日経平均の予想: <20090330>日経平均の今後の見通し

Monday, March 30, 2009

<20090330>日経平均の今後の見通し

[市況]
27日、NYDowとNASDAQが下落しましたが、30日の日経平均先物は、前日比10円高で寄り付き、前場は30円高まで上げた後に下落に転じました。後場も軟調な展開が続き、最終的に430円安で引けました。日経平均は390円安で引け、寄り付き前の外国人は260万株の売り越しで、出来高は22.3億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を縮小しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですがピークアウト感があります。

27日の米国市場では、2月の個人消費支出と3月の消費者態度指数はほぼ市場予想通りで、市場への影響は限られたものの、前日までに約2割上昇しており、ひとまず利益を確定させる売りが出たようです。家電量販店ベスト・バイが予想を上回る決算を発表したことで前日上昇したハイテク株への売りが目立ちました。
30日の日本市場では、目先の過熱感から利益確定売りが出て、信用の手じまいの売りも加速し、前週までの相場展開とは逆に先物主導で徐々に下げ幅を拡大しました。後場は円の上昇やアジア株の下落、GLOBEXで米株価指数先物の下落、米自動車大手の救済問題の先行き不透明感などが重しとなり、一段安となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、75日線の上にありますが、9日線を下回りましたので、短期トレンドは黄信号が点っています。一方、日経平均の総合乖離率は-10.3%とマイナス転換し、200日線との乖離率は-19.6%とマイナス幅は拡大しました。一目均衡表では雲の中に入りました。3つの要素中、マイナスは2つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.3ポイント下にある状態となり、日本市場は割安に転換しました。
NYDowは、75日線と一目均衡表の雲の下にありますが、25日線、9日線の上に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、9日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは黄信号が点っています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.2ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案が思ったほどでなく、政府による承認は微妙となってきたようです。これを受けた米市場の動きに注目が必要です。2つめについては、久々に米中古住宅販売や、新規住宅着工件数に改善がみられました。今回のFRBによる住宅ローン担保証券の買い入れが長期金利下げをもたらし、住宅ローン金利低下に繋がりそうです。ここしばらく、住宅関連を中心とした経済指標への関心が向かうと考えられます。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、当面続くことが予想されます。また、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は27日、下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.62ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.3%、予想PERが96.7、PBRが0.92となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、先週末の米国市場の下落率以上に下落しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-0.7%(60円割安)となっており、日経平均は割安に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-80円~+440円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線と25日線の上にありますが、一目均衡表の雲と75日線の下に出ました。短期的には、まだ青信号が点っています。日経平均は米自動車企業救済案の行方に不透明感が出て、今夜の米市場の下落を先読みし、大幅下落しました。25日線との乖離率が7.2%で、目先の過熱感は依然として在りますので、目先は悪材料に敏感に反応する可能性はまだ高いと思われます。



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