[市況]
1月28日、NYDowとNASDAQは上昇しました。1月29日の日経平均先物は、前日150円高で寄り付くと、午前中は430円高から570円安と下落に転じ、午後は500円安から120円安の間で上下して、結局、390円安で取引を終えました。日経平均の終値は16円高の53375円で、出来高は25.04億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態ですが、売られ過ぎの水準です。
空売り比率は、5日平均を上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
1月28日の米国市場では、中国当局がエヌビディアのAI半導体H200の輸入を認めたと伝わり、同社株が買われました。また、好決算を材料にハードディスクドライブのシーゲート・テクノロジーが買われ、他のAIハードウェア関連銘柄にも買いが波及しました。FRBはFOMCで4会合ぶりに政策金利の据え置きを決定しましたが、これは想定どおりと受け止められました。結局、NYDowは小幅に反発し、NASDAQは6日続伸しました。
1月29日の日本市場では、前日午後に買われた半導体関連株の一角に利益確定の売りが出て、相場の重石となりました。米マイクロソフトが時間外取引で下落したことも投資家心理の重石となりました。一方、前日に好決算を発表したアドバンテストには買いが向かい、指数を支えました。日経平均は小幅に3日続伸しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上にあり、9日線を上回りました。短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
総合乖離率は+29.0%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+21.6%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。
NYDowは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。中期トレンドにも青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+11.0ポイントとプラス幅を縮め、日平均が5870円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+13.6ポイントとプラス幅を縮め、日経平均7260円ほど割高であることを示しています。
日経VIは33.20と前日より低下し、VIXは16.35と前日比横ばいでした。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30を越えています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.82、米国-0.10と日本が2.72ポイント割安ですが、OECDの2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)は1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.93ポイント(日経平均換算で11970円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「南米や中東、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の7~9月期のGDP改定値は前期比年率4.4%増で、速報値の4.3%増を上回りました。また、7~9月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
11月の耐久財受注、12月の鉱工業生産指数、11月の小売売上高、1月のミシガン大学消費者信頼感指数、12月のISM非製造業景況指数、12月のシカゴ購買部協会景気指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。一方、12月の消費者物価指数、12月のISM製造業景況指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の12月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比5.0万人増で、市場予想の7.3万人増を下回りました。一方、失業率は4.4%で、前月の4.6%から改善されました。雇用は中立的で、FRBの利下げペースに影響を与えるほどではないと受け止められています。
米国の住宅関連の指標は:
12月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。一方、12月の中古住宅販売仮契約指数、1月の住宅市場指数、10月の新築住宅販売件数数、10月の住宅着工件は市場予想を下回りました。11月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.4%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという点では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、1月のFOMCでは4会合ぶりに政策金利を据え置きました。市場は、パウエル議長が在任中に追加利下げをする可能性は低いと見ています。ECBは、12月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、1月の金融政策決定会合では政策金利を0.75%に据え置きました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが19.75、PBRが1.74となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは8.8%となり、これは3か月前より0.1ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は-3.7%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの上昇と歩調を合わせて上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+4.0%となり、日経平均の割高幅は2710円から2050円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、+670円~+2710円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、2.01ポイントから2.03ポイントに拡大しました。ドル円相場はもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。
1月29日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数、11月の貿易収支、11月の製造業受注のほか、アップル、サウスウエスト航空、コムキャスト、ロッキード・マーチン、マスターカード、ブラックストーン、シャーウィン・ウィリアムズ、ハネウェル・インターナショナル、キャタピラーなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、AI関連投資の先行きや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲内で推移しました。上値は想定ラインを270円ほど下回り、下値は想定ラインを360円ほど上回りました。目先はボリンジャーバンド+1σ+200円(現在53920円近辺)が上値の目安に、25日線+300円(現在52630円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、30を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均はここ数日、下値を切り上げており、上昇基調はかろうじて維持されている形ですが、三角持ち合いの形にもなっており、そろそろ上下どちらかに大きく動きそうです。
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