Thursday, November 11, 2010

[2010/11/12]日経平均の今後の見通し

[市況]
11日のNYDowとNASDAQは下落しました。12日の日経平均先物は、前日比60円安で寄り付きました。前場は前日終値まで買われる場面も徐々に引き戻される展開となりました。後場は一段安で寄り付いた後は小動きな推移が続き、最終的に120円安で終わりました。日経平均は136円安で引け、出来高は18.2億株と低水準でした。寄り付き前の外国人の売買注文は、190万株の買い越しで、高値更新銘柄数と安値更新銘柄数との差は、プラス幅が縮小しました。個別銘柄に関しては「買い」が有利な状態です。
11日の米国市場では、前日夕に慎重な売上高見通しを発表したシスコシステムズが急落したことで、警戒感が関連銘柄に波及しました。また、ウォルト・ディズニーの四半期決算が市場予想を下回ったことも投資家心理を冷やしました。中国の追加利上げ観測や欧州の財政不安への警戒感も重荷になり、NYDowは下げ幅を120ドル超に拡大する場面がありました。
12日の日本市場では、米市場安に加え、中国で利上げ観測が広がっているため、世界的な金融相場に水を差す動きへの警戒感が出て、利益確売りが出ました。週末に加え、G20首脳会議で、世界の不均衡是正に向けた政策協調の枠組みや金融規制がどう決まるかを見極めたいとして、売買を見送る投資家が多く、商いは低調でした。

[テクニカル視点]
日経平均は、9日線、25日線の上に在りをます。短期トレンドは青信号が点灯しています。総合乖離率は-+3.9%とプラス幅が縮まりました。200日線との乖離率は-2.1%とマイナス幅が拡がりました。日経平均は一目均衡表の雲の上に在ります。1つの要素がマイナスですので、中期的トレンドは黄信号が点灯しています。
また、ドルベースの日経平均(海外投資家からの見た目)は、200日線、25日線、9日線の上に在りをます。一目均衡表では雲の上に在ります。
NYDowは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。
NASDAQは、200日線、25日線の上に在りますが、9日線を下回りました。一目均衡表では雲の上に在ります。米国市場の短期トレンドは青信号から黄信号に変わりました。中期トレンドは青信号が点灯しています。
テクニカルな指標である、日米市場の200日移動平均線と株価の乖離率の差は、日本市場が12.4ポイント割安(弱い動き)であることを示しています。日本市場の割安幅は0.2ポイント拡がりました。

[ファンダメンタルの現状認識]
イールドスプレッドの日米差は、5月に改訂されたOECDの2010年予想実質GDP伸び率の日米差と7-9月期の決算を考慮した結果、ファンダメンタル面では、日本市場が米国市場に比べ0.4ポイント割高となっています。
市場は現在、「米国の景気と雇用状況と金融規制の影響」、「欧州の財政赤字と景気後退の行方」や「中国の金融引き締めの影響」、「為替の動向」といった事柄を材料としているようです。FRBは2011年6月末までに米国債6000億ドルを購入する追加金融緩和策を決めました。米国の7-9月期のGDPは年率で2.0%増加し、市場予想に一致しました。7-9月期の主要企業の決算発表内容は概ね好調です。経済指標では、10月のISM非製造業景況感指数、10月のISM製造業景況感指数、10月のコンファレンスボード消費者信頼感指数、9月の製造業購買担当者景気指数、8月の米個人消費支出、9月のシカゴ購買部協会景気指数、8月の小売売上高、などは市場予想を上回りましたが、10月の消費者態度指数、9月の耐久財受注、10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数、9月の鉱工業生産指数、などは予想以下となりました。10月の雇用統計で失業率は9.6%と変化は無かったものの、雇用者数が前月比で15.1万人増となり市場予想の6万人増以上に増加しました。一方、住宅関連では、9月の新築住宅販売件数は2か月連続のプラスとなり、10月の住宅市場指数が5ヶ月ぶりに前月比で上昇し、9月の中古住宅販売件数は予想以上でした。また、8月のS&P/ケース・シラー住宅価格指数は前年同月比で1.7%上昇したものの伸びが鈍化しました。8月の景気指標と住宅関連指標は弱い内容でしたが、9月、10月、11月は改善傾向です。
ギリシャを初めとする欧州各国の財政赤字拡大が債務不履行懸念を生んでいましたが、ストレステスト通過により、欧州銀行の金融不安は落ち着いたようです。しかし、G20で2013年に財政赤字半減が宣言され、需要不足から世界景気の後退リスクが出てきたように、先進国の財政赤字に対する根本的な解決には時間が掛かりそうです。長期金利への影響や金融機関の業績悪化と投資家のリスク許容度の低下が、今後も懸念されます。このような環境の下で、FRBの低金利政策は継続されていますが、中国の利上げが悪材料視されています。引き続き、金融機関間の金利、株価の推移や企業業績の推移に留意することが肝要です。
ちなみに、LIBORドル3ヶ月物金利の推移は11月09日 0.2856% → 11月10日 0.2856% → 11月11日 0.2856%と低下後横ばい傾向です。ちなみに、急落前の05月03日の0.346%を下回っています。MAXは6月17日の0.5392%でした。
シティグループの株価は11日、下落しました。(昨年1月高値7.59ドル・昨年3月安値1.02ドルに対し、現在4.36ドル)。
一方、日経平均採用銘柄全体では、予想PERが15.4、PBRが1.12、ROEが7.3%となっています。

[今後の見通し]
日経平均は、NYDowの下落に連動して下げました。その結果、NYDowに対する日経平均のプレミアム(ドルベース・為替考慮後)は+0.7%となり、日経平均は60円の割高で、割高幅は縮まりました。プレミアム値は、ここ一週間、-30円 ~ +180の間で推移しています。日本市場は、円高推移で米国市場と比べて強い動きが後退しました。昨日の米国市場はハイテク株安と中国の利上げで下げました。その結果、短期トレンドは横ばいとなりましたが、中期は上昇トレンドの中にあります。今夜の米国市場は、G20首脳会議、11月のミシガン大学消費者信頼感指数などが注目されそうです。一方、日経平均の中期トレンドは横ばいのままで、短期トレンドも横ばいとなりました。日経平均の上昇の為には、今後も円安への動きや米国市場の一段高などの支援材料が必要です。今日も日米長期金利差は縮小し、目先の為替は円高方向に動きました。米国株安と円高が重なり、今日の日経平均は大幅安となりました。米国の金融緩和でインフレ期待が出ると米国長期金利は上昇すると云う面もあり、今後も長期金利の動向は要注目です。長期金利上昇は米株安と成り易い面があり、中国の利上げが重なると、日本株にとってはマイナスです。日本市場の上昇エンジンに急ブレーキが掛かった格好です。日経平均の今後を占う上で、日米金利差の推移が引き続き重要です。為替が円高方向への転換の可能性が出てくるとすると日経平均は米国市場より弱い動きが予想できます。200日線にも一旦接近しましたので、目先は短期調整局面入りを余儀なくされそうです。


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