日経平均の予想: [2025/03/25]今後の日経平均の見通し

Tuesday, March 25, 2025

[2025/03/25]今後の日経平均の見通し

[市況]

324日、NYDowNASDAQは大幅上昇しました。325日の日経平均先物は、前日比400円高で寄り付くと、午前中は520円高から250円高と上昇幅を縮め、午後は320円高から80円高の間でもみあって、結局、230円高で取引を終えました。日経平均の終値は172円高の37780円で、出来高は16.40億株でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を2日連続で上回りましたが、個別銘柄への信用の売り圧力は、弱い状態です。

 

324日の米国市場では、米政権が近く導入予定の相互関税について、対象となる国や品目は限定されると伝わり、安心感から主力株に買いが広がりました。アマゾン・ドット・コムやエヌビディア、テスラなど主力ハイテク株への買いも相場を押し上げました。NYDowNASDAQは続伸しました。

325日の日本市場では、前日の米ハイテク株高や円相場の下落を受けて買いが先行しましたが、日経平均が38000円を上回ったあとは戻り待ちの売りなどが相場の上値を抑える展開となりました。米関税政策への警戒感は根強く、また、国内長期金利の上昇も重石となったようです。日経平均は4日ぶりに反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、9日線の上にあり、25日線に到達しました。短期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

総合乖離率は-6.5%とマイナス幅を縮め、200日線との乖離率も-2.0%とマイナス幅を縮めました。一目均衡表では雲の下にあります。3つの要素すべてがマイナスであり、中期トレンドには赤信号が点灯しています。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、25日線の下にありますが、9日線の上にあり、200日線を上回りました。一目均衡表では雲の下にあります。NASDAQは、25日線と200日線の下にありますが、9日線の上にあります。一目均衡表では雲の下にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドも赤信号から黄信号に変わりました。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-0.3ポイントとマイナスに転換し、日経平均が110円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-3.0ポイントとマイナス幅を拡げ、日経平均が1130円ほど割安であることを示しています

 

日経VI21.39と前日よりやや低下し、VIX17.61と前日より低下しました。日経VIは、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態であり、前日比で弱さは拡大しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-4.9、米国-0.4と日本が4.5ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+3.3、米国が+4.4)1.1ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より3.36ポイント(日経平均換算で40760円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の1012月期のGDP改定値は前期比年率2.3%増で、速報値の2.3%増と同水準でした。また、1012月期の米企業の決算は、概ね好調です。

 

経済指標を見てみます。

3月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、2月の鉱工業生産指数、2月のISM非製造業景況指数、1月の製造業受注、2月のシカゴ購買部協会景気指数、2月の耐久財受注は市場予想を上回りました。一方、3月のニューヨーク連銀製造業景況指数、2月の小売売上高、3月のミシガン大学消費者信頼感指数、2月の消費者物価指数、2月のISM製造業景況指数、2月のコンファレンスボード消費者信頼感指数は市場予想を下回りました。経済指標は66負で、景気・金利の両面で中立です

 

米国の2月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比15.1万人増で、市場予想の16万人増を下回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.0%から悪化しました。雇用は、景気面では弱気材料ですが、利下げペースが上がるという面では強気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

2月の中古住宅販売件数、2月の住宅着工件数は市場予想を上回りました。一方、3月の住宅市場指数、1月の中古住宅販売仮契約指数、1月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。12月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+4.5%で、市場予想を上回りました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRBは米経済は堅調であるとして利下げを急がない姿勢を示しており、年内の利下げ回数は2回との見通しを維持しています。ECBは、5会合連続で利下げを実施し、中銀預金金利を2.5%としました。日銀は、3月の金融政策決定会合では0.5%の金利水準を維持しました。既に、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.45PBR1.42となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE9.2%となり、これは3か月前より0.1ポイント改善されています。一方、今期予想利益の伸率は+7.3%で、こちらは3か月前より2.4ポイント悪化しています。


[今後の見通し]

日経平均は、前日のNYDowの上昇と連動して上げました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.6%となり、日経平均は260円の割高から230円の割安に転換しました。プレミアム値は、ここ一週間、-230円~+940円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、2.75ポイントから2.76ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的にももみあいです。日経平均は、短期的には上昇トレンドで、中期的には下降トレンドです。

 

325日の米国市場では、2月の新築住宅販売件数や、3月のコンファレンスボード消費者信頼感指数のほか、マコーミックなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、関税政策の景気への影響や、長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを40円ほど上回り、下値は想定ラインを560円ほど上回りました。目先は、ボリンジャーバンド+1σ-300円(現在38230円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ+300円(現在37330円近辺)が下値の目安となります。

 

日経VIは、目安の20を上回っています。一方、信用の売り圧力は、弱い状態です。朝方の勢いは続かず、日経平均は伸び悩みました。やはり、年度末までは、下降中の25日線を挟んだ動きが続きそうです。



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