日経平均の予想: <20090312>日経平均の今後の見通し

Thursday, March 12, 2009

<20090312>日経平均の今後の見通し

[市況]
11日のNY DowとNASDAQは上昇しましたが、日経平均先物は前日比60円安で寄り付き、その後も終日軟調に推移し、結局240円安で引けました。日経平均は177円安でした。寄付き前の外人は410万株の売り越しで、出来高は19.9億株と低水準となり、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数の差はマイナス幅が拡大し、個別銘柄は、"売り"が有利な状況です。
11日の米国株式市場では、ガイトナー米財務長官がテレビインタビューで、銀行システムを支援する姿勢を示したことや、JPモルガンのCEOが1、2月に利益をあげたと語ったことなどで、前日に急伸した金融株は11日も買われました。ただNY Dowが今年最大の上げ幅を記録した後とあって、利益確定売りに押される銘柄も目立ちました。
12日の日本市場では、内閣府が発表した10-12月期のGDP改定値は前期比12.1%減と速報値からやや上方修正されものの、買い材料にはならず、円が午後に95円台後半まで上昇すると輸出関連が下げ幅を広げました。中国国家統計局が発表した1-2月の工業生産高が市場の予想を下回ったことで世界経済の低迷に対する警戒感が広がった面もあったようです。

[テクニカル視点]
日経平均は、下落し、75日線、25日線の下に在り、9日線を割りましたので、短期トレンドは"赤信号"となりました。一方、一目均衡表の雲の下に在り、総合乖離率は-46.7%とマイナス幅は拡大し、200日線との乖離率も-31.9%とマイナス幅が拡大しました。3つがマイナスですので、中期的トレンドは、"赤信号"のままです。
テクニカルから見た割高・割安度である日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が3.5ポイント下回るレベルとなり、割安に転換しました。
NY Dowは、11日は上昇し、75日線、25日線、一目均衡表の雲の下に在りますが、9日線の上に在ります。Nasdaqも、一目均衡表の雲、75日線、25日線の下にありますが、9日線の上に在りますので、米国市場の短期トレンドは、"黄信号"です。中期トレンドは、"赤信号"です。

[ファンダメンタル視点]
金利差とファンダメンタルから見たイールド・スプレッドの日米差は、長期間、日本市場が割安でしたが、このところの日本企業のPERの急激な悪化で、日本市場が4.7ポイント割高となっています。市場テーマである①ビッグ3救済問題、②世界的な実態経済の急速な悪化と効果的な景気対策、③金融機関の損失拡大による金融危機再燃。という課題のうち①は、GMとクライスラーの改革案が提出されましたので、今後は破産法11条適用など中身の議論となりそうですが、GMの4年連続の大幅な赤字の中、政府の対応が注目されます、収束するか否かは不透明です。②については急激な景気悪化を示す懸念材料が止まりません。景気対策法案は成立しましたが、保護主義的な動きが市場の懸念材料です。中国の追加景気対策が明らかになりましたが、好材料として持続できていません。③については、オバマ政権の金融安定化策として、銀行に対するストレステストの実施やシティーの優先株の普通株への転換などの施策は、まだ市場評価を得たとは言えないようで、金融不安の払拭には至っていませんが、シティーの業績好転やFRB議長の会計制度見直し発言は一旦市場の評価を得たようですが持続するかどうかを見る必要が有りそうです。一方、中長期的に見ると、世界景気の減速がいつ収まるかは不透明で、ヘッジファンドを中心とする外人の売り圧力は当面続きそうです。加えて、市場は不動産価格も2010年までは下げが続くと見ているようですので、銀行の損失拡大懸念と企業の資金調達への影響はまだまだ根深そうです。先安感はまだ残っていると思われます。これからも、米国の金融機関の株価の推移を見守ることが重要と思われます。ちなみに、シティー グループの株価は、11日は上昇しました。(3月の安値1.02ルに対して現在1.54ドル)一方、今日現在の日経平均採用銘柄の今期予想増益率は-88.1%で、予想PERは69.0、PBRは0.81となりました。PBRは1.0を割り超長期投資としては買い場と思われます。

[今後の見通し]
日経平均は、円高が影響し米国市場の上昇にも関わらず下落しました。その結果、ドルベース(為替考慮後)の終値でのNY Dowと比較した場合の日経平均のプレミアムは-0.1%(10円の割安)となり割安に転換しました。プレミアム値はここ1週間は-70~+370の範囲で動いています。海外投資家から見た日経平均の動きである、ドル換算チャートは、一目均衡表の雲、75日線、25日線の下に在り、9日線を割りました。短期的には"赤信号"となりました。円高により日経平均は軟調な展開となりました。目先は円高が続くと軟調な推移を余儀なくされそうですが、米国市場の今回の好材料が口先だけでなく実現し、金融株上昇が本物であれば、基本強気で良い様に思います。



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