日経平均の予想: [2011/10/23]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

Saturday, October 22, 2011

[2011/10/23]今週の日経平均の見通しと投資スタンス

[ファンダメンタルの現状認識]

先週の米国市場は、欧州債務問題に対する警戒感の一服と企業の7-9月期決算が思ったほど悪くないことから上昇しました。一方、中長期的には、先進国の緊縮財政による消費や雇用の改善の遅れ、欧州の財政問題からの金融不安再燃による信用収縮懸念や中東の地政学的リスクが、今後も相場の足を引っ張る原因となる可能性が残されています。

2011年の実質GDP伸率考慮後の日米市場のイールド・スプレッドの差は、日本市場が3.22ポイント割高となりました。その要因はS&P500PER12.0で、東証1部平均のPER13.5との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。これは、今の日経平均の価格には、震災の影響で日本の2011年のGDP予想値が2.3%程度になる(又は、日米のGDP伸び率差がOECD予想値より3.2ポイント縮まる)ことが織り込まれているとも解釈できます。

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇、

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大、

④日本の2011GDP予測値(現在-0.9%)の上方修正、

⑤外人の買い越し、

最近の動きを見ると、

① 先週のNYDowの週足は陽線となり、日足は一目均衡表の雲の上に抜けました。今週は、企業の7-9月期決算発表、10月のCB消費者信頼感指数、7-9月期のGDP、住宅関連指標などが株式相場に影響しそうですが、一目均衡表の雲の上で推移出来るかどうかが今後を占う上でカギとなりそうです。

② 日経225採用銘柄の今期予想増益率は+17%ですが、今期ROE予想値は7.9%から7.4%へやや悪化しています。

③ 日米とも長期金利は下降傾向で、日米の金利差は1.24%から1.22%に縮小し、為替は77円台から75円台で推移しました。今週も円高圧力が強い中、介入警戒感も強く75円台から77円台でもみ合う動きとなりそうです。

④ OECDによる日米の2011年の実質GDP伸び率は改定され日本が-0.9%で、米国は+2.6%と予想されていますので、この面では日本市場にとって3.5ポイント分の弱気材料です。

⑤ 102週は買い越しで103週は売り越ししだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。

5つのポイントのうち①が強気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、7.9ポイント割安となりました。先週比0.7ポイント割安幅は縮小しました。

日経平均は、一目均衡表の雲の下に在ります。200日移動平均線乖離率は-10.0%となり先週と比較してマイナス幅が拡大しました。総合乖離率は-14.5%となりマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので中期トレンドは、赤信号"が点灯しています。日経平均は25日線の上に在りますが、9日線の下に在りますので、短期的トレンドには"黄信号"が点灯しています。

米国市場ではNY Dow200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。Nasdaqは、200日線の下に在りますが、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表の雲の上に在ります。短期的には青信号"で中期的には"黄信号"が点灯しています。

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると、アフリカ・中東政情不安、資源高、新興国の利上などのリスクはやや後退しているものの、不動産市場の低迷、雇用指標の停滞、世界景気後退懸念、欧州の政府債務問題が悪材料となっています。ただ、好材料としては、FRBによる金融緩和が2013年まで継続する見通しの中、7-9月期の企業決算は概ね好調である点と10月に入り経済指標が落ち着きてきた点が挙げられます。テクニカルな面を見ると、米国市場は中期もみ合いで、短期は上昇トレンドとなっています。日本市場は中期下降トレンドで、短期はもみ合いとなっています

目先の状況を分析すると、EU政府債務問題による金融危機については、LIBORのドル3ヶ月物金利は上昇ピッチを上げており要警戒状態が続いています。一方、先週の為替は米国債金利はやや下降して、日米金利差は縮小し、円は一時高値を更新する動きとなりました。中期的な円高リスクは払しょく出来ていません。

先週の米国市場は、欧州債務問題に対する警戒感の後退と好調な企業決算で上昇しました。今週は一目均衡表の雲を上回って推移できるかどうかが注目点です。

今週の日経平均も、米国市場や為替などを睨んだ動きとなりそうです。今週も欧州銀行の破綻懸念と資本注入に関するECBEU加盟国の動き、7-9月期企業決算発表と経済指標に一喜一憂すると思われ、目先はボラティリティーの高い状況が続きそうです。先週の日経平均は予想通り、上値がボリンジャーバンド+2σで、下値が25日線の間でもみ合う動きとなりました。今週も、上値がボリンジャーバンド+2σ(現在8924)近辺で、下値が25日線(現在8657)の間でもみ合う展開となりそうです。


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