日経平均の予想: [2010/08/19]日経平均の今後の見通し

Thursday, August 19, 2010

[2010/08/19]日経平均の今後の見通し

[市況]
18日の、NYDowとNASDAQは小幅上昇しました。19の日経平均先物は、前日比10円安で寄り付きました。前場は徐々に上げる動きとなりました。後場も上昇傾向は続き、最終的に120円高で終わりました。日経平均は122円高で引け、出来高は16.6億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、870万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
18日の米国市場では、ディスカウントストア大手ターゲットの好業績見通しなどを受け、個人消費への過度の懸念が後退し、小売株が買われました。前週に株式市場は大きく下落していたため、値ごろ感からの買いが入りやすい面もあったようです。消費関連や通信サービスなどの業種が上昇する一方、原油安からエネルギー関連株などが下落しました。
19日の日本市場では、政府による追加経済対策や、日銀による追加金融緩和策など、政策期待を背景に買いが先行しました。その後も、日銀が緊急会合を開催するとの観測が伝わったことで買いが優勢となり、ジリジリと上げ幅を拡大しました。アジア市場の堅調推移もあり、高値引けで取引を終了しました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変りますた。総合乖離率は-12.1%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-7.7%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の下に在りますが、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の中に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.1ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は1.0ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.22ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出てきました。経済指標では、7月の鉱工業生産指数、7月の小売売上高、7月のISM製造・非製造業景況感指数などは市場予想を上回りましたが、8月のニューヨーク連銀景気指数、7月の既存店売上高、6月の耐久財受注、7月の消費者信頼感指数、は予想以下となりました。7月の失業率は9.5%と変わらないものの、雇用者数が事前予想以下となりました。一方、住宅関連では、6月の新築住宅販売件数は予想以上で、6月の中古住宅販売件数が市場予想ほど減りませんでしたが、6月の住宅着工件数が予想以下となりました。5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.5%で予想を上回りました。7月の景気指標と住宅関連指標はやや改善しましたが、8月はやや弱い内容です。中国の景気減速懸念も出てきました。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいますが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安はひとまず落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は08月16日 0.3619% → 08月17日 0.3522% → 08月18日 0.3455%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回りました。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は18日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.86ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが16.0、PBRが1.11、ROEが7.0%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率以上に上げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.1%となり、日経平均は10円の割安で、割安幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、-190円 ~ +20の間で推移しています。日本市場は、円安ぎみで推移いし、米国市場とほぼ均衡しました。今夜の米国市場は、新規失業保険申請件数、7月のコンファレンスボード景気先行指数、GAP、DELL、HPの決算などが注目されそうです。米国市場は消費動向懸念が後退し、確りした動きとなり、NYDowが一目均衡表の雲の上に出ました。一方、Nasdaqが一目均衡表の雲を上回るには、まだ幅があります。引き続き、上か下か、どちらに動くかが注目点です。日本市場では、政府と日銀による円高阻止の具体策に対する期待で、円安ぎみの動きとなりました。ただ、具体策が実際に出ないと円高が危惧されます。日本市場は出来高が少なく、閑散に売りなしの中でのテクニカル・リバウンドと考えられます。本格反騰開始とは言えないものの、少なくとも今週一杯は円高にはなりにくそうですので、米国市場が崩れなければ、目先は窓埋めとなる8月10日の安値9505円付近までの戻りはあっても良さそうです。


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