの警戒感から、売りが続きました。ただ、決算発表が終盤を迎え、主要企業の業績が総じて良好だったこともあり、下落幅は限定的でした。
1113日の日本市場では、相場が短期的な調整局面にあるとの見方から、利益確定の売りが優勢となりました。業績を期待できる銘柄への買いや、日銀のETF買い観測などが下値を支えましたが、引けにかけては急速に売られる展開となりました。日経平均は4日続落となりました。

 [テクニカル視点]
日経平均は9日線と25日線の上にあり、短期トレンドには青信号が点灯しています。総合乖離率は+24.2%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+12.6%とプラス幅を縮めました。日経平均は一目均衡表の雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
一方、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下にあります。

NYDowは、25日線と200日線の上にありますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差(日経平均とNASDAQ)3.8ポイントで、中長期的には日本市場が米国市場より850円ほど割高であることを示しています(前日比1.5ポイント縮小)。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、今年6月に更新されたOECD2018年予想実質GDP伸び率の日米差(-1.4ポイント)や金利差、予想PERを考慮すると、ファンダメンタル面では中長期的に日本市場が米国市場に比べて2.52ポイント(日経平均で13370円程度)割安であることを示しています。日本市場の割安感は日米の金利差と今期予想増益率差によるもので、長期的には、大幅に割安です。

市場は現在、「英国のEU離脱やトランプ大統領選出の金融市場全体への影響」「中国の景気後退と世界経済や金・穀物・原油価格への影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否」「米国の景気、雇用状況、住宅市況」「米国の利上げに伴う新興国市場の減速懸念」「中東やウクライナ情勢を巡る地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

米国の7月~9月期のGDP速報値は前期比年率3.0%増で、予想2.6%増を上回りました。7月~9月期の米主要企業の決算は、概ね良好です。

経済指標を見てみます。10月のISM非製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業受注、10月のシカゴ購買部協会景気指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、10月のニューヨーク連銀製造業景気指数は市場予想を上回りました。また、9月の鉱工業生産、9月の小売売上高は市場予想とほぼ一致しました。一方、11月のミシガン大学消費者信頼感指数、10月のISM製造業景況指数は予想を下回りました。経済指標は92負で、景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

米国の10月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比26.1万人増で、市場予測の31.3万人増を下回りました。一方、失業率は先月の4.2%から4.1%に低下しました。雇用は景気面では強気材料ですが、利上げしやすいという面では弱気材料です。

一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数、9月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りましたが、9月の中古住宅販売仮契約指数、9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年比+5.9%で、市場予想の+6.0%を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面ではやや弱気材料です。

全世界的に、景気は持ち直しつつあるようですが、先進国の財政赤字の根本的な解決にはかなり時間がかかりそうです。ここにきて先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあり、景気は回復傾向ですが、長期金利が上昇傾向に変わる気配はまだ顕著ではありません。

欧米日の金融政策をまとめてみます。FRBは追加利上げ時期を模索中です。ECBは政策金利の一段の引き下げに加え、民間銀行が中央銀行に預け入れる際の金利を-0.2%までマイナス幅を拡大し、国債の買い取りを含む量的緩和政策を維持しています。ただ、20174月からは、買い入れ額を800億ユーロから600億ユーロ規模に減額しています。日銀は2%のインフレ目標を設定し、加えて20141031日から、マネタリーベースが年間約80兆円に相当するペースで増加するよう調整し、さらにETFを従来の2倍の6兆円まで買い入れ、マイナス金利も継続、長期金利操作と金融緩和の継続期間を明確化する、などの金融緩和策を実施しています。

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3ヶ月物金利は、1108 1.4098% 1109 1.4128% 1110 1.4128%  と推移しています。20155月までの25か月は低下傾向でしたが、その後は上昇傾向にあります。ギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を上回り、201215日につけたピークの0.5825%をも大きく上回っているので、金融システム危機懸念はいつ再燃してもおかしくない水準と言えます。英国のEU離脱決定後に金利は一時低下しましたが、その後、上昇が続いています。なお、20171109日に記録した1.4128%が、ここ5年の最高金利です。

一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.8PBR1.31となっています。1月~3月期の決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+11.6%で、こちらは3か月前より5.8ポイント改善されています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.8%となり、日経平均の割高幅は410円から180円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+180円 から+850円の間で推移しています。
一方、中長期的に見ると、ファンダメンタル面では日本市場は米国市場よりかなり割安ですが、テクニカル面では割高となっています。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要です。長期金利差は2.32ポイントから2.34ポイントに拡大しましたが、ドル円相場は小動きでした。直近の米国の長期金利は上昇し、円安圧力が強まりました。

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみ合いで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

ファンダメンタル面も見てみましょう。LIBOR銀行間金利は、ここ5年来の最高値を更新して上昇しており、金融システム不安への懸念があることを示しています。ドイツ銀行やイタリアの銀行の自己資本不足など欧州の金融機関の健全性への疑念が原因と思われます。
上海銀行間取引金利は落ち着いていますが、今後も株価の急激な変化に注意が必要です。また、北京と上海の不動産価格は横ばいですが、引き続き国有企業・中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。
米国の経済指標は好転しており、米景気は今後も改善すると判断され、追加利上げが実施されると予想されます。これは対ドルで円安要因です。ただ、目先の長期金利は低下傾向にあります。
欧州市場でも景気回復の兆しが見られます。ECBは量的緩和やマイナス金利政策を継続していますが、4月から量的緩和は縮小されました。EUも金融正常化へ向かう方向です。

1113日の米国市場では、重要な経済指標の発表はありません。個別の材料が注目されるでしょう。

今日の日経平均は、想定範囲をやや下ぶれしました。上値は想定ラインを280円ほど下回り、下値は想定ラインの近辺で、20円ほど下回りました。目先の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+1σ+200(現在22700円近辺)、下値がボリンジャーバンド+1σ-300(現在22200円近辺)と想定されます。



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