日経平均の予想: [2010/05/24]日経平均の今後の見通し

Monday, May 24, 2010

[2010/05/24]日経平均の今後の見通し

[市況]
21日の、NYDowと、NASDAQは上昇しました。24日の日経平均先物は、前日比20円高で寄り付きました。前場は40円安まで下げた後に、後場にかけて60円高まで上昇しました。その後は小動きとなり、最終的に30円高で終わりました。日経平均は26円安で引け、出来高は22.0億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、120万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
21日の米国市場では、朝方は欧州を中心に世界景気の先行き不透明感などから売りが先行しましたが、最近の相場の大幅な下落を受け、値ごろ感や自律反発狙いの買いが入りました。米上院本会議が前日夜に金融規制改革法案を可決。規制強化への懸念から売られていた金融株に、悪材料出尽くし感などから買い戻しが入ったことも好材料でした。
24日の日本市場では、前週末の米国市場は反発したものの、SGXの先物市場で大口売り観測が伝わったことが投資家心理を冷やし、朝方から売りが優勢となりました。日経平均は前週末の安値9696円を僅かに下回る場面もありました。ただ、その後は上海株市場の堅調推移を受けて上昇へ転じる場面もみられました。しかし、積極的な上値追いは限定的で、大引けにかけては小動きとなりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-22.3%とマイナス幅を拡げました。200日線との乖離率は-5.8%とマイナス幅を拡げました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは赤信号が点灯しています。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に抜けました。NASDAQは、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の下に抜けました。米国市場の短期トレンドは赤信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.8ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅1.5ポイント拡大しました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.5ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月~3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、4月の連銀製造業景況感指数、4月の景気指数、消費者信頼感指数、4月のISM製造・非製造業景況感指数、小売売上高は市場予想を上回りましたが、4月の消費者態度指数、3月の鉱工業生産指数は低下しました。4月の失業率は9.9%と増加したものの、雇用者数が29万人増と事前予想より多くなり2ヶ月連続で改善傾向を示しましたが、5月3週間の新規失業保険申請件数が市場予想に反して増加し懸念が生じました。一方、住宅関連では、3月の新築一戸建て販売件数が前月比26.9%の大幅増となり、市場予想を大幅に上回り、4月の住宅着工件数も4ヶ月連続で改善しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数も改善傾向でした。3・4月の景気指標は改善傾向ながら、5月は世界市場の下落が景気の行き先懸念を生んでいます。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとするEU各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、新たな金融不安が生じています。EU各国は最大7500億ユーロの緊急融資制度の創設で合意しましたが、これで、沈静化するかどうかは不透明です。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3カ月物金利の推移は05月20日 0.484 %に対して05月21日:0.497%と上昇しています。ちなみに、急落前の05月03日は0.346%でした。.
シティグループの株価は21日、上昇しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.75ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが17.0、PBRが1.14、ROEが6.7%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇にも関わらず下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.5%となり、日経平均は40円の割高で、プラス幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-240円 ~ +230の間で推移しています。日本市場は、ここ2日、米国市場より下げ渋った分、今日は上昇できませんでした。今夜の米国市場では、欧州市場の動きや4月のシカゴ連銀全米活動指数、4月の中古住宅販売件数などの経済指標の発表が注目されそうです。欧州市場で、ユーロは少し買い戻されていますが、ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らないようです。一方、上海市場は大幅上昇となりました。日本市場は信用買い残や裁定買い残が膨らんできたこともあり、出直りの為には、投げ売りがでるような急落局面か又は、時間が必要とならざるを得ないようです。今日の動きを見ても売り方の買い戻しのエネルギーは少ないようです。日経平均の正念場はまだ続きそうです。日経平均は200日移動平均線を6日下回っています。直ぐに戻らないと、中期的に下げトレンド入りの可能性が高くなります。日本市場の自律反発力は弱く、欧米市場次第の動きが続きそうです。テクニカルには25日線との乖離率が-8.4%、騰落レシオが71、サイコロジカルラインが25%など底値圏接近を示すものが多くなっていますので、欧米市場が落ち着けば、目先は売られ過ぎ銘柄の買い戻しはありそうです。


ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。