日経平均の予想: [2010/10/13]日経平均の今後の見通し

Wednesday, October 13, 2010

[2010/10/13]日経平均の今後の見通し

[市況]
12日のNYDowとNASDAQは小幅上昇しました。13日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付きました。前場は20円高から110円高の間で上下する動きでした。後場は売りが優勢となり、一時10円安となる段場面もあり、最終的に10円高で終わりました。日経平均は14円高で引け、出来高は18.9億株と減少傾向です。寄り付き前の外国人の売買注文は、1860万株の売り越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が大幅に拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
12日の米国市場では、原油相場がやや軟調で、石油株の下げが相場の重荷となり、NYDowは午後中ごろまで小安く推移しましたが、FOMC議事要旨が発表されると上げに転じました。多くの委員が、低成長が続いた場合などには追加金融緩和の実施が適切との認識を示していたことが明らかになり、11月上旬の次回FOMCでFRBが追加緩和策を決めるとの期待が一段と高まり、金融株やIT株を中心に買いが優勢になりました。
13日の日本市場では、インテルの市場予想をやや上回る決算や、日本の8月の機械受注の大幅上振れなどを背景に、朝方はハイテク銘柄を中心に買いが優勢に。なりました。ただ、後場に入り、円高ドル安基調継続への警戒感に加え、4月高値銘柄の期日到来による売りから銀行株が一段安となり、全体相場も失速する形となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-6.6%とマイナス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-6.5%とマイナス幅が縮まりました。日経平均は一目均衡表の雲の中に在ります。2つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線、9日線の上に在ります。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号が点灯しています。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.1ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.4ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ1.9ポイント割安となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2010年の実質GDP成長率見通しを下方修正し、米国の4-6月期のGDPは縮小ぎみです。一方、4-6月期決算発表内容は概ね好調でしたが、7-9月期は鈍化するとの見方が出ています。経済指標では、9月のISM非製造業景況感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、9月のISM製造業景気指数、9月の消費者信頼感指数、8月の耐久財受注、9月の連銀景気指数、8月の鉱工業生産指数は予想以下となりました。8月の失業率は9.6%と増加したものの、雇用者数が事前予想以上となりました。一方、住宅関連では、8月の米仮契約住宅販売指数、8月の米中古住宅販売件数は予想以上でしたが、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は予想以上だったものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州の銀行による金融不安は落ち着いたようです。しかし、根本的な解決には時間が掛かりそうです。G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきました。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は10月08日 0.2891% → 10月11日 0.2891% → 10月12日 0.2891%と低下後横ばい状態です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は12日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.24ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.8、PBRが1.09、ROEが6.9%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの小幅上昇に連動して小幅な上げとなりました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.5%となり、日経平均は50円の割安で、割安幅が縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、-90円 ~ +210の間で推移しています。日本市場は、円高警戒で、ドルベースでも米国市場より弱い動きが続いています。今夜の米国市場は、JPモルガン・チェースの決算が注目されそうです。9-10月に入り発表された、米国の経済指標は予想以下でも、追加金融緩和期待から、売り材料にはなりにくい状況が続いていており、米国市場は、短期・中期とも上昇トレンドにあります。一方、日経平均は一目均衡表の雲の中に入ってしまい、為替介入や日銀の金融緩和政策による効果は無くなりつつあります。日経平均の上昇の為には、今後も効果的な為替介入や米国市場の一段高などの支援材料が必要です。当面、追加金融緩和期待から上昇トレンドは維持されそうですが、今後発表される7-9月の決算内容で、悪材料が出た場合は一服することも有りそうです。また、為替は円高方向ですので、介入が無ければ、日経平均は米国市場より、弱い動きが続きそうです。日経平均が一目均衡表の雲の上に戻れば、押し目買いスタンスで良さそうですが、微妙な段階です。


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