[市況]
1月7日、NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました。1月8日の日経平均先物は、前日90円安で寄り付くと、午前中は50円安から560円安と下落幅を拡げ、午後は470円安から920円安と下落幅を拡げて、結局、820円安で取引を終えました。日経平均の終値は844円安の51117円で、出来高は23.31億株と高水準でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。
1日7日の米国市場では、短期的な過熱感が意識され、景気敏感株を中心に利益確定の売りが広がりました。11月のJOLTS求人数や12月のADP雇用統計は労働市場の冷え込みを示す内容でしたが、FRBの利下げ観測に影響を与えるほどではないと受け止められ、さほど材料視されませんでした。世界最大のテクノロジー見本市CESが開催中とあって、ハイテク関連への買いは旺盛でした。NYDowは4営業日ぶりに反落し、NASDAQは3日続伸しました。
1月8日の日本市場では、中国政府が日本に対するレアアース輸出を規制するとの警戒感が引き続き投資家心理の重石となりました。加えて、中国当局が日本から輸出されるジクロロシラン(半導体製造に欠かせない化学物質)について反ダンピング調査を開始したとも伝わり、信越化学工業など関連株が売られました。年初の相場急騰を受けて短期的な過熱感も意識されており、手じまい売りも盛んでした。日経平均は大幅に続落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。
総合乖離率は+24.8%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+19.6%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドにも青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の上にあります。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQも、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドにも青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+7.5ポイントとプラス幅を縮め、日平均が3830円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+10.0ポイントとプラス幅を縮め、日経平均5110円ほど割高であることを示しています。
日経VIは30.47と前日よりやや低下し、VIXは15.38と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安心理を強めているとされる20を大きく上回り、30に達しています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-3.14、米国-0.24と日本が2.90ポイント割安ですが、OECDの2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.5、米国が+4.3)は1.8ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より1.11ポイント(日経平均換算で13790円)割安となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「南米や中東、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の7~9月期のGDP速報値は前期比年率4.3%増で、市場予想の3.2%増を上回りました。また、7~9月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
12月のISM非製造業景況指数、12月のシカゴ購買部協会景気指数、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月のニューヨーク連銀製造業景況指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、7月の製造業受注は市場予想を上回りました。一方、12月のISM製造業景況指数、11月の消費者物価指数、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の小売売上高、8月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は7勝5負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
米国の11月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比6.4万人増で、市場予想の4.5万人増を上回りました。一方、失業率は4.6%で、前月の4.4%から悪化しました。雇用は強弱両面あり、中立的で、FRBの利下げペースに影響を与えるほどではないと受け止められています。
米国の住宅関連の指標は:
11月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を上回りました。また、12月の住宅市場指数、11月の中古住宅販売件数は市場予想と一致しました。一方、10月の新築住宅販売件数数、10月の住宅着工件は市場予想を下回りました。10月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.3%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は4勝2負で、景気面では強気材料ですが、利下げペースが落ちるという点では弱気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは12月のFOMCで0.25%の追加利下げを決定しました。ただ、次回会合の政策の方向性には慎重さを滲ませています。ECBは、12月の会合でも利下げを見送り、中銀預金金利を2.00%に据え置きました。日銀は、12月の金融政策決定会合で0.25%の利上げを決定しました。ただ、声明文では今後の利上げについて言及を避けました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが19.22、PBRが1.71となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは8.9%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は-3.3%で、こちらは3か月前より6.8ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落と歩調を合わせて下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均は80円の割高から320円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-320円~+1280円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、2.04ポイントから2.07ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的には上昇トレンドで、中期的にも上昇トレンドです。
1月8日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数などが注目されるでしょう。引き続き、AI関連投資の先行きや長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを520円ほど下回り、下値は想定ラインを230円ほど下回りました。目先はボリンジャーバンド+1σ+400円(現在51680円近辺)が上値の目安に、25日線(現在50470円近辺)が下値の目安となります。
日経VIは、依然として30を上回る高水準にあります。また、信用の売り圧力は強まりました。日経平均は続落しました。25日線(現在50468円)で踏みとどまって上昇トレンドを維持できるかどうかが、目先の注目点となりました。
ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
