日経平均の予想: October 2011

Monday, October 31, 2011

[2011/10/31]日経平均の今後の見通し

[市況]
28
日のNYDowは上昇し、NASDAQは小幅下落しました。31日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付き、午前中は50円安から110円高の範囲で急騰する動きでした。午後は下げに転じ、最終的に90円安で取引を終わりました。日経平均は62円安で引け、出来高は17.79億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、260万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅は縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
28
日の米国市場では、9月の個人消費支出や10月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回り、景気の先行きに対する慎重な見方が後退しました。ただ、NYDowは前日までの続伸しており、積極的に上値を追うほどの勢いは見られませんでした。

31日の日本市場では、政府・日銀が円売り介入に踏み切ったことを好感する買いで、上げ幅が100円に達する場面があったものの、先行きの円高懸念は拭えず、企業の決算発表を控えていることや、GLOBEXで米株価指数先物が安く推移したこともあり、上値を買い上がる動きは限定的でした。


[
テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-3.5%でマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-6.3%でマイナス幅は拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。

また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線、9日線の下に在りますが、25日線の上に在ります。

NYDow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。

NASDAQ200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が8.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場は0.6ポイント割安幅が拡大しました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2011年予想実質GDP伸び率の日米差(3.5ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 2.77イント割高となっています

市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の7-9月期のGDPは年率で2.5%増と市場予想並みだったものの、個人消費は大幅増となりました。7-9月期の主要企業の決算発表は好決算が勝っているようです。経済指標では9月の鉱工業生産指数は市場予想並みで、9月の個人消費支出、10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀指数、9月の小売売上高、9月のISM非製造業景況感指数、9月のISM製造業景況感指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数などは市場予想を上回りましたが、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のシカゴ連銀全米活動指数、9月の景気先行指標総合指数、10月のNY連銀製造業景気指数は予想以下となりました。9月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が103千人増加し、6万人程度の増加を見込んだ市場予想を大幅に上回りました。ただ、失業率は9.1%と前月と同水準で高止まり状態です。一方、住宅関連では9月の住宅着工件数10月の住宅市場指数が予想以上となりましたが、9月の中古住宅販売件数が予想以下となりました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で3.8%低下しました。市場予想の3.5%低下より弱い結果でした。7月に入り景気指標は改善傾向だったものの、8-9月は陰りが出ていました。10月に入り過度の景気後退懸念は無くなりつつあります。ただ、雇用と住宅関連の回復は鈍く金融緩和継続の主な原因となっています。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは景気認識を引き下げ、短期金利を2013年半ばまでは超低金利で維持することを表明しました。これは長期的な円高要因です。一方、中国を初めとする新興国の利上げは景気減速で一服しています。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1026 0.4247% 1027 0.4281% 1028 0.4294%となり上昇中です。2010年の欧州財政危機直前の昨年0503日の0.346%を超えましたので、金融システム危機が再燃してもおかしくない状態が続いています。ここ2年のMAXは昨年617日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER13.4PBR0.98ROE7.3%となっています。PBR1.0以下ですので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]

日経平均は、NYDowの上昇および円売り介入にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-7.6%となり、日経平均は690円の割安で、割安幅が急拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-690円 ~ -100円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べ弱い動きとなっていますが、今日は弱い動きが急加速しました。

日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルには割高です。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.26と縮小したものの、為替は介入により円安方向です。日米金利差はこのところ拡大傾向ながら、FRBによる追加金融緩和観測と政府による円売り介入で円は乱高下しています。

テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。

ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが今後のテーマとなりそうです。このところ楽観的なニュースも目立ちますが、LIBOR銀行間金利は上昇が続き、欧州財政問題が金融危機に発展する要警戒状態が続いており、落ち着く気配は見えません。また、雇用・景気の減速懸念やも払拭出来ていません。このような、相場環境の中、今夜の米国市場では10月のシカゴ購買部協会景気指数が注目されそうです。

今日の日経平均はボリンジャーバンド+2σを挟んだ動きとなりました。目先の上値の目安は、上昇中のボリンジャーバンド+2σ(現在9040円近辺)で、下値の目安は1028日に空けた窓の窓埋めとなる8930円近辺が想定されます。


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Saturday, October 29, 2011

[2011/10/30]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、EUが債務問題の克服に向けた「包括戦略」で合意したことを好感し、上昇しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。

2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が2.81ポイント割高となりました。その要因はS&P500PER13.0で、東証1部平均のPER14.1との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が1.9%程度になる(又は、日米のGDP伸び率差がOECD予想値より1.6ポイント縮まる)ことが織り込まれているとも解釈できます。

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大、

④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、

① 先週のNYDowの週足は陽線となり、日足は200日線を上回りました。今週は、10月のISM製造業景況指数、バーナンキFRB議長FOMC記者会見、10月の雇用統計などが株式相場に影響しそうですが、200日線の上で推移出来るかどうかが今後を占う上でカギとなりそうです。

② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は+17%ですが、今期ROE予想値は7.9%から7.4%へやや悪化しています。

③ 日米とも長期金利は下降傾向で、日米の金利差は1.22%から1.28%に拡大し、為替は76円台から75円台で推移しました。今週も円高圧力が強い中、介入警戒感も強く75円台から77円台でもみ合う動きとなりそうです。

④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は改定され日本が-0.9%で、米国は+2.6%と予想されていますので、この面では日本市場にとって3.5ポイント分の弱気材料です。

⑤ 103週は売り越しで104週は売り越ししだった可能性が高く、今週は買い越しが予想されます。

5つのポイントのうち①が強気材料で③が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、7.4ポイント割安となりました。先週比0.5ポイント割安幅は縮小しました。

日経平均は、一目均衡表の雲の中に在ります。200日移動平均線乖離率は-5.7%となり先週と比較してマイナス幅が縮小しました。総合乖離率は-1.5%となりマイナス幅が縮小しました。2つがマイナスですので中期トレンドは、黄信号"が点灯しています。日経平均は25日線、9日線の上に在りますので、短期的トレンドには"青信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dow200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で中期的には"青信号"が点灯しています。

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると、欧州の政府債務問題、アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上などのリスクはやや後退しているものの、不動産市場の低迷、雇用指標の停滞、世界景気後退懸念が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2013年まで継続する見通しの中、7-9月期の企業決算は概ね好調である点と10月に入り経済指標が落ち着きてきた点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期上昇トレンドで、短期は上昇トレンドとなっています。日本市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドとなっています

目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機については、LIBORのドル3ヶ月物金利は上昇ピッチを上げており要警戒状態が続いています。一方、先週の為替は米国債金利が上昇して、日米金利差は拡大したものの、円は一時高値を更新する動きとなりました。中期的な円高リスクは払しょく出来ていません。

先週の米国市場は、欧州債務問題に対する警戒感の後退と好調な企業決算で上昇しました。今週は200日を上回って推移できるかどうかが注目点です。

今週の日経平均も、米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうです。今週も欧州銀行の破綻懸念と資本注入に関するECBEU加盟国の動き、FOMC後の金融政策の内容、7-9月期企業決算発表と経済指標に一喜一憂すると思われ、目先はボラティリティーの高い状況が続きそうです。先週の日経平均はボリンジャーバンド+2σと25日線の間でもみ合う動きの後一段高となりました。今週は、上昇中のボリンジャーバンド+2σ(現在9010近辺)を挟んだ動きが想定されますが、8930円が下値の支持線となりそうです。


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Friday, October 28, 2011

[2011/10/28]日経平均の今後の見通し

[市況]
27
日のNYDowNASDAQは大幅上昇しました。28日の日経平均先物は、前日比170円高で寄り付き、午前中は180円高から110円高の範囲で徐々に上げ幅を縮める動きでした。午後は90円高となる場面がありましたが、最終的に130円高で取引を終わりました。日経平均は123円高で引け、出来高は21.64億株と低水準ながら増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、440万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利な状況です。
27
日の米国市場では、EUが債務問題の克服に向けた「包括戦略」で合意したことが好感されました。朝方発表の7-9月期の実質GDPは市場予想並みだったものの、経済のけん引役である個人消費は大幅増となったことを受けて景気の先行きに対する懸念も後退し、幅広い銘柄で買いが優勢となりました。

28日の日本市場では、米国市場が大幅高となり、輸出や金融などの主力株を中心に幅広い銘柄で買いが先行しました。ソフトバンクなど好決算を発表した銘柄の上昇も目立ちました。ただ、来週にFOMCを控え、買い一巡後は模様眺めとなりました。


[
テクニカル視点]
日経平均は25日線、9日線の上に在ります。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-1.5%でマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-5.7%でマイナス幅は縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは黄信号が点灯しています。

また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。

NYDow25日線、9日線の上に在り、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。

NASDAQ25日線、9日線の上に在り、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場は0.4ポイント割安幅が拡大しました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2011年予想実質GDP伸び率の日米差(3.5ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 2.73イント割高となっています

市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の7-9月期のGDPは年率で2.5%増と市場予想並みだったものの、個人消費は大幅増となりました。7-9月期の主要企業の決算発表は今のところ好決算が勝っているようです。経済指標では9月の鉱工業生産指数は市場予想並みで、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀指数、9月の小売売上高、9月のISM非製造業景況感指数、9月のISM製造業景況感指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数などは市場予想を上回りましたが、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のシカゴ連銀全米活動指数、9月の景気先行指標総合指数、10月のNY連銀製造業景気指数、10月のミシガン大学消費者態度指数、8月の個人所得は予想以下となりました。9月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が103千人増加し、6万人程度の増加を見込んだ市場予想を大幅に上回りました。ただ、失業率は9.1%と前月と同水準で高止まり状態です。一方、住宅関連では9月の住宅着工件数10月の住宅市場指数が予想以上となりましたが、9月の中古住宅販売件数が予想以下となりました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で3.8%低下しました。市場予想の3.5%低下より弱い結果でした。7月に入り景気指標は改善傾向だったものの、8-9月は陰りが出ていました。10月に入り過度の景気後退懸念は無くなりつつあります。ただ、雇用と住宅関連の回復は鈍く金融緩和継続の主な原因となっています。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは景気認識を引き下げ、短期金利を2013年半ばまでは超低金利で維持することを表明しました。これは長期的な円高要因です。一方、中国を初めとする新興国の利上げは景気減速で一服しています。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1025 0.4222% 1026 0.4247% 1027 0.4281%となり上昇中です。2010年の欧州財政危機直前の昨年0503日の0.346%を超えましたので、金融システム危機が再燃してもおかしくない状態が続いています。ここ2年のMAXは昨年617日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER13.5PBR0.99ROE7.4%となっています。PBR1.0以下ですので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]

日経平均は、NYDowの上昇率ほどは上げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.4%となり、日経平均は210円の割安で、割安幅が拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-350円 ~ -100円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べ弱い動きとなっていますが、今日は弱い動きが加速しました。

日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルには割高です。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.36と拡大したものの、為替は円高方向です。日米金利差はこのところ拡大傾向ながら、FRBによる追加金融緩和観測で円は最高値を更新しています。

テクニカルには、米国市場は、中期上昇トレンドで、短期も上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。

ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが今後のテーマとなりそうです。このところ楽観的なニュースも目立ちますが、LIBOR銀行間金利は上昇が続き、欧州財政問題が金融危機に発展する要警戒状態が続いており、落ち着く気配は見えません。また、景気の減速懸念も払拭出来ていません。このような、相場環境の中、今夜の米国市場では9月の個人所得、10月のミシガン大学消費者信頼感指数やメルクの決算が注目されそうです。

今日の日経平均はボリンジャーバンド+2σを上回る動きとなりました。目先は、上昇中のボリンジャーバンド+2σ(現在9010円近辺)を挟んだ動きが想定されます。下値の目安は今日空けた窓の窓埋めとなる8930円近辺と思われます。


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Thursday, October 27, 2011

[2011/10/27]日経平均の今後の見通し

[市況]
26
日のNYDowNASDAQは上昇しました。27日の日経平均先物は、前日比40円高で寄り付き、午前中は前日同値から100円高の範囲で徐々に上昇する動きでした。午後は200円高まで上昇する場面がありましたが、最終的に190円高で取引を終わりました。日経平均は178円高で引け、出来高は18.05億株と低水準ながら増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、820万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては、やや「売り」が有利な状況です。
26
日の米国市場では、朝方は9月の耐久財受注額が前月比で市場予想ほど減少しなかったことやボーイングなど企業の好決算を手掛かりに買いが優勢となりました。その後、ギリシャ向け第2次支援の民間負担問題で、EU側と民間側の調整がなお決着していないと伝わり、下げに転じる場面もあったものの、ドイツ連邦議会がEFSFの実質的な拡大を承認したほか、中国がEFSFへの投資に合意したと伝わったことで、大幅に上昇して終えました。

27日の日本市場では、ユーロ圏17ヶ国首脳会議が債務問題に対する包括策で合意したことで安心感が広がりました。日銀が午後1時半ごろ、金融政策決定会合で資産買入基金の増額を発表しましたが、ETFの増額を見送ったことで失望感が広がる場面もありましたが、下げは限定的だったことから、売り方の買い戻しが優勢になり、大引けにかけて一段高となりました。


[
テクニカル視点]
日経平均は25日線の上に在り、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。総合乖離率は-5.6%でマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-7.1%でマイナス幅は縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

また、ドル・ベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。

NYDow200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。

NASDAQ200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。

日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が7.0ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場は2.3ポイント割安幅が縮小しました。

[
ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、改定されたOECD2011年予想実質GDP伸び率の日米差(3.5ポイント)と金利差、予想PERを考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ 2.83イント割高となっています。

市場は現在、「震災復興の日本経済への影響」、「世界の景気と金・穀物・原油価格の動き」、「米国の景気、雇用状況、住宅市況と追加金融緩和の行方」、「欧州の債務問題による金融不安の再燃」、「新興国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の4-6月期のGDPは年率で1.3%増と速報値から上方修正されました。7-9月期の主要企業の決算発表は今のところ好決算が勝っているようです。経済指標では9月の鉱工業生産指数は市場予想並みで、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀指数、9月の小売売上高、9月のISM非製造業景況感指数、9月のISM製造業景況感指数、9月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数などは市場予想を上回りましたが、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月のシカゴ連銀全米活動指数、9月の景気先行指標総合指数、10月のNY連銀製造業景気指数、10月のミシガン大学消費者態度指数、8月の個人所得は予想以下となりました。9月の雇用統計は、雇用者数の増加幅が103千人増加し、6万人程度の増加を見込んだ市場予想を大幅に上回りました。ただ、失業率は9.1%と前月と同水準で高止まり状態です。一方、住宅関連では9月の住宅着工件数10月の住宅市場指数が予想以上となりましたが、9月の中古住宅販売件数が予想以下となりました。8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で3.8%低下しました。市場予想の3.5%低下より弱い結果でした。7月に入り景気指標は改善傾向だったものの、8-9月は陰りが出ていました。10月に入り、直近は過度の景気後退懸念は無くなりつつあります。ただ、雇用と住宅関連の回復は鈍く金融緩和継続の主な原因となっています。

ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、イタリア、スペインなど欧州各国の財政赤字による国債の金利上昇が金融システム不安再燃の懸念を生んでいます。また、G202013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが背景に有ることから、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBは景気認識を引き下げ、短期金利を2013年半ばまでは超低金利で維持することを表明しました。これは長期的な円高要因です。一方、中国を初めとする新興国の利上げは景気減速で一服しています。

金融不安の気配を知る上で、金融機関間の取引金利の推移に留意することが肝要です。ちなみに、指標となるLIBORドル3ヶ月物金利の推移は1024 0.4203% 1025 0.4222% 1026 0.4247%となり上昇中です。2010年の欧州財政危機直前の昨年0503日の0.346%を超えましたので、金融システム危機が再燃してもおかしくない状態が続いています。ここ2年のMAXは昨年617日の0.539%でした。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PER13.2PBR0.98ROE7.4%となっています。PBR1.0以下ですので長期的には買い場と思われます。

[
今後の見通し]

日経平均は、NYDowの上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.2%となり、日経平均は110円の割安で、割安幅が縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-350円 ~ -100円の間で推移しています。日本市場は、ドル・ベースでは米国市場に比べ弱い動きとなっていますが、今日は弱い動きが減速しました。

日経平均を中長期的に米国市場と比較すると、テクニカルには割安で、ファンダメンタルには割高です。

日経平均は、ここからも、米国市場をにらみながら、為替の動向が鍵となりそうです。為替面では日米金利差の推移が引き続き重要ですが、今日の長期金利差は1.20と拡大したものの、為替は円高方向です。日米金利差はこのところ拡大傾向ながら、FRBによる追加金融緩和観測で円は最高値を更新しています。

テクニカルには、米国市場は、中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。一方、日経平均は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドです。

ファンダメンタル面では、EU政府債務問題が欧米の銀行の不良債権となり金融危機が再来するか否か、世界の景気後退が米国の主要企業の業績に影響するか否かが今後のテーマとなりそうです。このところ楽観的なニュースも目立ちますが、LIBOR銀行間金利は上昇が続き、欧州財政問題が金融危機に発展する要警戒状態が続いており、落ち着く気配は見えません。また、景気の減速懸念も払拭出来ていません。このような、相場環境の中、今夜の米国市場では新規失業保険申請件数、7-9月期のGDP9月の中古住宅販売成約やコカ・コーラ、エクソンモービル、プロクター・アンド・ギャンブルの決算が注目されそうです。

今日の日経平均は想定通り、ボリンジャーバンド+2σ近辺まで上昇しました。目先の上値の目安は、引き続き、ボリンジャーバンド+2σ(現在8960円近辺)で、下値の目安は25日線(現在8680円近辺)が想定されます。


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