日経平均の予想: <20090331>日経平均の今後の見通し

Tuesday, March 31, 2009

<20090331>日経平均の今後の見通し

[市況]
30日、NYDowとNASDAQが下落しましたが、31日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付き、前場は200円高まで上げた後に下落に転じました。後場も一時戻す場面もありましたが、軟調な展開が続き、最終的に430円安で引けました。日経平均は390円安で引け、寄り付き前の外国人は900万株の売り越しで、出来高は23.2億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですがピークアウト感があります。

30日の米国市場では、オバマ米大統領が、GMとクライスラーの再建計画について「成功には不十分」と指摘。破産法適用が高まったとの見方が広がり、自動車関連株を中心に幅広い銘柄に売りが出ました。また、ガイトナー米財務長官が前日に「ストレステストの結果、いくつかの銀行は巨額の支援が必要になるだろう」と述べたことで、金融株の下落も目立ちました。
31日の日本市場では、GMやクライスラーの再建策が不十分との材料は前日の大幅安で織り込んだとみる声が多く、一時は約140円高の8300円台後半まで上昇しましたが、あす日銀が発表する企業短観の結果が悪化を示すとの懸念が重しになり、年度の最終売買日の手じまい売りの動きも出たようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、75日線の上にありますが、9日線の下に在りますので、短期トレンドは黄信号が点っています。一方、日経平均の総合乖離率は-14.9%とマイナス幅が拡大し、200日線との乖離率も-20.6%とマイナス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素中、マイナスは2つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.3ポイント下にある状態となり、日本市場は割安に転換しました。
NYDowは、25日線の上に在りますが、75日線と一目均衡表の雲の下にあり、9日線を下回りました。NASDAQは、75日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲と9日線のを下回りました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号となりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されました。2つめについては、久々に米中古住宅販売や、新規住宅着工件数に改善がみられました。今回のFRBによる住宅ローン担保証券の買い入れが長期金利下げをもたらし、住宅ローン金利低下に繋がりそうです。ここしばらく、住宅関連を中心とした経済指標への関心が向かうと考えられます。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、当面続くことが予想されます。また、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は30日、下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.31ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.3%、予想PERが94.5、PBRが0.91となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、ここ2日の米国市場の下落率に連動した形で下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.3%(20円割高)となっており、日経平均は割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-70円~+440円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の上にありますが、一目均衡表の雲と75日線、9日線との下に出ました。短期的には、黄信号となりました。日経平均は、昨日に米市場の下落を先読みしていましたので、今日の下落は限定的でした。25日線との乖離率が5.2%で、目先の下げ余地はまだ残っています。4月に入り、公的資金や、年度末のお化粧買いがなくなる分、目先は悪材料に敏感に反応する可能性はまだ高いと思われます。


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