日経平均の予想: <20090427>日経平均の今後の見通し

Monday, April 27, 2009

<20090427>日経平均の今後の見通し

[市況]
24日、NYDowとNASDAQが上昇したことを受けて、27日の日経平均先物は、前日比70円高で寄り付き前場に110円高まで上昇する場面もありましたが、後場は下落に転じ、最終的に10円高で引けました。日経平均は18円高で引け、寄り付き前の外国人は400万株の買い越しで、出来高は20.4億株と、低水準でした。高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が拡大しました。マイナス転換しましが、個別銘柄に関しては、ニュートラルな状態です。

24日の米国市場では、3月の中古住宅販売件数が前月比3%減の年率457万戸と、予想の465万戸を下回って朝方全般安く推移しましたが、アップル、イーベイなど主要企業の決算が好調だったことで、午後に入り前日比プラスに転じ、引けにかけ上げ足を速め主要指数はほぼ高値圏で引けました。
27日の日本市場では、豚インフルエンザ発生を受けて、治療薬を販売する中外薬が買われるなど、個別株物色の流れが継続しましたが、豚インフルエンザによる米経済への影響が懸念され、今夜の米市場の反応を見たいとの雰囲気も強かったようです。海運各社の3月期決算が厳しい内容となったこともあり、後場は小安い場面が目立ちました。

[テクニカル視点]
日経平均は、25日線、75日線の上にありますが、9日線の下に在りますので、短期トレンドは黄信号です。一方、日経平均の総合乖離率は-2.1%とマイナス転換し、200日線との乖離率は-10.2%とマイナス幅が縮小しました。一目均衡表では雲の上に在ります。3つの要素中、マイナスは2つとなりましたので、中期的トレンドには、黄信号が点っています。
テクニカル面の指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が5.3ポイント下にある状態となり、日本市場の割安幅は拡大しました。
NYDowは75日線、25日線の上に在り、一目均衡表の雲の上に在り、9日線を上回りました。NASDAQも、75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、9日線を上に在ります。米国市場の短期トレンドは黄信号から青信号となりました。中期トレンドは引き続き黄信号です。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、OECDの2009年の予想実質GDP伸び率の日米差を反映した結果、現在は日本市場が7.6ポイント割高となっています。
市場は現在、「ビッグ3救済策」「実体経済の急速な悪化と効果的な景気対策」「金融機関の損失拡大による金融危機再来」といった問題を主要なテーマにしているようです。1つめの問題については、GMとクライスラーの改革案は不十分で、政府による承認はクライスラーは4月末、GMは5月末に延期されましたが、米政府がGMに対し連邦破産法の適用を申請する準備に取りかかるよう指示との報道がありました。2つめについては、米国の雇用状況には改善の兆しは見られないものの、経済指標はまちまちで過度な楽観論はなくなりつつあるようです。3つめに関しては「ストレステストの一部公表内容」は評価の方法のみで相場にはあまり影響しませんでした。やはり5月4日の発表を待つ必要がありそうです。
一方、中長期的に見ると、世界景気の減速は終息の気配を未だ見せていません。ヘッジファンドを中心とする外国人の売り圧力は、一旦後退してきたものの、2010年まで続くと言われる不動産価格の下落は、企業の資金調達への悪影響や、銀行の損失拡大懸念をもたらしています。先安感は今後も居座り続けるでしょう。引き続き、金融機関の株価の推移や経済指標などに留意することが肝要と思われます。
ちなみに、シティグループの株価は27日、若干下落しました。(3月安値1.02ドルに対し、現在3.2ドル)
一方、日経平均採用銘柄に関しては、今期欠損予想となり、予想PERは計算不能となりました。PBRは0.98となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、プレミアムが高かった分、米国市場が上昇したにも関わらず上昇できませんでした。結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.7%(50円の割高)となっており、日経平均は、割高幅を縮小しました。プレミアム値は、ここ1週間、-50円~+260円の間で推移しています。ドル換算チャート上の日経平均(海外投資家からの見た目)は75日線、25日線、一目均衡表の雲の上に在り、まだ9日線を上に在ります。短期的には、青信号です。
日経平均は25日線がサポートラインとして機能して、今日も9100円-8700円のレンジ内で終わり、25日線との乖離率は0.4%ですが、取引時間中には下回る場面もありました。引き続き、25日線を割るかどうか注目する必要があります。GM問題やストレステストの結果がはっきりするまでは、引き続き、ボックス内の動きが予想されますが、豚インフルエンザ問題の広がり次第では波乱要因が増えそうです。


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