日経平均の予想: [2023/10/28]今後の日経平均の見通し

Monday, October 28, 2024

[2023/10/28]今後の日経平均の見通し

[市況]

1025NYDowは下落し、NASDAQは上昇しました1028日の日経平均先物は、前日比450円安で寄り付くと、午前中は460円安から690円高と上昇に転じ、午後は460円高から760円高の間でもみあって、結局、660円高で取引を終えました。日経平均の終値は691円高の38605円で、出来高は17.83億株と高水準でした。

高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、マイナス幅を縮めました。個別銘柄に関しては、「売り」が有利の状態です。

空売り比率は、5日平均を下回りました。個別銘柄への信用の売り圧力は、やや弱い状態です。

 

1025の米国市場では、長期金利の上昇を嫌気した売りが出ました。食中毒との関連が指摘されているマクドナルドの下落も指数の重石となりました。一方、9月の耐久財受注や10月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことは株買いをさそいました。また、決算への期待から、大型ハイテク株には買いが向かいました。結局、NYDow5日続落し、NASDAQは続伸しました。

1028日の日本市場では、27日投開票の衆院選で与党の議席数が過半数割れしたことから、国内政治の混乱を嫌気した売りが先行しましたが、株価には既に織り込み済みとの見方もあり、朝方の売り一巡後は急激に買い戻しの動きが優勢となりました。外国為替市場の円安ドル高進行や、米ハイテク株高も追い風となりました。日経平均は大幅に反発しました。

 

[テクニカル視点]

日経平均は、25日線の下にありますが、9日線を上回りました。短期トレンドは赤信号から黄信号に変わりました。

総合乖離率は+1.8%とプラスに転換し、200日線との乖離率も+0.8%とプラスに転換しました。一目均衡表では雲の上にあります。3つの要素すべてがプラスとなり、中期トレンドは黄信号から青信号に変りました。

ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、9日線・25日線・200日線の下にあります。

 

NYDowは、200日線の上にありますが、9日線と25日線の下にあります。一目均衡表では雲の上にあります。NASDAQは、25日線と200日線の上にあり、9日線を上回りました。一目均衡表では雲の上にあります。米国市場の短期トレンドには黄信号が点灯しています。中期トレンドには青信号が点灯しています。

 

日経平均とNASDAQ200日移動平均線と株価の乖離率の差は、-8.5ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が3280円ほど割安であることを示しています。また、NYDowとの差は、-5.2ポイントとマイナス幅を縮め、日経平均が2010円ほど割安であることを示しています

 

日経VI25.86と前日より大幅に低下し、VIX20.33と前日より上昇しました。両指数ともに、投資家が相場変動に警戒を強めているとされる目安の20を上回っています。NYDowと比べて、日経平均は弱い状態ですが、前日比で弱さは縮小しました。

 

[ファンダメンタルの現状認識]

イールドスプレッドは、日本-5.5、米国+0.1と日本が5.6ポイント割安ですが、OECD2025年予想GDP伸び率の日米差(日本が+2.9、米国が+3.9)1.0ポイント日本が下回っています。これらを勘案すると、ファンダメンタルでは、中長期的に日本市場は米国市場より4.61ポイント(日経平均換算で97670円)割安となっています。

 

市場は現在、「中国景気が世界経済や金・穀物・原油価格に与える影響」「米国の景気・雇用状況・住宅市況」「中東やウクライナ情勢をめぐる地政学リスク」「為替の動向」といった事柄を材料視しているようです。

 

米国の46月期のGDP確定値は前期比年率3.0%増で、改定値の3.0%増から変わりませんでした。また、46月期の米企業の決算は、まちまちです。

 

経済指標を見てみます。

10月のミシガン大学消費者信頼感指数、9月の耐久財受注、9月の小売売上高、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、9月の消費者物価指数、9月のISM非製造業景況指数、9月のシカゴ購買部協会景気指数は市場予想を上回りました。一方、9月の鉱工業生産指数、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数、9月のISM製造業景況指数、9月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、8月の製造業受注は市場予想を下回りました。経済指標は75負で、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の9月の雇用統計によれば、非農業部門の就業者数は前月比25.4万人増で、市場予想の15.0万人増を大幅に上回りました。また、失業率は4.1%で、前月の4.2%から改善されました。雇用は、景気面では強気材料ですが、利下げ幅が縮まるという面では弱気材料です

 

米国の住宅関連の指標を見てみます。

9月の住宅着工件数、9月の住宅市場指数は市場予想を上回りました。一方、9月の中古住宅販売件数、8月の中古住宅販売仮契約指数、8月の新築住宅販売件数は市場予想を下回りました。7月のS&Pケース・シラー住宅価格指数(主要20都市圏の価格指数)は前年同月比+5.9%で、市場予想と一致しました。住宅関連の指標は33負で、景気・金利の両面で中立です

 

欧米日の金融政策をまとめてみます。

FRB9月のFOMC0.5%の大幅利下げを決定しました。ECBは、追加の利下げを実施し、中銀預金金利を3.5%としました。一方、日銀は、0.25%の金利水準を維持しています。また、ETFの買い入れ終了、YCC(長期金利の誘導)の終了、国債買い入れの減額を決定しています。


日経平均採用銘柄全体では、今期予想PER15.56PBR1.36となっています。直近の四半期決算発表に伴い、企業の今期収益力の見通しである予想ROE8.8%となり、これは3か月前より0.2ポイント悪化しています。また、今期予想利益の伸率は+2.1%で、こちらは3か月前より0.3ポイント改善されています。


[今後の見通し]

日経平均は、前週末のNYDowが下落したにもかかわらず上昇しました。NYDowに対する日経平均の短期的なプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は-3.0%となり、日経平均の割安幅は1730円から1210円に縮小しました。プレミアム値は、ここ一週間、-2500円~-1210円の間で推移しています。

 

日米の長期金利の差は、3.23ポイントから3.32ポイントに拡大しました。ドル円相場は円安方向に推移しました。

 

テクニカル面を見ると、米国市場は短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。日経平均も、短期的にはもみあいで、中期的には上昇トレンドです。

 

1028日の米国市場では、重要な経済指標の発表は予定されていません。フォード・モーター、センターポイント・エナジー、オン・セミコンダクターなどの四半期決算が注目されるでしょう。引き続き、原油価格や長期金利の動向も株式相場に影響を与えそうです。

 

きょうの日経平均は、想定範囲を上ぶれしました。上値は想定ラインを480円ほど上回り、下値は想定ラインを340円ほど上回りました。目先は、25日線+300円(現在39000円近辺)が上値の目安に、ボリンジャーバンド-1σ(現在38060円近辺)が下値の目安になりそうです。

 

日経VIは、依然として高水準にありますが、前日比で大幅に低下しました。また、信用の売り圧力は、やや弱い状態です。日経平均は、イベント通過で政局の方向感がある程度見えたことで、大幅に反発しました。政局の予想外の混乱がなければ、目先、反発が続きそうです。



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