日経平均の予想: [2010/08/18]日経平均の今後の見通し

Wednesday, August 18, 2010

[2010/08/18]日経平均の今後の見通し

[市況]
17日の、NYDowとNASDAQは上昇しました。18の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付きました。前場は徐々に下げる動きとなり、一時30円安となる場面がありました。後場は戻す動きとなり、最終的に70円高で終わりました。日経平均は78円高で引け、出来高は15.9億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、160万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
17日の米国市場では、朝方発表の7月の卸売物価指数が市場予想を上回ったことでデフレ懸念が後退し、7月の鉱工業生産指数が2ヶ月ぶりに上昇したことで、景気の停滞に対する警戒感も和らぎました。ウォルマートが発表した5-7月期決算が市場予想を上回ったことも支援材料となりました。一方、3ヶ月ぶりに増加した7月の住宅着工件数が市場予想に届かなかったことが一部で慎重姿勢を誘いました。
18日の日本市場では、米国市場高を受けた買いが先行し、寄り付き直後から上げ幅は100円を超えました。ただ、円高への警戒感は強く、買い一巡後は上げ幅を縮小させ、一時は下げに転じる場面もみられましたが、政策介入への期待が下支えとなったほか、後場中ごろからは公的年金とみられる買い観測も伝わり、終盤は上げ幅を拡大させる場面もありました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-16.3%とマイナス幅が拡がりました。200日線との乖離率は-9.0%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、200日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6,1ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.28ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出てきました。経済指標では、7月の鉱工業生産指数、7月の小売売上高、7月のISM製造・非製造業景況感指数などは市場予想を上回りましたが、8月のニューヨーク連銀景気指数、7月の既存店売上高、6月の耐久財受注、7月の消費者信頼感指数、は予想以下となりました。7月の失業率は9.5%と変わらないものの、雇用者数が事前予想以下となりました。一方、住宅関連では、6月の新築住宅販売件数は予想以上で、6月の中古住宅販売件数が市場予想ほど減りませんでしたが、6月の住宅着工件数が予想以下となりました。5月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は+0.5%で予想を上回りました。7月の景気指標と住宅関連指標はやや改善しましたが、8月はやや弱い内容です。中国の景気減速懸念も出てきました。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいますが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安はひとまず落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は 08月13日 0.3694% → 08月16日 0.3619% → 08月17日 0.3522%と低下傾向です。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でMAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は17日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.85ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.8、PBRが1.10、ROEが7.0%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率ほどは上げませんでした。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%となり、日経平均は70円の割安で、割安幅は拡がりました。プレミアム値は、ここ1週間、-250円 ~ -10の間で推移しています。日本市場は、円高ぎみで、米国市場より弱い動きが拡大しました。今夜の米国市場は、住宅ローン申請指数、アプライドマテリアルズの決算などが注目されそうです。米国市場は経済指標を評価し反転しました。NasdaqとNYDowが一目均衡表の雲を上回る可能性も少し出てきました。上か下か、どちらに動くかが注目点です。日本市場では、政府と日銀による円高阻止の具体策に対する期待で、なんとか円高を止めている感じで、動きづらい相場です。ただ、具体策が実際に出ないと失望売りが危惧されます。日本市場は出来高が少なく、本格反騰とは考えにくいところです。日米市場とも短期的には赤信号が点灯していますので、弱含みな動きが続きそうですが、目先は窓埋めとなる8月10日の安値9505円付近までの戻りはあっても良さそうです。


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