日経平均の予想: [2025/03/27]今後の日経平均の見通し

Thursday, March 27, 2025

[2025/03/27]今後の日経平均の見通し

[市況]

326日、NYDowNASDAQは下落しました。327日の日経平均先物は、前日比390円安で寄り付くと、午前中は210円安から510円安の間で上下し、午後は480円安から280円安の間でもみあって、結局、390円安で取引を終えました。日経平均の終値は227円安の37799円で、出来高は20.63億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を4日連続で上回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、強まりました。

 

326日の米国市場では、「中国が先端半導体の使用をめぐるエネルギー効率の規制を強化し、エヌビディア製品の販売を禁じる可能性がある」との報道を受けてエヌビディアなど半導体株が売られ、相場を押し下げました。米政権による自動車向け関税引き上げへの警戒から、自動車株にも売りが出ました。NYDowNASDAQ4営業日ぶりに反落しました。

327日の日本市場では、前日の米ハイテク株安を受け、半導体関連株が売られました。また、米政権が輸入自動車に25%の関税をかけると発表したことから、自動車株が軒並み大幅安となりました。一方で、配当取り狙いの買いや、配当の再投資を意識した買いが入り、相場の下値を支えました。日経平均は3日ぶりに反落しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線と25日線の上にあります。短期トレンドには青信号が点灯しています。

総合乖離率は-4.0%とマイナス幅を拡げ、200日線との乖離率も-2.0%とマイナス幅を拡げました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線と200日線の下にあり、9日線を下回りました。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、9日線と200日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドにも黄信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、+1.3ポイントとプラスに転じ、日経平均が490円ほど割高であることを示しています。一方、NYDowとの差は、-2.6ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が980円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.83と前日より上昇し、VIX18.33と前日より上昇しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国-0.4と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.38ポイント(日経平均換算で41210円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数、2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、2月の新築住宅販売件数、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数は市場予想を下回りました。1月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.7%で、市場予想を下回りました。住宅関連の指標は24負で、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは、米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.42PBR1.41となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.0%で、こちらは3か月前より2.5ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの下落と連動して下げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.8%となり、日経平均の割安幅は70円から290円に拡大しました。プレミアム値は、ここ一週間、-290円~+400円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.77ポイントから2.77ポイントと横ばいでした。ドル円相場はもみあいました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

327日の米国市場では、週間の新規失業保険申請件数や、1012月期のGDP改定値、2月の中古住宅販売仮契約指数などが注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲をやや下ぶれしました。上値は想定ラインを540円ほど下回り、下値は想定ラインを20円ほど下回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ+100円(現在38530円近辺)が上値の目安に、25日線-100円(現在37640円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。また、信用の売り圧力は、強まりました。日経平均は25日線を一時的に下回りました。42日の米関税発動というイベントを通過するまでは、37600円~38100円のレンジ内での推移が続きそうです。



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