日経平均の予想: [2010/10/01]日経平均の今後の見通し

Friday, October 01, 2010

[2010/10/01]日経平均の今後の見通し

[市況]
30日のNYDowとNASDAQは下落しました。1日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付きました。前場は小動きでしたが、後場は20円安まで下げた後戻す展開となりましたが引け際に下げ、最終的に30円高で終わりました。日経平均は34円高で引け、出来高は20.9億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、30万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス転換しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
30日の米国市場では、4-6月期の実質GDP成長率が改定値から上方修正され、週間の新規失業保険申請件数が市場予想を下回り、9月のシカゴ購買部協会景気指数も前月比で市場予想に反して上昇するなど、米景気が緩やかに回復するとの見方から買いが先行しました。NYDowは一時113ドル高まで上げる場面があったものの、買い一巡後は高値警戒感から売りに押され、相場は昼前に下げに転じました。午後も、利益確定売りが優勢となりました。
1日の日本市場では、為替の落ち着きと、前日に大幅下落となった反動の動きが優勢となり、小高く推移しました。来週に開かれる日銀金融政策決定会合での追加金融緩和政策への期待が下支えとなっていますが、米国市場が方向感の定めにくい動きとなっていることや、世界的な金融機関の先行き不透明感再燃などで、積極的に買い進む動きは限られました。。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。短期トレンドは黄信号が点灯しています。総合乖離率は-5.7%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-6.6%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線の上に在りますが、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線が、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が10.3ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.7ポイント縮まりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.9ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、8月のISM製造業景況感指数、などは市場予想を上回りましたが、9月の消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、9月の連銀景気指数、8月の鉱工業生産指数、8月のISM非製造業景況感指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、8月の米中古住宅販売件数、7月の米仮契約住宅販売指数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は予想以上だったものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月はやや改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は09月28日 0.2894% → 09月29日 0.2900% → 09月30日 0.2900%と下げ止まりから上昇に転換しました。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は30日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.91ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.8、PBRが1.09、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の下落にも関わらず上昇しました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均は50円の割安で、割安幅が縮まりました。プレミアム値は、ここ1週間、-110円 ~ +100の間で推移しています。日本市場は、円高推移で、ドルベースでも米国市場より弱い動きとなっています。今夜の米国市場は、8月のPCEコア・デフレータや9月のISM製造業景気指数などが注目されそうです。9月に入り発表された、米国の経済指標は予想以下でも売り材料にはなりにくい状況が続いていており、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。ただ、テクニカル指標から、目先は買われ過ぎ圏で、欧米市場で財政懸念が意識されてきましたので、利食い売りが出やすい状況です。日経平均は円高推移で、一目均衡表の雲の上に出ることが出来ず、雲の中での推移となっています。雲の帯が下向きにも関わらず、上に抜けないと弱さを露呈することにも繋がります。為替介入や米国市場の一段高などの支援材料が必要ですが、直ぐに実現する可能性は低そうです。


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