日経平均の予想

Tuesday, April 01, 2025

[2025/04/01]今後の日経平均の見通し

[市況]

331日、NYDowは上昇し、NASDAQは下落しました。41日の日経平均先物は、前日比280円高で寄り付くと、午前中は360円高から30円高の間で上下し、午後は180円高から140円安と下落に転じて、結局、100円安で取引を終えました。日経平均の終値は6円高の35624円で、出来高は17.55億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を7日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強い状態です。

 

331日の米国市場では、トランプ政権の関税政策が米景気を押し下げるとの懸念が重石となるなか、業績が景気の影響を受けにくいディフェンシブ株が買われ、相場を支えました。月末・四半期末とあって、機関投資家の持ち高調整の買いも入りました。NYDow4営業日ぶりに反発しましたが、NASDAQは小幅に4日続落しました。

41日の日本市場では、前日までの大幅な株安の反動で、自律反発狙いの買いが先行しました。ただ、日経平均が節目の36000円を上回ると、戻り待ちの売りが出て相場の上値を抑えました。発動が迫る米相互関税の不透明感が重石となったほか、4月第1週とあって、機関投資家が含み益のある保有株を売却する「期初の益出し」も出やすかったようです。日経平均は4営業日ぶりに小反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-19.8%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-7.5%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-1.0ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が360円ほど割安であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-6.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2460円ほど割安であることを示しています

 

日経VI27.79と前日より低下し、VIX22.28と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.3、米国-0.6と日本が4.7ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.69ポイント(日経平均換算で41930円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

3月のシカゴ購買部協会景気指数、3月の耐久財受注、3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数、2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注は市場予想を上回りました。一方、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.63PBR1.34となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+6.6%で、こちらは3か月前より2.3ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-4.0%となり、日経平均の割安幅は870円から1480円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1480円~-70円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.72ポイントから2.70ポイントに縮小しましたが、ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

41日の米国市場では、2月の雇用動態調査(JOLTS)求人件数や、3月のISM製造業景況指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを140円ほど下回り、下値は想定ラインを220円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-2σ+200円(現在36200円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ+100円(現在35420円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は反発できず、相場の弱さを再確認する形となりました。下げ止まるには、もう少し値幅か時間が必要なようです。



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Monday, March 31, 2025

[2025/03/31]今後の日経平均の見通し

[市況]

328日、NYDowNASDAQは大幅下落しました。328日の日経平均先物は、前日比920円安で寄り付くと、午前中は850円安から1400円安と下落幅を拡げ、午後は1430円安から1220円安の間でもみあって、結局、1290円安で取引を終えました。日経平均の終値は1502円安の35617円で、出来高は23.36億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナスに転換しました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態となりました。

空売り比率は、5日平均を6日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強い状態です。

 

328日の米国市場では、米政権の関税政策が貿易戦争の激化につながるとの警戒感が強まるなか、2月の個人消費支出(PCE)物価指数のコア指数が市場予想を上回ったことや、3月のミシガン大学消費者態度指数で1年先のインフレ予想が上方修正されたことなどを受け、インフレ圧力の強さが改めて意識され、株売りにつながりました。NYDowNASDAQは大幅に3日続落しました。

331日の日本市場では、景気後退やインフレ再燃への警戒感を背景に前週末の米株式市場で主要3指数がそろって下落した流れを受け、幅広い銘柄に売りが膨らみました。トランプ大統領が相互関税について「すべての国と地域が対象になる」と述べたことも投資家心理の重石となりました。日経平均は大幅に3日続落し、およそ7か月半ぶりの安値水準を付けました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。

総合乖離率は-20.4%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-7.6%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線の下にあり、9日線と200日線を下回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から赤信号に変わりました。中期トレンドも黄信号から赤信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-1.2ポイントとマイナスに転じ、日経平均が430円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-6.1ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が2170円ほど割安であることを示しています

 

日経VI28.40と前日より上昇し、VIX21.65と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.5、米国-0.6と日本が4.9ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.88ポイント(日経平均換算で44260円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数、2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER14.29PBR1.31となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+6.8%で、こちらは3か月前より2.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.3%となり、日経平均の割安幅は700円から870円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-870円~-70円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.79ポイントから2.72ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。日経平均も同様に、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

331日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。個別の材料が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1030円ほど下回り、下値は想定ラインを1000円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド-2σ+200円(現在36400円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-3σ(現在35920円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は大幅に続落しました。311日の安値を終値で下回ったので、目先、一段安を覚悟しておく必要がありそうです。



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Saturday, March 29, 2025

[2025/3/30]今週の日経平均の見通し

 [ファンダメンタル視点]

先週の米国市場では、米政権の関税政策による貿易摩擦の激化やインフレ懸念・半導体株の下落が重なり、株価指数は週間では下落しました。

週間変動率 NYダウ:-0.96%, NASDAQ:-2.59%, S&P500:-1.53.

 

一方、中長期的なリスクとしてはウクライナ紛争の長期化懸念、エネルギー・コスト、金利上昇による金融不安と世界経済の減速懸念、不動産バブル崩壊と中国の景気減速懸念があります。また、このことから、スタグフレーションの到来も懸念されています。さらに、東アジア、中東の地政学的リスクにも引き続き注意が必要です。

 

日米市場のイールド・スプレッドの差は、2025年のOECDの名目GDP予想値を考慮すると、日本市場が3.45ポイント割安となっています。割安の要因はS&P500PER21.1対して、日経平均採用銘柄の今期予想PER15.2との差と日米金利差、GDP伸率差によるものです。

日米市場が均衡するためには、次の条件が必要です。

現在の日経平均の価格に対して、2025年の日米のGDP伸び率差がOECD予想値に比べ、さらに3.45ポイント拡大する。(日本が下方修正又は米国が上方修正される)。又は、日経平均採用銘柄の今期予想PER32.1程度になる。又は、日経平均が78,180円程度となる。

結果的に、中長期的に日本市場は41,060円ほど割安です。

 

ファンダメンタルからは、日本市場は米国市場に比べ、41,060円ほど魅力に欠けるとも言えます。先週、日本市場の弱さは拡大しました。

      

[日経平均上昇の条件]

今後、日経平均がさらに上昇する為には次の前提条件が必要と思われます。

①米国市場の上昇

②従来以上の今期の予想増益率のUP

③日米の金利差の拡大による一段の円安

OECDによる日本の2025GDP予測値(現在+3.3%)の上方修正

⑤外人の買い越し

 

先週の動きを見ると、

  先週のNYDowの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。NASDAQの週足は陰線となりました。日足は200日線の下に在り、一目均衡表の雲の下に在ります。今週は、NYダウが25日線の上に戻れるか否かに注目。

  決算の発表の結果、日経225採用銘柄のROE予想値は+9.2%となりました。3ヶ月前に比べて0.1%ポイント改善しています。また、利益伸び率は+6.8%となりました。3ヶ月前に比べて+4.7%ポイント改善しています。

  米国の長期金利は横ばいで、日米間の金利差は2.74から2.7と縮小したものの、ドル円は149円台から151円台の範囲で円安方向に動きました。ドル・インデックスは週間で-0.13%上昇しました。

  OECDの日米の2025年の名目GDP伸び率は、日本が+3.3%で、米国は+4.4%と予想されていますので、この面では日本市場の方が1.1ポイント劣ります。

  3月第3週は買い越しで、3月第4週は売り越しだった可能性が高く、今週は売り越しが予想されます。先週は、5つのポイントのうち、①が弱気材料でした。今週は、①②③⑤が影響すると思われます。

 

[テクニカル視点]

日本市場をテクニカル面で見ると、NASDAQとの200日線乖離率差では、中長期的に2.7ポイント(日経平均に勘算すると1000円程度)割高です。一方、NYDowとの200日線乖離率差では、中長期的に2.2ポイント(日経平均に勘算する820円程度)割安です。

 

日本市場はNYダウとNASDAQに対してはまちまちな状態です。米国市場のボラティリティーを示す指標である VIX は、週間で 21.7 と上昇しました。 日経 VI は 週間で 22.7と上昇しました。米国市場と日本市場とも不安定です。

 

日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには"信号”が点灯しています。

日経平均は一目均衡表の雲の下にあります。総合乖離率は-9.0%、200日移動平均線との乖離率は-3.7%。これら3つの要因がマイナスですので、中期トレンドには"赤信号が点灯しています。

                                                        

NYDowは、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の下にあります。一目均衡表では雲の下にあります。

米国市場は、短期的には"赤信号”で、中期的には"信号”が点灯しています。

 

[今週の見通し]

米国市場をファンダメンタル面で見ると目先、景気後退懸念は後退しています。ただ、ロシア・ウクライナ戦争によるインフレと金利上昇、EU圏のエネルギー不足と政治情勢悪化などによる景気後退、米中貿易摩擦、中国の不動産バブルの崩壊と信用収縮に伴う金融市場混乱、中東の地政学的リスク拡大などがリスク要因として存在します。

 

テクニカルな面を見ると、米国市場は中期下降トレンドで、短期はもみあいです。

日本市場は中期下降トレンドで、短期はもみあいです。

 

為替市場を分析すると、20251月につけた156円をトップに円高方向に転換しています。今週は149円台から151円台が想定されます。

 

今週の米国市場では、米国への輸入品に対する相互関税が42日に発動されるため、投資家は貿易戦争の動向を注意深く見守ることになります。また、雇用統計は、ISM PMIとともに注目されます。世界的には、中国のPMI、日本の短観、ユーロ圏のインフレ率とPMI、ドイツの製造業受注も注目されます。

 

先週の日経平均は想定範囲を下振れしました。上値は210円下回り、下値は180円下回りました。

今週の日経平均の想定範囲は、上値が25日線(現在37600円近辺)で、下値がボリンジャーバンド-2σ(現在36490円近辺)の間での動きが想定されます。

                       

今週の日経平均は2番底を探る動きとなりそうです。


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Friday, March 28, 2025

[2025/03/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

327日、NYDowNASDAQは下落しました。328日の日経平均先物は、前日比30円安で寄り付くと、午前中は10円安から410円安と下落幅を拡げ、午後は510円安から250円安の間で上下して、結局、400円安で取引を終えました。日経平均の終値は679円安の37120円で、出来高は19.39億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を5日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強い状態です。

 

327日の米国市場では、米政権の関税政策が寛大なものになるとの期待から買いが優勢となる場面もありましたが、新たに発表された追加の自動車関税への警戒感から関連株が売られ、相場を下押ししました。また、AI開発投資の盛り上がりが一服しつつあるとの見方から、半導体やハイテク株の一角も売られました。結局、NYDowNASDAQは続落しました。

328日の日本市場では、目新しい買い材料が不足するなか、米政権の関税政策やAI需要減速への警戒感が投資家心理の重石となり、幅広い銘柄で売りが優勢となりました。3月期末の配当の権利落ち日を迎えたことも、指数の下押し要因となりました。日経平均は大幅に続落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線を下回りました。短期トレンドは青信号から赤信号に変わりました。

総合乖離率は-9.0%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-3.7%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドにも赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+0.1ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が40円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、-3.9ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1450円ほど割安であることを示しています

 

日経VI22.67と前日より上昇し、VIX19.09と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.0、米国-0.4と日本が4.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.49ポイント(日経平均換算で41980円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP確定値は前期比年率2.4%増で、改定値の2.3%から上方修正されました。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数、2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売仮契約指数、2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.22PBR1.39となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.1%で、こちらは3か月前より2.1ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.8%となり、日経平均の割安幅は290円から700円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-700円~+260円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.77ポイントから2.79ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的にも下降トレンドです。

 

328日の米国市場では、2月の個人消費支出(PCEデフレーター)などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを890円ほど下回り、下値は想定ラインを630円ほど下回りました。目先は、25日線(現在37600円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ-300円(現在36740円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、強い状態です。日経平均は続落し、25日線を下回りました。42日の米関税発動というイベントを通過するまでは、36600円~38200円のレンジ内での推移が続きそうです。



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Thursday, March 27, 2025

[2025/03/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

326日、NYDowNASDAQは下落しました。327日の日経平均先物は、前日比390円安で寄り付くと、午前中は210円安から510円安の間で上下し、午後は480円安から280円安の間でもみあって、結局、390円安で取引を終えました。日経平均の終値は227円安の37799円で、出来高は20.63億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

326日の米国市場では、「中国が先端半導体の使用をめぐるエネルギー効率の規制を強化し、エヌビディア製品の販売を禁じる可能性がある」との報道を受けてエヌビディアなど半導体株が売られ、相場を押し下げました。米政権による自動車向け関税引き上げへの警戒から、自動車株にも売りが出ました。NYDowNASDAQ4営業日ぶりに反落しました。

327日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受け、半導体関連株が売られました。また、米政権が輸入自動車に25%の関税をかけると発表したことから、自動車株が軒並み大幅安となりました。一方で、配当取り狙いの買いや、配当の再投資を意識した買いが入り、相場の下値を支えました。日経平均は3日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は-4.0%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-2.0%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+1.3ポイントとプラスに転じ、日経平均が490円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-2.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が980円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.83と前日より上昇し、VIX18.33と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国-0.4と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.38ポイント(日経平均換算で41210円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数、2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.42PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.0%で、こちらは3か月前より2.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均の割安幅は70円から290円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-290円~+400円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.77ポイントから2.77ポイントと横ばいでした。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

327日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、1012月期のGDP改定値、2月の中古住宅販売仮契約指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲をやや下ぶれしました。上値は想定ラインを540円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在38530円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在37640円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は25日線を一時的に下回りました。42日の米関税発動というイベントを通過するまでは、37600円~38100円のレンジ内での推移が続きそうです。



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