[市況]
7月1日、NYDowとNASDAQは下落しました。7月2日の日経平均先物は、前日比1070円安で寄り付くと、午前中は1180円安から600円安と下落幅を縮め、午後は770円安から1810円安と再び下落幅を拡げて、結局、1780円安で取引を終えました。日経平均の終値は1741円安の68733円で、出来高は24.08億株でした。
高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡げました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。
空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、弱まりました。
7月1日の米国市場では、大規模クラウド事業者によるAI投資は過剰であるとの観測が浮上し、マイクロン・テクノロジーやインテルなど半導体株が売られ、相場の重石となりました。一方、FRBのウォーシュ議長がECBフォーラムの討論会で「就任後にインフレ期待やインフレリスクが低下した」との認識を示したことは、早期利上げ観測を後退させるものとして好感されました。NYDowとNASDAQは3営業日ぶりに反落しました。
7月2日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受けてAI・半導体関連銘柄が軒並み売られ、指数を押し下げました。一方、出遅れていた金融セクターや、自動車や商社といったバリュー(割安)株には個人投資家の買いが向かいました。東証プライム市場では8割近くの銘柄が上昇するなど、相場全体でみると地合いはしっかりでしたが、日経平均は4営業日ぶりに大幅に反落しました。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上にありますが、9日線の下にあります。短期トレンドには黄信号が点灯しています。
総合乖離率は+37.7%とプラス幅を縮め、200日線との乖離率も+25.4%とプラス幅を縮めました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスであり、中期トレンドには青信号が点灯しています。
ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線の上にありますが、9日線の下にあり、25日線を下回りました。
NYDowは、9日線・25日線・200日線の上にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、9日線と200日線の上にありますが、25日線を下回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドには青信号が点灯しています。
日経平均とNASDAQの200日移動平均乖離率の差は、+15.7ポイントとプラス幅を縮め、日平均が10790円ほど割高であることを示しています。また、NYDowとの差は、+17.5ポイントとプラス幅を縮め、日経平均が12030円ほど割高であることを示しています。
日経VIは24.74と前日より低下し、VIXは16.97と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が不安を強めているとされる目安の20を依然として上回っています。
[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドは、日本-2.85、米国-0.17と日本が2.68ポイント割安ですが、OECDの2026年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+5.8)は2.9ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より0.22ポイント(日経平均換算で2580円)割高となっています。
市場は現在、「AIへの大規模投資の合理性」「中東や南米、ウクライナをめぐる地政学的リスク」「米関税政策が世界経済に与える影響」「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。
米国の1~3月期のGDP改定値は前期比年率1.6増で、速報値の2.0%増から下方修正されました。また、1~3月期の米企業の決算は、概ね好調です。
米国の経済指標は:
6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の小売売上高、6月のミシガン大学消費者信頼感指数、4月の製造業受注、5月のISM非製造業景況指数、5月のISM製造業景況指数、5月のシカゴ購買部協会景気指数、4月の消費者物価指数、4月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、6月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、6月のニューヨーク連銀製造業景況指数、5月の鉱工業生産指数は市場予想を下回りました。経済指標は9勝3負で、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
米国の5月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比17.2万人増で、市場予想の11万人増を上回りました。また、失業率は4.3%で、前月の4.3%から横ばいでした。雇用は、景気面では強気材料ですが、利上げペースが上がるという点では弱気材料です。
米国の住宅関連の指標は:
5月の中古住宅販売件数は市場予想を上回りました。また、3月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想と一致しました。一方、5月の新築住宅販売件数、5月の住宅着工件数、5月の住宅市場指数は市場予想を下回りました。4月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+1.14%で、市場予想の+0.9%を上回りました。住宅関連の指標は3勝3負で、景気・金利の両面で中立です。
欧米日の金融政策は:
FRBは、6月のFOMCでも政策金利を据え置きましたが、年内に利上げに転換する見通しを示しました。ECBは6月の会合で、およそ3年ぶりに0.25ポイントの利上げを実施し、中銀預金金利を2.25%としました。日銀も、6月の金融政策決定会合で政策金利を現在の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決定しました。
日経平均採用銘柄全体では、今期予想PERが17.83、PBRが1.87となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROEは10.5%となり、これは3か月前より1.6ポイント改善されています。また、今期予想利益の伸率は+11.6%で、こちらは3か月前より12.9ポイント改善されています。
[今後の見通し]
日経平均は、前日のNYDowの下落率以上に下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-2.1%となり、日経平均は160円の割高から1430円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-1430円~+370円の間で推移しています。
日米の長期金利の差は、1.78ポイントから1.73ポイントに縮小しました。ドル円相場は円高方向に推移しました。
テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も同様に、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。
7月2日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、6月の雇用統計、5月の製造業新規受注などが注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向なども株式相場に影響を与えそうです。
きょうの日経平均は、想定範囲を下ぶれしました。上値は想定ラインを1690円ほど下回り、下値は想定ラインを290円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-700円(現在70070円近辺)が上値の目安に、25日線-1200円(現在67160円近辺)が下値の目安となります。
日経平均は4日ぶりに反落し、25日線に再び接近しました。米雇用統計の発表を受けて25日線を割り込むかどうかが、目先の注目点です。
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