[市況]
7月20日、NYDowとNASDAQは下落しました。7月21日の日経平均先物は、前日比330円高で寄り付くと、午前中は460円安まで下落したのち980円高まで上昇幅を拡げ、午後は820円高から1600円高と上昇幅を拡げて、結局、1550円高で取引を終えました。日経平均の終値は2091円高の66232円で、出来高は23.22億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラスに転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態となりました。
空売り比率は、5日平均を6日連続で下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
7月20日の米国市場では、「イエメンの親イラン武装組織フーシが紅海の海上封鎖を実施すると宣言した」旨が伝わり、原油価格高止まりへの警戒感から、消費関連株や景気敏感株を中心に売りが広がりました。足元で売られていたAMDやブロードコムなどAI・半導体関連株の一角には買いが向かいましたが、買い一巡後は伸び悩みました。結局、NYDowとNASDAQは3日続落しました。
7月21日の日本市場では、連休前の大幅な株安の反動で、幅広い銘柄に自律反発狙いの買いが膨らみました。また、前日の米株式市場でAI・半導体関連株が買われたことや、調整色を強めていたKOSPI(韓国総合株価指数)が反発したことが、AI需要が中長期的に拡大する状況は変わらないとの見方につながり、半導体関連株への買いを促しました。日経平均は3営業日ぶりに大幅に反発しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線の下にあります。短期トレンドには赤信号が点灯しています。
総合乖離率は+17.6%とプラス幅を拡げ、200日線との乖離率も+17.8%とプラス幅を拡げました。一目均衡表では雲の上に出ました。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドは黄信号から青信号に変わりました。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。
NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の中にあります。米国市場の短期トレンドには赤信号が点灯しています。中期トレンドには黄信号が点灯していま。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+11.3ポイントとプラス幅を拡げ、日平均が7480円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+11.8ポイントとプラス幅を拡げ、日経平均が7820円ほど割高であることを示しています。
日経VIは33.07と前日より低下し、VIXは18.66と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を依然として大きく上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.85、米国-0.06と日本が2.79ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.11ポイント(日経平均換算で1320円)割高となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP確定値は前期比年率2.1%増で、改定値の1.6%増から上方修正されました。また、1~3月期の米企業の決算は、概ね好調でした。
米国の経済指標は:
7月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の耐久財受注、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の製造業受注は市場予想を上回りました。また、5月の消費者物価指数は市場予想と一致しました。一方、6月の鉱工業生産指数、6月の小売売上高、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月のISM製造業景況指数、6月のISM非製造業景況指数、6月のシカゴ購買部協会景気指数、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標5勝7負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の6月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比5.7万人増で、市場予想の11.5万人増を下回りました。一方、失業率は4.2%で、前月の4.3%からやや改善されました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
6月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。6月の中古住宅販売仮契約指数、7月の住宅市場指数、6月の中古住宅販売件数、5月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.14%で、市場予想の+0.9%を上回りました。住宅関連の指標は2勝4負で、景気面では弱気材料ですが、利上げペースが下がるという面では強気材料です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、6月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、年内に利上げに転換する見通しを示しました。ECBは6月の会合で、およそ3年ぶりに0.25ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀も、6月の金融政策決定会合で政策金利を現在の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決定しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.99、PBRが1.90となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.6%となり、これは3か月前より1.7ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+11.9%で、こちらは3か月前より13.3ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.5%となり、日経平均の割安幅は4500円から2410円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-6020円~-1360円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.85ポイントから1.87ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安水準でもみあいました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的には下降トレンドで、中期的にはもみあいです。日経平均は、短期的には下降トレンドで、中期的には上昇トレンドです。
7月21日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。ダナハー、GM、3M、ハリバートン、ノースロップ・グラマン、DRホートン、ハズブロ、マーシュ・アンド・マクレナン、エクイファックス、チャブ、シンクロニー・ファイナンシャルなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、長期金利や原油価格の推移も相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを1040円ほど上回り、下値は想定ラインを760円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド-1σ+200円(現在67350円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-2σ+300円(現在65600円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は大幅に反発しましたが、自律反発とみられ、目先はボリンジャーバンド-2σに沿った動きとなりそうです。
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