日経平均の予想: <20090326>日経平均の今後の見通し

Thursday, March 26, 2009

<20090326>日経平均の今後の見通し

[市況]
25日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、26日の日経平均先物は、前日終値より10円高く寄り付き、前場は50円安まで下げた後、後場は一段高となり、最終的に270円高で引けました。日経平均は156円高で引け、寄り付き前の外国人は750万株の売り越しで、出来高は19.0億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅を拡大しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態ですがピークアウト感があります。

25日の米国市場では、2月の耐久財受注額が市場予想に反して、前月比で増加。新築住宅販売件数も市場予想を上回り、NYDowは203ドル高まで上げ幅を広げる場面がありましたが、米5年物国債の入札が低調だったことを受け、午後に米長期金利が上昇したことで、警戒感が出て株価は下げに転じ、株価指数は一時前日比マイナスになったものの、引けにかけて買いもどされ、株価指数はプラスで終了しました。
26日の日本市場では、朝方は、これまでの上昇ピッチの速さに対する警戒感から利益確定売りも出て、配当権利落ちとなった銘柄を中心に売りが先行しましたが、先行きの景気動向に対する過度の不安が後退していることから一段と売り込む動きは限られ、後場は一段高となりました。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線と25日線、75日線の上にありますので、短期トレンドは青信号が点っています。一方、日経平均の総合乖離率は+4.6%とプラス転換し、200日線との乖離率は-16.2%とマイナス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に出ました。3つの要素中、マイナスは1つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が2.1ポイント上にある状態となり、日本市場は割高度が拡大しました。
NYDowは、75日線と一目均衡表の雲の下にありますが、25日線、9日線の上に在ります。NASDAQは、75日線、25日線、9日線の上に在りますが、一目均衡表の雲の下に在ります。米国市場の短期トレンドには青信号が点灯しています。中期トレンドは赤信号が点っています。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.0ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案が提出されたため、今後は中身についての議論となるでしょう。GMは、4年連続となる大幅な赤字を発表しました。今月末の政府の対応が注目されます。2つめについては、久々に米中古住宅販売や、新規住宅着工件数に改善がみられました。今回のFRBによる住宅ローン担保証券の買い入れが長期金利下げをもたらし、住宅ローン金利低下に繋がりそうです。ここしばらく、住宅関連を中心とした経済指標への関心が向かうと考えられます。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、当面続くことが予想されます。また、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は25日、下落しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.95ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-89.4%、予想PERが92.9、PBRが0.97となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇率以上に上げました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+5.8%(440円割高)となっており、日経平均は割高幅を拡大しました。プレミアム値は、ここ1週間、-80円~+570円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は、一目均衡表の雲と75日線の下にありますが、9日線と25日線の上にあるので、短期的には青信号が点っています。日経平均は期末権利落ち埋めて上昇しましたので、かなり強い動きでした。この結果、25日線との乖離率が13.7%となり、目先の過熱感は増しています。さすがに、目先は悪材料に敏感に反応する可能性が高いと思われます。



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