日経平均の予想: <20090401>日経平均の今後の見通し

Wednesday, April 01, 2009

<20090401>日経平均の今後の見通し

[市況]
31日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受け、2日の日経平均先物は、前日比80円高で寄り付き、前場は30円安もありましたが、後場にかけて上昇し、最終的に260円高で引けました。日経平均は242円高で引け、寄り付き前の外国人は120万株の買い越しで、出来高は23.2億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス転換しました。個別銘柄に関しては、「買い」が有利の状態です。

31日の米国市場では、前日までの2日間でNYDow402ドル下げていたため、値ごろ感からの買いにつながりました。下院金融サービス委員会のフランク委員長の発言などを受け、金融商品の時価会計基準緩和の思惑が強まったこともあり、銀行株にも買いが膨らみました。一方、1月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は、前年同月比で19.4%下落と、下落率が過去最大となりましたが、株価指数への影響は軽微でした。
1日の日本市場では、米市場の上昇や円安傾向を好感し、輸出関連の主力株を中心に買われました。日経平均は前日までの3日間で530円近く下落し、押し目買いが入りやすい環境でした。朝方発表の日銀の短観、3月調査は景況感の急激な悪化が示されましたが、市場予想の範囲内として、相場全般への影響は限定的でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、75日線の上にあり、9日線を上回りましたので、短期トレンドは青信号が点りました。一方、日経平均の総合乖離率は-6.8%とマイナス幅が縮小し、200日線との乖離率も-18.0%とマイナス幅は縮小しました。一目均衡表では雲の上に出ました。3つの要素中、マイナスは2つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が0.2ポイント下にある状態となり、日本市場は割安幅が縮小しました。
NYDowは、25日線の上に在りますが、75日線と一目均衡表の雲と9日線の下にあります。NASDAQは、75日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲の中に在り、9日線を上回りました。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドも黄信号となりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、長らく日本市場が割安であることを示していましたが、このところ日本企業のPERが急激に悪化しているため、現在は日本市場が4.3ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されました。2つめについては、久々に米中古住宅販売や、新規住宅着工件数に改善がみられました。今回のFRBによる住宅ローン担保証券の買い入れが長期金利下げをもたらし、住宅ローン金利低下に繋がりそうです。ここしばらく、住宅関連を中心とした経済指標への関心が向かうと考えられます。3つめに関して、今回のガイトナー財務長官のバッドバンク構想詳細発表は金融安定化への期待で市場心理の改善につながっているようです。今後は銀行の第一四半期の決算とストレステストの結果に関心が集まるものと思われます。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、当面続くことが予想されます。また、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は31日、上昇しました(3月安値1.02ドルに対し、現在2.53ドル)。
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期予想増益率が-90.3%、予想PERが96.2、PBRが0.93となっています。PBRが1.0を割っているため、超長期的には買い場が到来していると言ってよさそうです。

[今後の見通し]
日経平均は、米国市場の上昇に連動した形で上昇しました。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+1.7%(130円割高)となっており、日経平均は割高に転換しました。プレミアム値は、ここ1週間、-160円~+440円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は、25日線の上にありますが、一目均衡表の雲の中に入り、75日線、9日線との下にありますので、短期的には、黄信号となりました。日経平均は、昨日までの急な下げから反発しました。25日線との乖離率が7.7%と過熱感が再び出てきました。米国市場は好材料で上げた訳ではありませんので、目先は悪材料に敏感に反応し下落する可能性はまだ高いと思われます



ブログランキング・アップに、ご協力をお願いします。
下のボタンをクリック!

世界の市場のリアルチャートはこちら=>世界の市場のリアルチャート

注目銘柄、日経平均チャートについてはYS総合研究所HPも参考にしてください。