日経平均の予想: September 2020

Wednesday, September 30, 2020

[2020/10/01]今後の日経平均の見通し

[市況]

930NYDowNASDAQは上昇しました。101日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付くと、午前中は180円高から60高の間でもみあい、午後は30円高から140円高の間でもみあって、結局130円高で取引を終えました。日経平均の昨日の終値は353円安の23185円で、出来高は14.42億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。


930日の米国市場では、追加の経済対策で与野党が近く合意するとの観測が強まり、主力ハイテク株や景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。9月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数が市場予想を上回ったことも好感されました。NYDowNASDAQは反発しました。

101日の日本市場では、東証のシステム障害により、現物株は終日取引停止となりました。明日以降、売買が再開されるかどうかも見通せない状況です。

 

 [テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は+6.6%とプラス圏にあり、200日線との乖離率も+5.3%とプラス圏にあります。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上に出ました。NASDAQは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より0.7ポイント拡大して-11.1となり、中長期的には日経平均がNASDAQより2570円ほど割安であることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が0.5ポイント(日経平均換算で120円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドの日米差(0.8ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より1.57ポイント(日経平均換算で6400円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率31.4%減で、改定値の31.7%減から上方修正されました。また、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては市場の想定ほど悪化していません。

 

経済指標を見てみます。

9月のシカゴ購買部協会景気指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想と一致しました。一方、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は74負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1371000人増で、市場予想の135万人増を上回りました。また、失業率は8.4%で、先月の10.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。また、8月の中古住宅販売件数は市場予想と一致しました。一方、8月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.95%で、市場予想の+3.60%を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ5か月は低下しています。直近では、925 0.2178 928 0.2203 929 0.2251と落ち着いており、金融不安の気配は見られません。これは、FRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER24.0PBR1.08となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE4.5%となり、これは3か月前より1.4ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-19.9%で、こちらは3か月前より16.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、東証のシステム障害のため取引停止でした。昨日現在のNYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.6%で、日経平均はNYDowより370円割高となっています。プレミアム値は、ここ一週間、+370円から+880円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は0.63ポイントから0.69ポイントに拡大しましたが、ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

 

101日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、9月のISM製造業景気指数などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

 

昨日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを190円ほど下回り、下値は想定ラインを110円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在23550円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+100円(現在23050円近辺)が下値の目安になりそうです。



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[2020/09/30]今後の日経平均の見通し

[市況]

929NYDowNASDAQは下落しました。930日の日経平均先物は、前日比80円安で寄り付くと、午前中は0円安から140安と下落幅を拡げ、午後には400円安まで下げ幅を拡げて、結局340円安で取引を終えました。日経平均の終値は353円安の23185円で、出来高は14.42億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。


929の米国市場では、欧米で新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあることが投資家心理を冷やし、売りが優勢となりました。金融株が売られたほか、原油安を受けてエネルギー株も売られました。大統領選候補の討論会を直後に控え、積極的な買いが入りにくいという面もありました。NYDowNASDAQ4営業日ぶりに反落しました。

9月30日の日本市場では、前日の欧米の株式相場が軟調に推移したことが嫌気され、リスク回避の姿勢が優勢となりました。また、原油先物相場が大幅に下落したことも投資家心理の重石となりました。午後に入ると、米大統領候補による討論会の結果を受けて株式相場の先行き不透明感が高まり、日経平均は下げ幅を拡げました。日経平均は4営業日ぶりに大幅反落しました。

 

 [テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は+6.6%と前日よりプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+5.3%と前日よりプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の上にありますが、9日線を下回りました。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の中に入りました。NASDAQは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.2ポイント拡大して-10.4となり、中長期的には日経平均がNASDAQより2410円ほど割安であることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が0.7ポイント(日経平均換算で160円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドの日米差(0.8ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より1.61ポイント(日経平均換算で6460円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率31.7%減で、速報値の32.9%減から上方修正されました。また、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては市場の想定ほど悪化していません。

 

経済指標を見てみます。

9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想と一致しました。一方、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況指数、8月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を下回りました。経済指標は65負で、景気面ではやや強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待できるという面ではやや弱気材料です。

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1371000人増で、市場予想の135万人増を上回りました。また、失業率は8.4%で、先月の10.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の新築住宅販売件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、8月の中古住宅販売件数は市場予想と一致しました。一方、8月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.95%で、市場予想の+3.60%を上回りました。住宅関連の指標は51負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ5か月は低下しています。直近では、923 0.2250 924 0.2332 925 0.2178と落ち着いており、金融不安の気配は見られません。これは、FRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER24.0PBR1.08となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE4.5%となり、これは3か月前より1.4ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-19.9%で、こちらは3か月前より16.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.6%となり、日経平均の割高幅は620円から370円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+370円から+880円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は0.64ポイントから0.63ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

 

930日の米国市場では、9月のADP全米雇用リポートや、46月期のGDP確定値、8月の中古住宅販売仮契約指数などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

 

今日の日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを190円ほど下回り、下値は想定ラインを110円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ(現在23450円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ(現在22950円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Tuesday, September 29, 2020

[2020/09/29]今後の日経平均の見通し

[市況]

928日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。929日の日経平均先物は、前日比100円高で寄り付くと、午前中は40円高から180高と上昇幅を拡げ、午後は140円高から320円高と上昇幅を拡げて、結局230円高で取引を終えました。日経平均の終値は27円高の23539円で、出来高は11.41億株と比較的高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。


928日の米国市場では、景気敏感株を中心に買いが優勢となりました。民主党のペロシ下院議長がムニューシン財務長官と協議し、「追加の経済対策について合意できる」と述べたと伝わり、経済対策がまとまるとの期待感が高まりました。また、アジアと欧州の株高も好感されました。主要3指数はそろって続伸しました。

929日の日本市場では、9月の配当落ちの影響で、売りが先行しました。一方で、前日の欧米の株高やきょうの上海総合指数の上昇が支えとなり、また、配当の再投資に伴う買いも手伝って、午後には買いが優勢となりました。日経平均は3日続伸しました。

 

 [テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は+11.3%と前日よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+6.9%と前日よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に出ました。NASDAQは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上に出ました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前日より1.9ポイント拡大して-9.2となり、中長期的には日経平均がNASDAQより2170円ほど割安であることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が1.0ポイント(日経平均換算で240円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドの日米差(0.9ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より1.51ポイント(日経平均換算で6150円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率31.7%減で、速報値の32.9%減から上方修正されました。また、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては市場の想定ほど悪化していません。

 

経済指標を見てみます。

9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想と一致しました。一方、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況指数、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待できるという面ではやや強気材料です。

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1371000人増で、市場予想の135万人増を上回りました。また、失業率は8.4%で、先月の10.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の新築住宅販売件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、8月の中古住宅販売件数は市場予想と一致しました。一方、8月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.46%で、市場予想の+3.60%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ5か月は低下しています。直近では、923 0.2250 924 0.2332 925 0.2178と落ち着いており、金融不安の気配は見られません。これは、FRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER23.5PBR1.10となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE4.7%となり、これは3か月前より1.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-22.3%で、こちらは3か月前より18.9ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.7%となり、日経平均の割高幅は820円から620円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+620円から+880円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は0.65ポイントから0.64ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

 

929日の米国市場では、7月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数数、大統領候補者の討論会などが注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

 

今日の日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを100円ほど下回り、下値は想定ラインを80円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+100円(現在23720円近辺)が上値の目安に、25日線(現在23270円近辺)が下値の目安になりそうです。



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Monday, September 28, 2020

[2020/09/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

925日、NYDowNASDAQは上昇しました。928日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付くと、午前中は210円高から120円高の間でもみあい、午後は150円高から320円高と上昇幅を拡げて、結局260円高で取引を終えました。日経平均の終値は307円高の23511円で、出来高は14.63億株と高水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですが、買われ過ぎの水準です。


925日の米国市場では、朝方は売りが先行しましたが、9月に入ってから調整局面が続いていた主力ハイテク株が前日に引き続き上昇したことが投資家心理を上向かせ、次第に買いが優勢となりました。また、景気敏感株の一角にも買いが入りました。NYDowNASDAQは続伸しました。

928日の日本市場では、前週末の米株高が投資家心理を上向かせ、買いが先行しました。米中関係悪化への警戒感から、買い一巡後は上値の重い時間が続きましたが、配当の再投資にからんだ先物買いへの期待が支えとなり、引けにかけては買いの勢いが増しました。日経平均は続伸しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から青信号に変わりました。

総合乖離率は+11.1%と前週末よりプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+6.8%と前週末よりプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。

また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にあり、9日線と25日線を上回りました。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。NASDAQは、25日線の下にありますが、200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、前週末より1.0ポイント拡大して-7.3となり、中長期的には日経平均がNASDAQより1720円ほど割安であることを示しています。一方、日経平均とNYDowとの比較は、日本市場が3.3ポイント(日経平均換算で780円)割高であることを示しています

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドの日米差(0.9ポイント)とOECD2021年予想実質GDP伸び率の日米差(-2.4ポイント)を勘案すると、中長期的には日本市場は米国市場より1.48ポイント(日経平均換算で6050円)割高となっています。

 

市場は現在、「新型コロナウイルスの感染拡大」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「英国のEU離脱」「米中貿易摩擦」「トランプ政権の通商政策が金融市場全体に与える影響」「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の成否や、消費税増税が景気に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP改定値は前期比年率31.7%減で、速報値の32.9%減から上方修正されました。また、46月期の米企業の決算は、景気に敏感とされる企業の落ち込みは激しいものの、ハイテク株が好調で、全体としては市場の想定ほど悪化していません。

 

経済指標を見てみます。

9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のニューヨーク連銀製造業景況指数、7月の製造業受注、8月のISM製造業景況指数は市場予想を上回りました。また、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想と一致しました。一方、8月の耐久財受注、8月の小売売上高、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況指数、8月のシカゴ購買部協会景気指数、8月のコンファレンスボード消費者信頼感指数を下回りました。経済指標は56負で、景気面ではやや弱気材料ですが、さらなる金融緩和が期待できるという面ではやや強気材料です。

 

米国の8月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比1371000人増で、市場予想の135万人増を上回りました。また、失業率は8.4%で、先月の10.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

8月の新築住宅販売件数、9月の住宅市場指数、7月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、8月の中古住宅販売件数は市場予想と一致しました。一方、8月の住宅着工件数は市場予想を下回りました。6月のS&Pケース・シラー住宅価格指数は前年同月比+3.46%で、市場予想の+3.60%を下回りました。住宅関連の指標は42負で、景気面では強気材料ですが、さらなる金融緩和が期待しにくいという面では弱気材料です。

 

先進国の財政赤字が根本的に解決されるにはかなり時間がかかりそうですが、先進国は大規模な財政出動を容認する方向に舵を切りつつあります。にもかかわらず、景気後退リスクが意識されており、長期金利が下降傾向にあることは気がかりです。直近では、景気後退の前兆とされる長短金利の逆転状態も見られました。

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBはゼロ金利政策を少なくとも2023年末まで継続すると表明しました。また、米国債などを月1200億ドル買い入れ、購入ペースを維持するとしています。ECBは、民間銀行が中央銀行に預け入れる際のマイナス金利を-0.5%とし、国債の買い取りを含む量的緩和政策を「20216月までに13500億ユーロ」に拡大しました。日銀は、2%のインフレ目標を設定し、マイナス金利を継続していますが、加えて、国債の買い取り上限を80兆円から無制限に拡大し、ETFを従来の6兆円の2倍の12兆円まで買い入れるとしています。さらに、企業の資金繰り支援として、社債やCPなどの買い取り枠を20兆円まで拡大しました。

 

金融不安の気配を知るのに役立つのが、金融機関間の取引金利の推移です。代表的な指標であるLIBORドル3か月物金利は、3月に急上昇しましたが、ここ5か月は低下しています。直近では、923 0.2250 924 0.2332 925 0.2178と落ち着いており、金融不安の気配は見られません。これは、FRBがジャンク債買い取りを含む大規模な金融緩和を表明したことの効果と思われます。なお、20181220日に記録した2.8237%が、ここ5年の最高金利です。


一方、日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER23.4PBR1.10となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE4.7%となり、これは3か月前より1.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-21.9%で、こちらは3か月前より18.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの上昇と連動して上げました。結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+3.6%となり、日経平均の割高幅は880円から820円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+590円から+880円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は0.67ポイントから0.65ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的・中期的にもみあいです。日経平均は、短期的・中期的に上昇トレンドです。

 

ファンダメンタル面も見てみましょう。

LIBOR銀行間金利は、市中金利より高い状態が続いており、金融システムへの懸念があることを示しています。ドイツ銀行をはじめとする欧州の金融機関の健全性が疑問視されています。

中国では、引き続き国有企業や中国の地方政府を含めた不良債権問題に注意が必要です。

米国では、金融緩和措置が長期化しそうです。長期金利も低い状態が続いており、対ドルで円高が進みやすい状況です。

欧州経済は悪化しています。ECBはマイナス金利政策を継続しており、また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気減速に対応するため、量的緩和を拡大しました。また、EU首脳会議は、およそ92兆円規模の復興基金の設立で合意しました。

 

928日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大への対応や、米中対立に関する報道なども株式相場に影響を与えそうです。

 

今日の日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを90円ほど上回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+2σ+100円(現在23700円近辺)が上値の目安に、25日線(現在23250円近辺)が下値の目安になりそうです。騰落レシオは132と買われ過ぎ圏であることを示しています。



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Saturday, September 26, 2020

[2020/09/27]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、売りが先行したものの、週後半は主力ハイテク株が反発して、株価指数はまちまちの動きでした。一方、中長期的には、新型肺炎拡大長期化による景気後退、ハイ・イールド債のディフォルトなどによる銀行の信用力不足と信用収縮懸念があります。また世界的な自国中心の政治状況から中国などの景気減速、貿易戦争などによる世界経済の減速懸念もあります。さらに、中東、朝鮮半島やウクライナの地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、発表された2021年のOECDの実質GDP予想値を考慮すると、日本市場が1.44ポイント割高となっています。割高の要因はS&P500PER24.9に対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER23.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

これは、現在の日経平均の価格に対して、2021年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに1.44ポイント縮小するか(日本が上方修正又は米国が下方修正される)、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.4程度になるか、又は、日経平均が17420円程度となると、日米市場が均衡すると解釈できますので、中長期的に日本市場は5790円ほど割高です。

 

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大と一段の円安、

OECDによる日本の2021GDP予測値(現在-0.5%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

 

最近の動きを見ると、

   先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。NASDAQの週足は陽線となりました。日足は200日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在ります。今週は住宅指標、四半期決算発表、9ISM製造業景気指数、9月の雇用統計などが注目されそうです。NYDow25日線の上に戻れるか否かに注目したいと思います。

   四半期決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は4.7%となりました。3ヶ月前に比べて1.2ポイント悪化しています。また、利益伸び率は-21.9%3ヶ月前に比べて19.0ポイント悪化しています。

   米国の長期金利は低下し、日米の金利差は 0.69%から0.65%と縮小したものの、為替は103円台から105円台で円安でした

   OECDの日米の2021年の実質GDP伸び率予測が発表されて、日本が-.0.5%で、米国は+1.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が2.4ポイント劣ります。

   93週と94週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に8.7ポイント(日経平均に勘算すると2020円程度)割安となっています。先週と比べ割安幅は拡大しました。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に1.9ポイント(日経平均に勘算すると440円程度)割高となっています。

 

日経平均は、一目均衡表の雲の上に在ります。総合乖離率は+7.1%となり先週と比較してプラス幅が縮小しました。200日移動平均線乖離率は+5.4%でプラス幅が縮小しました。3つの要素がプラスですので、中期トレンドは、"青信号"が点灯しています。

日経平均は、25日線と9日線の下にありますので、短期トレンドは、"赤信号"が点灯しています。

 

米国市場ではNY Dowは、200日線の上にありますが、25日線と9日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。Nasdaqは、200日線の上にありますが、25日線と9日線の下にあります。一目均衡表の雲の中に在ります。

短期的には赤信号"で、中期的には青信号"が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると米国の利上げ、米中貿易摩擦、米国政治の不透明感、北朝鮮の問題、などの懸念は後退しているものの、新型コロナウィルスによる肺炎の感染拡大、世界的な長期金利低下傾向、原油相場の低迷、米企業業績の悪化、ハイ・イールド債市場の下落、信用収縮に伴う金融市場混乱、EU圏の銀行の信用力不足と政治情勢、貿易戦争に伴う世界経済減速懸念、中東やウクライナの地政学的リスクなどがリスク要因として存在します。

 

また、直近のLIBOR金利は低下しつつありますが、3月は、短期金利が低下しているにも関わらずLIBOR金利は上昇したことから、金融不安再燃の可能性が意識されていました。

 

一方、好材料としては米国のゼロ金利政策とジャンク債購入を含むFRBによる企業への直接的金融支援や3兆ドルの経済対策、トランプ大統領の政策期待。日銀による2%のインフレターゲットの設定やマイナス金利導入と無制限の国債・12兆円のETF購入などの金融緩和措置に加え、日本政府によるリーマンショック時を超える経済対策やEUによる92兆円のコロナ復興基金設立とECBによるマイナス金利の深堀と量的緩和の拡大表明などが揚げられます。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみあいで、短期は下降トレンドです。日本市場は中期上昇トレンドで、短期は下降トレンドです

 

先週の為替市場を分析すると、米国の長期金利は低下し、日米長期金利差は縮小したものの、為替は円安方向に動きました。今週は105円台から106円台が想定されます。こからは、テクニカル指標、米国市場動向、為替の動き、外国人投資家動向を注目する必要があります。

 

今週、ドナルド・トランプとジョー・バイデンの間の最初の大統領選挙の討論はブレグジットの最後の公式ラウンドと同様に注目されます。

主要な経済データには、米国の9月の雇用統計、9ISM製造業景気指数、8月の製造業受注が含まれます。また、 英国の第2四半期GDP; ユーロ圏のインフレとビジネス調査。 ドイツとオーストラリアの小売販売。 日本の短観と鉱工業生産。 および、世界的な製造PMI調査が含まれます。

 

先週の日経平均は、想定レンジ内で推移しました。上値は想定ラインを220円ほど下回り、下値は想定ラインに一致しました。今週の日経平均の想定範囲は、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在23590円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-1σ(現在23040円近辺)の間での動きが想定されます。


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