日経平均の予想: [2010/05/17]日経平均の今後の見通し

Monday, May 17, 2010

[2010/05/17]日経平均の今後の見通し

[市況]
14日の、NYDowと、NASDAQは大幅下落しました。17日の日経平均先物は、前日比150円安で寄り付きました。前場は120円安まで下げ幅を縮めた後、売り直す動きとなりました。後場に、300円安まで一段安となった後は、買い戻す動きとなり、最終的に210円安で終わりました。日経平均は226円安で引け、出来高は26.2億株と増加しました。寄り付き前の外国人の売買注文は、320万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅が拡大しました。個別銘柄に関しては「売り」が有利な状態です。
14日の米国市場では、欧州の財政・経済不安を背景に欧州株が大幅安となり、信用収縮懸念が強まり、米国株への売りにつながりました。ユーロが対ドルで約1年半ぶりの安値を付け、ドル建てで取引される原油が割高感から下落したことや、米上院がデビットカードの手数料に関する規制を承認したと伝わり、規制の強化で収益を得にくくなるとの思惑から、カード関連の金融株が大きく下げたことなども相場の悪材料となりました。
17日の日本市場では、欧米市場の下落を受け、朝方から売りが優勢となりました。ユーロ安・円高が続いたことも悪材料となり、売り一巡後も下値を切り下げる展開となりました。後場は中国の金融引き締め懸念を背景とするアジア市場の下落も嫌気され、下げ幅は一時300円超へ拡大する場面がありました。大引けにかけては下げ渋ったものの、押し目買いは限定的でした。
[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、9日線の下に在ります。短期トレンドは赤信号が点灯しています。総合乖離率は-11.0%とマイナス幅を拡げました。200日線との乖離率は-1.1%とマイナス転換しました。日経平均は一目均衡表の雲の下に在ります。3つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号から赤信号に変りました。また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、75日線、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表の雲の下に在ります。
NYDowは200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。NASDAQは、200日線、75日線の上に在りますが、25日線、9日線の下に在ります。一目均衡表では雲の中に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号からあ黄信号に変りました。中期トレンドは黄信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が6.7ポイント割安であることを示しています。日本市場の割安幅は変化ありません。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2010年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が0.8ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字国の拡大とユーロ安の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。米国の1月~3月期のGDPは予想どおりの伸びで、米企業の1月-3月期決算発表は、概ね好調でした。経済指標では、4月の連銀製造業景況感指数、4月の景気指数、消費者信頼感指数、4月のISM製造・非製造業景況感指数、小売売上高は市場予想を上回りましたが、4月の消費者態度指数、3月の鉱工業生産指数は低下しました。4月の失業率は9.9%と増加したものの、雇用者数が29万人増と事前予想より多くなり2ヶ月連続で改善傾向を示しました。一方、住宅関連では、3月の新築一戸建て販売件数が前月比26.9%の大幅増となり、市場予想を大幅に上回り、3月の住宅着工件数も3ヶ月連続で改善しました。2月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数も改善傾向でした。3・4月の景気指標は改善傾向ながら、消費者マインドは横ばいのままのようです。中国の不動産高騰に伴う金融引き締めや、元の切上げ観測の影響も、まだ注視する必要がありそうです。
米大手銀行の好決算が相次ぎ、資本不足問題は、一旦解消したものの、変って、ギリシャを初めとするEU各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生み、新たな金融不安が生じています。EU各国は緊急支援基金の設立で合意しましたが、これで、沈静化するかどうかは不透明です。さらに、英国・米国のソブリン・リスク問題も議論され始め、長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下、FRBの低金利政策は継続されています。引き続き、金融機関の株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、シティグループの株価は14日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在3.98ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが19.0、PBRが1.25、ROEが6.6%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末の米国市場の下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-1.4%%となり、日経平均は150円の割安で、割安幅は縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-310円~-40円の間で推移しています。日本市場は、ここ5日は米国市場より弱含みで推移していますが、改善傾向です。今夜の米国市場では、5月のニューヨーク連銀製造業景気指数や5月の住宅市場指数が注目されそうです。欧州市場は下げが止まらず、ユーロも売りが優勢です。やはり、ソブリン・リスクの根本原因である財政健全化の道筋が見えないとユーロは簡単に戻らないようです。中国の金融引き締め懸念や、米国市場の異常な急落の原因がはっきりしない点も影響は残っていると思われます。本格的な反転の為にはこの3点の解決の道筋がはっきりするか織り込み済みとなることが必要と思われますので、欧米市場の下落が止まるか否かは微妙です。日経平均は200日移動平均線を割ってしまいました。中期トレンドが赤信号となりましたので、直ぐに戻らないと、中期的に下げトレンド入りの可能性が高くなります。


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