日経平均の予想: June 2013

Sunday, June 30, 2013

[2013/07/01]今後の日経平均の見通し

[市況]
28
日のNYDowは下落し、NASDAQは小幅上昇しました。1日の日経平均先物は、前日比120円高で寄り付き、午前中は130円高と80円安の範囲で下げに転じる動きでした。午後は240円高まで切り返す動きとなり、結局230円高で取引を終わりました。日経平均の終値は175円高の13852円で、出来高は24.78億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は630万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
28
日の米国市場では、6月のシカゴ購買部協会景気指数が悪化した一方、6月のミシガン大学消費者信頼感指数改定値は速報段階から上方修正され、強弱感が入り交じる経済指標を受け、売り買いが交錯しましたが、NYDowは利益確定売りが勝りました。
1日の日本市場では、朝方は日銀短観を受けた円安で高く始まりましたが、午前中は上海市場安が重荷となり、マイナス圏に下げる場面がありました。午後は、上海市場が下げ渋ったこともあり、底堅さを意識した先物買いで切り返す展開となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線、25日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は+30.7%でプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+23.3%でプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、9日線の上に在り、25日線を上回りました。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線の下に在り、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。
NASDAQは、200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が16.3ポイント割高(強い動き)であることを示しています。日本市場の割高幅は1.3ポイント拡がりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2013年予想実質GDP伸び率の日米差(-0.3ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.64イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の1-3月期のGDP確定値は改定値の2.4%から1.8%に下方修正されました。1-3月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では、6月のミシガン大学消費者信頼感指数改定値、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、5月の小売売上高、5月のISM非製造業景況指数は市場予想を上回りましたが6月のシカゴ購買部協会景気指数、5月の鉱工業生産指数、4月の製造業受注、5ISM製造業景況指数は予想以下でした。
5月の雇用統計は就業者数が前月比17.5万人増で、市場予測の16万人増を上回りましたが、失業率は先月の7.5%から7.6%に悪化しました。
一方、住宅関連では、5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の新築住宅販売件数、5月の中古住宅販売、6月の住宅市場指数は予想以上でしたが、5月の住宅着工件数は予想以下でした。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で1.7%上昇し、市場予想の1.2%上昇を上回りました。15ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、低金利は当面継続されるものの、量的緩和の年内縮小の可能性が表明されたことが世界的な金融商品下落の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しているものの金融システム不安再燃への懸念を残しています。また、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとしていますが、量的緩和の年内縮小の可能性を表明しました。ECBは無制限の国債買い入れを発表し、日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルが独歩高となり易い環境となっています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移0626  0.2756% 0627  0.2740% 0628  0.2731%と、過去15ヶ月は低下傾向です。最近7ヶ月も緩やかに低下傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、3月期決算発表に伴い、予想PER15.4PBR1.32ROE8.5%と今期業績は大幅な改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.3%となり、日経平均は580円の割高で、割高幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-250円 ~+590円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、強い動きに転換しましたが、今日は強い動きが急加速しました。
一方、日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割高で、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.60と縮小したものの、ドル円は、円安方向の動きでした。直近の米国長期金利は上昇し、円安圧力は強まりました。
テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、各国の政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気は拡大か後退か、米国の金融緩和はいつまで続くかが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向で、直近の金利も緩やかに低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利が高止まりしていますので中国の銀行に注意が必要です。一方、米経済指標、1-3月期の米国企業決算内容はまちまちで、世界景気の減速懸念も完全には払拭出来ていない中、米住宅指標と雇用状況は改善傾向となり、FRBは米景気を改善傾向と判断し、量的緩和の年内縮小の可能性を表明したことが、株式市場にはマイナスに作用しています。このような相場環境の中、1日の米国市場では、6月のISM製造業景況指数が注目されそうです。

今日の日経平均は想定したボリンジャーバンド+1σを挟んだ動きとなり、上値はほぼ想定通りとなり、下値も想定値に接近しました。目先の日経平均の上値はボリンジャーバンド+2σ(14050円近辺)で、下値はボリンジャーバンド+1σ(13620円近辺)が想定されます。


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Saturday, June 29, 2013

[2013/06/30]今週の日経平均の見通し

[ファンダメンタルの現状認識]
先週の米国市場は、堅調な経済指標と金融緩和の年内縮小懸念後退で上昇しました。一方、中長期的には、米国経済の回復に伴う金融緩和縮小懸念、中国の景気減速とシャドー・バンキング問題、中東の地政学的リスクの高まり、米国の財政の崖問題及びEU諸国の緊縮財政による消費や雇用の停滞、世界各国の財政問題による金融不安再燃による信用収縮懸念などに引き続き注意が必要です。
2013年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が0.76ポイント割安となりました。OECDの実質GDPの値が改定され、この改定値を基にすると、日本市場は割安と考えられます。割安の要因はS&P500PER14.0で、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には日本の2013年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ0.7%分日本が下方修正されるか、又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER17.2程度に収斂する(日経平均が15460円程度となる)ことが織り込まれているとも解釈できます。

[日経平均上昇の条件]
今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。
①米国市場の上昇、
②従来以上の今期の予想増益率のUP
③日米の金利差の拡大、
OECDによる日本の2013GDP予測値(現在+1.6%)の上方修正、
⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、
   先週のNYDowの週足は陽線となりました。200日線の上に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場は短期的に黄信号で、中長期的にも黄信号が点灯しています。今週は、6月のISM製造業景況指数や6月の雇用統計などが株式相場に影響しそうです。NYDowNasdaqが一目均衡表の雲の上に復帰できるか否かに注目する必要があります。
   日経225採用銘柄の今期予想増益率は3月期の決算発表に伴い前年比+45%と大幅な伸びとなっています。また、ROE予想値は3月期の決算発表に伴い6.3%から8.6%へ伸び率が改善しています。
   日米の長期金利は低下して、日米の金利差は1.67%から1.64%と縮小したものの、為替は96円台から99円台と円安方向の動きでした。今週は99円台から97円台の動きが想定されます。
   OECDによる日米の2013年の実質GDP伸び率は最近改定され日本が+1.6%で、米国は+1.9%と予想されていますので、この面では日本市場の方が0.3ポイント劣ります。
   63週は買い越しで64週は買い越しだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。
5つのポイントのうちが①③が強気材料でした。今週も、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]
日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、15.0ポイント割高となりました。先週比割高幅は1.5ポイント拡大しました。日本市場は米国市場に比べて強い動きが加速しました。
日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。総合乖離率は+26.9%となり先週と比較してプラス幅が拡大しました。200日移動平均線乖離率は+22.0%となりプラス幅は拡大しました。2つがプラスですので中期トレンドは、黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。
米国市場ではNY Dow200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。Nasdaq200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。一目均衡表の雲の中に在ります。短期的には黄信号"で、中期的にも"黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]
米国市場をファンダメンタル面で見ると、新興国の利上、資源高、住宅市況の低迷、雇用指標の停滞、南欧政府債務問題などのリスク懸念は後退しているものの、中東の地政学的リスク、米国の財政の崖と金融緩和縮小、新興国市場の下落と世界景気後退懸念、中国のシャドー・バンキング問題が残っています。ただ、好材料としては、FRBによる超低金利が12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで継続されることや、ECBによる無制限の国債購入とFRBによる無期限のMBSの購入表明、日銀による2%のインフレターゲットの設定と異次元の強力な金融緩和が挙げられます。
テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。日本市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
目先の状況を分析すると、短期的に金融緩和早期縮小懸念は後退したものの、正念場が続いています。また、LIBORのドル3ヶ月物金利は下降傾向で、EU政府債務問題による金融危機懸念は後退しています。ただ、引き続き、南欧各国の国債金利動向に注意が必要です。ただ、上海銀行間金利が上昇しており、中国の金融破綻に警戒が必要です。一方、先週の為替は日米長期金利差が縮小したものの、円安方向の動きでした。日米の長期金利の動向と為替の関係には今後も注意が必要です。

先週の日経平均は想定した25日線とボリンジャー・バンド-1σの間で推移した後、週末に25日線を大きく上回りました。今週の日経平均も米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうです。今週の日経平均は、上値が下降中のボリンジャー・バンド+2σ(現在14230円近辺)で下値は25日線(現在13290円近辺)の間での動き想定されます


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Thursday, June 27, 2013

[2013/06/28]今後の日経平均の見通し

[市況]
27
日のNYDowNASDAQは大幅上昇しました。28日の日経平均先物は、前日比110円高で寄り付き、午前中は70円高と430円高の範囲で上げ幅を拡げる動きでした。午後はさらに上げ幅を470円高まで拡げる場面がありましたが、結局370円高で取引を終わりました。日経平均の終値は463円高の13667円で、出来高は31.91億株と比較的高水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は1430万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
27
日の米国市場では、FRB高官の発言を受け、量的金融緩和縮小懸念が和らぐ中、5月の中古住宅販売仮契約指数が65ヶ月ぶりの水準まで大幅上昇したことや、5月の個人消費支出も前月比で増加したことで、買いが優勢となりました。
28日の日本市場では、米国市場の上昇や円安が支えになったほか、先物への仕掛け的な買いや、決算期の6月末を意識したドレッシング買いが相場を押し上げました。

[テクニカル視点]
日経平均は9日線の上に在り、25日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。総合乖離率は+26.9%でプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+22.0%でプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、9日線の上に在り、25日線を上回りました。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線の下に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線の下に在り、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が15.0ポイント割高(強い動き)であることを示しています。日本市場の割高幅は3.1ポイント拡がりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2013年予想実質GDP伸び率の日米差(-0.3ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 0.55イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の1-3月期のGDP確定値は改定値の2.4%から1.8%に下方修正されました。1-3月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、5月の小売売上高、5月のISM非製造業景況指数5月のシカゴ購買部協会景気指数、は市場予想を上回りましたが、6月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値5月の鉱工業生産指数、4月の製造業受注、5ISM製造業景況指数は予想以下でした。
5月の雇用統計は就業者数が前月比17.5万人増で、市場予測の16万人増を上回りましたが、失業率は先月の7.5%から7.6%に悪化しました。
一方、住宅関連では、5月の中古住宅販売仮契約指数、5月の新築住宅販売件数、5月の中古住宅販売、6月の住宅市場指数は予想以上でしたが、5月の住宅着工件数は予想以下でした。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で1.7%上昇し、市場予想の1.2%上昇を上回りました。15ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、低金利は当面継続されるものの、量的緩和の年内縮小の可能性が表明されたことが世界的な金融商品下落の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しているものの金融システム不安再燃への懸念を残しています。また、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとしていますが、量的緩和の年内縮小の可能性を表明しました。ECBは無制限の国債買い入れを発表し、日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルが独歩高となり易い環境となっています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移0625  0.2761% 0626  0.2756% 0627  0.2740%と、過去15ヶ月は低下傾向です。最近7ヶ月も緩やかに低下傾向です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、3月期決算発表に伴い、予想PER15.7PBR1.34ROE8.6%と今期業績は大幅な改善傾向です。

[
今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+2.6%となり、日経平均は340円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-250円 ~+440円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、前日強い動きに転換しましたが、今日は強い動きが加速しました。
一方、日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割高で、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.64と縮小したものの、ドル円は、円安方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円安圧力は弱まりつつあります。
テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期ももみ合いです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。
ファンダメンタル面では、各国の政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気は拡大か後退か、米国の金融緩和は続くか否かが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向で、直近の金利も緩やかに低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利が高止まりしていますので中国の銀行に注意が必要です。一方、米経済指標、1-3月期の米国企業決算内容はまちまちで、世界景気の減速懸念も完全には払拭出来ていない中、米住宅指標と雇用状況は改善傾向となり、FRBは米景気を改善傾向と判断し、量的緩和の年内縮小の可能性を表明したことが、株式市場にはマイナスに作用しています。このような相場環境の中、28日の米国市場では、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のミシガン大学消費者信頼感指数改定値が注目されそうです。

今日の日経平均は想定した25日線の上で推移し、上値は想定値を大きく上回りました。目先の日経平均の上値はボリンジャーバンド+1σ(13660円近辺)を挟んだ動き(上値は13860円近辺で、下値が13460円近辺)が想定されます。


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Wednesday, June 26, 2013

[2013/06/27]今後の日経平均の見通し

[市況]
26
日のNYDowNASDAQは大幅上昇しました。27日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付き、午前中は90円高と350円高の範囲で上げ幅を拡げる動きでした。午後はさらに上げ幅を490円高まで拡げる動きとなり、結局490円高で取引を終わりました。日経平均の終値は379円高の13213円で、出来高は26.94億株と比較的低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は420万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利な状況です
26
日の米国市場では、「ECBの金融政策は当面、緩和的な状態が続く」との ECBのドラギ総裁の発言を好感して欧州市場が上昇したことや、1-3月期の実質GDP確定値が改定値から大幅に下方修正され、米国債金利が低下したことが好感され買いが優勢になりました。
27日の日本市場では、米国市場高の流れを受けて主力株に買いが広がりました。午後も、上海市場が底堅く推移し、買い安心感が広がりました。大引けにかけて為替が円安に振れ、高値引けとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。総合乖離率は+15.9%でプラス幅が拡大しました。200日線との乖離率は+18.1%でプラス幅が拡大しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。2つの要素がプラスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、9日線の上に在りますが、25日線の下に在ります。
NYDowは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NASDAQは、200日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が11.9ポイント割高(強い動き)であることを示しています。日本市場の割高幅は2.2ポイント拡がりました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECD2013年予想実質GDP伸び率の日米差(-0.3ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 1.02イント割安です
市場は現在、「アベノミクスによる日本経済のデフレ脱却の可能性」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の景気と金利動向」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。
米国の1-3月期のGDP確定値は改定値の2.4%から1.8%に下方修正されました。1-3月期の米主要企業の決算発表内容はまちまちな内容です。
経済指標では6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、5月の耐久財受注、6月のフィラデルフィア連銀景気指数、6月のニューヨーク連銀景気指数、5月の小売売上高、5月のISM非製造業景況指数5月のシカゴ購買部協会景気指数、は市場予想を上回りましたが、6月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値5月の鉱工業生産指数、4月の製造業受注、5ISM製造業景況指数は予想以下でした。
5月の雇用統計は就業者数が前月比17.5万人増で、市場予測の16万人増を上回りましたが、失業率は先月の7.5%から7.6%に悪化しました。
一方、住宅関連では、5月の新築住宅販売件数5月の中古住宅販売、6月の住宅市場指数、4月の仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、5月の住宅着工件数は予想以下でした。4月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前月比で1.7%上昇し、市場予想の1.2%上昇を上回りました。15ヶ月連続の上昇となり改善傾向が続いています。
景気、雇用と住宅関連は回復しつつあり、低金利は当面継続されるものの、量的緩和の年内縮小の可能性が表明されたことが世界的な金融商品下落の主な原因となっています。また、中国のPMIとユーロ圏PMIが低迷しており、世界経済の先行き不透明感も残っています。
ギリシャ、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇は一服しているものの金融システム不安再燃への懸念を残しています。また、G20での2013年に財政赤字半減との目標は2016年まで棚上げされましたが、需要不足からの世界景気の後退リスクが背景に有り、先進国の財政赤字に対する根本的な解決にはかなり時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の不良資産の増加と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRB12年先のインフレ見通し2.5%を上回らない限り、失業率が6.5%以下になるまで短期金利を超低金利で維持するとしていますが、量的緩和の年内縮小の可能性を表明しました。ECBは無制限の国債買い入れを発表し、日銀は1月に2%のインフレ目標設定と2014年から毎月13兆円の金融資産を無制限に買い入れることを決めていますで、ドルが独歩高となり易い環境となっています。
金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが必要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移0624  0.2767% 0625  0.2761% 0626  0.2756%と、過去15ヶ月は低下傾向です。最近7ヶ月も緩やかに低下傾向ですが、目先は上昇し要注意です。2010年のギリシャ財政危機直前の20110503日の0.346%を下回っていますので、金融システム危機懸念は後退していることを示しています。ここ2年の最高金利は201215日の0.5825%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、3月期決算発表に伴い、予想PER14.8PBR1.27ROE8.6%と今期業績は大幅な改善傾向です。

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今後の見通し]
日経平均は、NYDowの上昇に連動して上げました。その結果、NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.2%となり、日経平均は150円の割高で、割高に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-420円 ~+340円の間で推移しています。日本市場は、短期的にはドル・ベースでは米国市場に比べ、前日弱い動きに戻りましたが、今日は強い動きに転換しました。
一方、日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割高で、ファンダメンタルには割安です。
日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.71と縮小したものの、ドル円は、円安方向の動きでした。直近の米国長期金利は低下し、円安圧力は弱まりました。
テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期は下降トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期ももみ合いです。
ファンダメンタル面では、各国の政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気は拡大か後退か、米国の金融緩和は続くか否かが、今後もテーマとなりそうです。
目先の状況を分析すると、LIBOR銀行間金利は昨年年初から低下傾向で、直近の金利も緩やかに低下傾向です。これは、不良債権問題への懸念は後退し、金融不安は当面回避されていることを示しています。ただ、上海銀行間取引金利が急騰していますので中国の銀行に注意が必要です。一方、米経済指標、1-3月期の米国企業決算内容はまちまちで、世界景気の減速懸念も完全には払拭出来ていない中、米住宅指標と雇用状況は改善傾向となり、FRBは米景気を改善傾向と判断し、量的緩和の年内縮小の可能性を表明したことが、株式市場にはマイナスに作用しています。このような相場環境の中、27日の米国市場では、新規失業保険申請件数、5月の中古住宅販売仮契約が注目されそうです。

今日の日経平均は想定したボリンジャーバンド-1σの上で推移し、上値は想定値を大きく上回りました。目先の日経平均は25日線(13280円近辺)を挟んだ動き(上値は13500円近辺で、下値が13060円近辺)が想定されます。


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